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博士論文審査要旨

論文題目:米国における「人身取引」問題-「実態」をめぐる語りの変遷-
著者:佐々木 綾子 (SASAKI, Ayako)
論文審査委員:宮地 尚子・浅見 靖仁・伊豫谷 登士翁・貴堂 嘉之

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1 本論文の構成

 本論文は、「人身取引Trafficking in Persons」が米国において、社会問題として構築されていった経緯や様相、その背景を分析した意欲的な論考である。2000年の人身取引被害者保護法Trafficking Victims Protection Act of 2000(以下、TVPA)制定の前後の米国議会資料等の言説分析をもとに、「人身取引」の実態や問題点がどのように認識され、言語化され、記述されてきたのか、それらがどのような社会背景のもとで、他のいかなる社会問題とセットにして、対処されようとしてきたのかに焦点を当てて、考察が行われている。また、「人身取引」をめぐって米国のドミナントなストーリーが構成されていく中で、こぼれ落ちていく声や、発言者のポジショナリティについて議論を深めている。
 本論文は、序章、終章を含め、8章から構成されている。本論文の目次は次の通りである。

目次 
序章 「人身取引」問題の構築・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
1.本研究の背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.本研究の位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
3.構築主義アプローチと筆者の立場 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
4.「人身取引」の語りの登場人物について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
5.分析資料、方法と用語について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
6.本論文の構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

第1章 「白人奴隷制」から「現代奴隷制」へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
1.「人身取引」問題とは何か・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
2.「白人奴隷制」という現象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
3.「白人奴隷制」と「現代奴隷制」の類似点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
4.陰なる複数の語り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

第2章 TVPA成立過程における「人身取引」をめぐる語り ・・・・・・・・・・・・41
1.問題の表出期(1993~1995年):「ミャンマー人女性と少女の強制売春」への懸念・41
2.問題の発展期(1997~1998年):「若く、純真な女性の人生」に対する懸念・・・・44
3.問題の論争期(1999~2000年上期):被害と「被害者」の範囲をめぐって ・・・・54
4.問題の成熟期:TVPAの成立 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71

第3章 「人身取引」問題への取組みとその「成果」・・・・・・・・・・・・・・・・75
1.「人身取引」問題に関する取り組みとTVPA・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
2.取組みの「成果」と提言の提示 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83

第4章 米国という「救済者」:「奴隷制」からの解放と救済・・・・・・・・・・・・95
1.米国=「救済者」の構図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95
2.テロ後の「人身取引」をめぐる語り ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・99
3.米国社会の再建へ向けて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・109
4.「人身取引」問題の範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・113

第5章 問題解釈の変更を求めて:「支援者」の語り・・・・・・・・・・・・・・・・116
1.支援活動とアドボカシー活動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・117
2.「反売春の誓約Anti-prostitution pledge」と支援活動・・・・・・・・・・・・・・118
3.支援現場における「実態」の語り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
4.問題解釈をめぐる2つの場面におけるレトリック・・・・・・・・・・・・・・・130

第6章 「人身取引」をめぐる発言者のポジショナリティ・・・・・・・・・・・・・133
1.クレイム申し立ての主体と内容の連続性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・133
2.環状島モデルと発言者のポジショナリティ・・・・・・・・・・・・・・・・・・138
3.多様な「実態」の行方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146

終章 「現代奴隷制」を越えて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150
1.本論文の到達点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150
2.日本における「人身取引」問題の考察にむけて・・・・・・・・・・・・・・・・158
あとがき・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・165
調査用紙・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・167
文献一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・169


