研究科長挨拶

一橋大学
大学院社会学研究科・社会学部


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研究科長挨拶

社会学研究科長
中野 聡

一橋大学の社会学部(1951年創設)・大学院社会学研究科(1953年創設)は、すでに60年余りにわたり、社会科学・人文学の幅広い諸分野を横断・総合する教育と研究の拠点として、その歴史を紡いできました。全国の社会科学系大学院として最高水準にある科研費の獲得状況が示すように、社会学部・社会学研究科には、社会学、哲学・思想、歴史学、教育学、政治学、社会人類学、社会心理学などの多様な学問領域で先端的な研究を主導している個性的な研究者が集まり、地域研究、総合政策研究、グローバリゼーション研究、ジェンダー研究、平和と和解研究など領域横断的アプローチにいち早く取り組んでいます。社会学部・社会学研究科のユニークな特徴、それは、個別の学問分野を大切にしながら、同時に風通しのよい1つの組織体の中で教育・研究活動が有機的に行われていることにあります。社会学部・大学院社会学研究科は、ひとことで言えば、我が国で最も伝統のある社会科学の研究総合大学としての一橋大学の特長をもっとも良く体現する学部・研究科であると、私たちは自負しています。

学士課程(社会学部)には、全国・海外から知的好奇心に満ちた学生諸君が集まっています。商学部・経済学部・法学部と異なる社会学部のユニークなところは、入学の時点では社会科学のどの領域を自らの専門とするかがまだ定まっていないことです。学生諸君は、多様な学問分野を吸収しながら、自らの問題意識と対話しながら、専門と方法を選び、あるいは自ら創造さえしていくことを通じて、変化する時代に柔軟に対応できるような大きな「知」の器を、学生一人ひとりが自らにあった形で作っていくことをめざします。このため、1・2年次には基盤となる知識や技法、幅広い視点を多面的に学び、それらを踏まえて3・4年次では、特定のゼミに所属して専門的な学問を深めます。自らも研究活動に参加し成果を卒業論文としてまとめる過程で、躍動する知の最先端に触れられるのは、社会学部の大きな魅力です。広く社会で活躍する社会学部卒業生に共通する資質は、知的逞しさと応用力と言って良いでしょう。

大学院社会学研究科では、社会学部の諸専門領域を学際的に統合再編した6分野(社会動態、社会文化、人間行動、人間・社会形成、総合政策、歴史社会)からなる総合社会科学専攻と、現代社会が抱える問題をグローバルな視点から解決することをめざす地球社会研究専攻を設け、多様な背景をもった教育研究者が活躍しています。また、フェアレイバー、ジェンダー社会科学、市民社会、平和と和解の研究センターの4つの研究科内センターが、研究科内外の一橋大学教員、国内外の研究者・研究組織と機動的に連携しながら活発な研究教育活動を展開しています。本研究科は、各学問分野において、日本のみならず世界を視野に入れた研究拠点として活動を続けてきており、大学院生もまたそうした最先端をともに担うことになります。同時に、本研究科は、大学院修了者が高度の専門性をもった職業人として多方面で活躍していけるよう、さまざまな専門的キャリア支援につながる科目の充実にもいち早く取り組んできています。

私たち社会学研究科・社会学部の教員は、たゆまない研究を通じて多様な形で社会に貢献すること、そして、その研究をわかりやすく教授して明日の社会を担う有為な人材を育成することをめざしています。困難な時代にあるからこそ、社会が直面する課題を解決する志を持ち、社会科学を一歩一歩着実に学び、これからの社会の(再)構築に向けて自発的に貢献しようとする人びとが集まる自由な「場」を、守り育てることが大切です。地域社会や広く地球社会の友人・市民とも連携しながら、創造性と寛容性を備えた社会の構想、総合性と国際性を備えた人材の育成という使命を、今後も果たしていきたいと思います。