社会学研究科について

一橋大学大学院社会学研究科は、1953年の創設以来、すでに半世紀以上にわたり、社会科学・人文科学の幅広い分野を横断する教育と研究の拠点として、多くのすぐれた人材を輩出してきました。21世紀を迎え、学術教育、経済、行政、市民社会といった領域を問わず、高度の専門知識や多様な能力が人びとに求められるようになっています。また、中核的な研究者や高い学識をもつ職業人の流動性は、国境を越えつつ、ますます高くなっています。社会学研究科の目標は、専門知識はもちろん、企画力、調査力、問題(イシュー)と学問分野(ディシプリン)の統合力などを身につけた、どのような場においても十分な能力とリーダーシップを発揮しうる研究者・社会人を養成することにあります。

こうした課題にこたえるため、大学院社会学研究科は二つの専攻から成り立っています。総合社会科学専攻では、社会学、哲学・思想、心理学、人類学、政治学、教育学、総合政策、歴史学など個別分野について深く先端的な知識と研究方法を系統的に学ぶとともに、それらを貫く総合的視野と多元的思考の獲得をめざします。地球社会研究専攻は、グローバルな視点から問題(イシュー)を捉えた上で、西洋中心の発想から脱却しそれぞれの現場に即した解決の模索を可能にする柔軟な知識と実践的方法の修得を、重視しています。これら二専攻が有機的に統合化されているのが、本研究科の特徴です。

社会学研究科はまた、新しい社会の担い手が研究者や専門職業人として長く活動していくためには何が必要かを考え、キャリア形成の視点から、大学院教育の質的充実にも力を注いできました。その結果、博士学位取得者数は大きく増加しました。また、さまざまな専門的スキルを身につけた大学院修了生が、経済界や行政、ジャーナリズムから市民社会に至る幅広い領域で活躍しています。

社会学研究科は、教育、研究の場としての男女共同参画社会形成の実践にも重きをおいています。女性教員比率は31%[2021年5月1日現在]と、一橋大学全体でも最も高く、大学院の女性学生比率も49%[2021年5月1日現在]と高い数字を示しています。今後も男女共同参画の環境整備に努め、女性教員比率のいっそうの向上と女性学生の積極的受け入れを目指します。
(注記:「女性教員比率」は、特任教授を含む教授、准教授、専任講師において女性教員が占める比率)



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