2 本論文の要旨

  「現代奴隷制Modern-Day Slavery」という別称を持つ「人身取引」という社会問題に対し、米国は2000年に、TVPAを制定し、「加害者」訴追と「被害者」の保護支援を実施するための包括的な枠組みを整備した。しかし、法整備後も「人身取引」の定義や原因をめぐっては様々な解釈がなされ、「被害者」認定の難しさについても議論が続いている。そうしたなか、被害者支援の現場では、TVPAに沿いつつも、幅のある解釈で「人身取引」の「実態」として認識され、それぞれの基準に沿って「被害者」と見做された人々にたいし、支援が実施されている。そこでは、どのような力が働き、誰の声がどのように聞かれていて、何が成し遂げられているのか、こうした問いの上に、本論文は構成されている。
 序章では、研究の背景や位置付け、先行研究、分析枠組み等について述べられている。本論文では、構築主義的なアプローチが使用されており、言説分析の手法が用いられている。佐々木氏は、構築主義のなかでも客観的現実についてある程度の想定をおこない、クレイム申し立て活動を社会歴史的なコンテクストのなかに位置付けるコンテクスト派の立場に立っている。
 さらに分析と考察に際して佐々木氏は、「人身取引」の語りを成立させている登場人物として「被害者」「加害者」の他、「救済者」「支援者」という主体を、設定する。「救済者」とは、政策立案者と政府機関関係者を指し、米国国家として「人身取引」問題への対処法を国内外に発信し、また国益や公益の追求を最大の任務とする者たちである。「支援者」とは「被害者」への支援活動やアドボカシー活動を実際に行っていると自他ともに認める者たちを指す。
 第1章では、現在語られている「人身取引」問題について、米国と国際社会の動向が概観される。また100年前に「白人奴隷制」として社会問題とされた「(白人)女性や少女が騙されて売られ、売春を強要されている」という言説についても分析し、語りにおける類似点が指摘され、「人身取引」問題の語られ方の歴史的背景を考察している。
 第2章では、1993年から2000年のTVPAの成立に至るまでの過程を追っており、米国議会において繰り広げられた「人身取引」と「被害者」をめぐる実態についての数々の言説の変遷を、4つの時期にわけ、議会資料等を綿密にあたって分析している。
 第3章では、TVPA成立後の米国政府の取り組みの内容を紹介し、統計資料なども用いながら、その傾向を詳しく分析している。そしてブッシュ政権下において、「人身取引」問題への取り組みの成果や今後への提言が、どのような言説や証拠データを伴って提示されたかを分析している。
 第4章では、第1〜3章の流れを受け、米国の「救済者」言説に考察を加えている。そして「人身取引」をめぐる語りが、2001年のテロ以降の米国政府が取った様々な政策と相互に支えあう関係にあったことを分析から明らかにしている。
 第5章では、「被害者」への支援活動やアドボカシー活動を実際に行っている「支援者」たちの語りを分析し、その多様な立場と、人身取引の実態をめぐる認識の幅の広さ、助成金を得るためブッシュ政権から求められた「反売春の制約」への対応の差異などを指摘している。
 第6章では、「人身取引」をめぐる語りを、発言者のポジショナリティという点から考察しており、「救済者」(第1から4章)、「支援者」(第5章)と「被害者」や「元被害者」として位置付けられる人々との関係性を、宮地の「環状島モデル」を用いて分析している。そして、多様な「実態」が語られるなかで特定の「実態」のみが受け入れられていくとき、そこからとりこぼされていくもの、特に男性の被害や女性の労働搾取の被害、売春女性の権利擁護派などについて考察がなされる。
 終章では、全体を振り返りながら、「人身取引」が米国の「奴隷制」の歴史に組み込まれていくことによって認識されにくくなる「実態」にあらためて考察が加えられている。そして、本論文の成果及び限界を佐々木氏自身が整理した上で、日本の「人身取引」問題について今後考察していくための準備を整え、本論文は帰結する。
 各章における考察と分析の結果、佐々木氏は米国の「人身取引」問題の経緯、様相とその背景を、以下のように解釈する。
 米国国家としての「人身取引」問題の構築作業は、タイにおける「ミャンマー人女性と少女の強制売春」に対する懸念を政府として表明する1993年から始まり、「人身取引」問題は「対外問題」から「女性問題」へと分類しなおされ、やがて「奴隷問題」として理解されて、米国の「奴隷制」の歴史のなかに位置付けられることになった。
 TVPAが成立し、「人身取引との戦い」が正式に始まった2001年、同時多発テロが起き、テロ後は、「人身取引との戦い」が「テロとの戦い」と足並みをそろえ、相互に呼応し合って推進されていくことになった。「奴隷制」を容認し、またそれを積極的に維持しようとする「野蛮な」国々は「文明化」していかなければならないという、米国流のマニフェストデスティニーの論理がそこでは用いられた。つまり、「奴隷」たちを解放して救済する立場を維持し、「救済者」としての歴史を歩み続けようとする米国政府の判断によって、「人身取引」をめぐるドミナントなストーリーと対応は構築された。
 一方、「奴隷」であると見做された人々を「クライエント」として支援しようとする支援現場では、「被害者」「元被害者」「支援者」といったカテゴリーに属する人々のうち、誰がどのくらい「実態」を知っているのか、「実態」を語るにふさわしいのか等をめぐる意見の相違がみられ、被害の重さ比べ、一般化、普遍化などが試みられている。そして、支援のために理解を得やすい「実態」を選び取ったり、「クライエント」に既存のカテゴリーを押し付けるといった事態も生じている。
 佐々木氏は、米国社会における「人身取引」のドミナントな語りは、性的搾取目的で女性たちが強制的に取引されていることを問題化したものであり、男性の被害や女性の労働搾取の被害は視野からはずされがちであること、被害者のイノセンスが強調されることを指摘するが、これらの被害を人身取引の「典型的事例」としたり、「売春女性」の社会的地位と権利向上までを「人身取引」の問題に含めて「現状の改善」を要望していくことは、問題に取り組む人々の間の溝をさらに深めてしまう可能性もあると考察する。
様々な社会問題の「実態」とよばれるものや「典型例」というものは、国や時代の社会歴史的な文脈のなかで枠づけられ、「本当の実態」をどのように追求していこうとも、それにはうまく当てはまらない人々は必ず生まれてしまう。ある社会問題が発生し、クレイム申し立て活動を行うとき、既存の枠組みを用いることで取りこぼすことは何かを常にみながら、「支援」や「解決」を考えていかなければならないと佐々木氏は述べる。一方、多様な「実態」をなるべく多くすくいあげ、対応していくには、既存の認識枠組みを疑い、その力に抗う努力は継続しながらも、それによって救われる人々もいることを改めて認識し、既存の問題枠組み間を繋げるような、新たな枠組みを創出していくことが必要である、と結論付けている。

3 本論文の成果と問題点 

本論文の成果は以下のようにまとめられる。
第一に、「人身取引」というグローバルかつ危急の社会問題に対して、そもそもどのように社会問題化されているのか、「実態」がどのように語られているのか、というところにまで遡って、幅広い視点から理解しようとしたことである。そのために、詳しい調査と資料の言説分析を行い、歴史社会的文脈を探り、それに発言者のポジショナリティをめぐる考察を重ねて、全体としてしっかりした構成力をもった議論としてまとめたことである。
佐々木氏は日本の大学で国際社会学を学んだあと、米国で国際社会福祉学の修士課程に進み、その経過の中で人身取引問題に出会い、実際の被害者や支援者に接しながら関心を深めていった。博士後期課程においては、これらの関心を維持しながらも、社会福祉等の支援現場からは少し距離をおき、米国においてそもそも人身取引問題がどのように捉えられてきたかの言説分析を行い、その背景を考察し、本論文を執筆した。社会福祉や支援に関する研究は従来、ある問題について現状を分析して批判し、現状改善にむけた提言を結論として終わるのが一般的で、「現状」への認識自体がどのように作られ、人々に共有されるようになったのかまで遡って考える研究は少ない。本研究はそういう意味で、佐々木氏自身の修士時代に国際社会福祉学で学んだ内容や米国での経験を改めて問い直す作業でもあり、社会問題の設定や対処が社会歴史的文脈や学問領域によっていかに相対的なものであるかを、真正面から見つめ直す困難な作業でもあったと言える。
社会構築主義のアプローチを用いて、何が「より良い解決」や「改善」とされるのか、「改善」の恩恵を一番受けるのは誰なのか、なぜ、あるいはどのようにしてある立場にいる人々の意見が聞かれ、別の立場にいる人々の声は聞こえないような状況がつくり出されるのか、という点に焦点をあてつづけた佐々木氏の分析は、人身取引問題のみならず、他の社会問題とその支援のあり方を考える上でも、非常に有用である。言説分析の立場から捉えたことによって、運動だけでなく、しばしば研究書にも見られる固定的な人身取引に関する評価を相対化して、新しい問題領域との接点を切り開いたものと位置づけることもできよう。
第二に評価すべき点は、米国政府レベルでの人身取引問題の扱いについて、米国議会の資料等を詳細に検討し、TVPAの成立に至るまでの過程と、TVPA成立以後の実際の運用を詳細に追ったことである。同時に、限られた人数ではあるが、実際に現場で被害者支援やアドボカシー活動をしている人たちと接し、インタビューを行い、実態の多様性を理解した上で、言説分析は進められている。また関連する米国の歴史的背景を探り、その結果、米国のマニフェストデスティニーの伝統や、奴隷制度にまつわる歴史的記憶が、現在の人身取引をめぐる取り扱いにまで深く影響を与えていることを明らかにしたことである。
国際社会において、米国が主導権をもって人身取引問題にとりくもうとする動きの実態やその背景については、これまで詳細な紹介や検討が日本では十分なされておらず、本研究はそのための資料的価値が高いとともに、日本や他国がこの問題に取り組む上で、米国の取り組み姿勢を相対化したり、各国の歴史的背景や社会的状況に即して対応していく上で、貴重な分析資料となるであろう。またTVPAはブッシュ政権下における、性的な事柄に対する宗教右派的な姿勢、2001年の同時多発テロ事件とその後の「テロへの戦い」の影響をもろにかぶる時期に成立している。佐々木氏が博士論文をまとめる時期と、オバマ政権への交代が重なったため、分析はブッシュ政権のところで終わっているが、今後の動きを占う上でも大いに参考になるであろう。
第三に評価すべき点は、構築主義的なアプローチにより言説分析を行った後、それを発言者のポジショナリティと関連づけ、また「環状島モデル」を発展させた形で独自の解釈を行ったことである。そこでは「構築されないまま終わる社会的問題」への感受性がみられ、またオリジナルな理論構成力が発揮されている。
以上のように、膨大な議会関係の資料を丹念に調べ上げるとともに、多岐にわたる「人 身取引」に関わる研究文献を渉猟し、複雑な事象を一定の観点から整理した佐々木氏の仕事は、十分な評価に値するといえよう。

他方、本論文の問題点として以下のような点があげられる。
第一に、構築主義的アプローチを用いた分析によって、「人身取引」として認識されてきた一般的な理解に対して、批判的説得力をもった議論が展開されているものの、それ自体が筆者によるストーリーの構築であるとも言える点である。これは構築主義につきものの問題とも考えられなくはないが、ストーリーの構築のために、米国の政策立案者たちの「救済者」的言説と、マニフェストデスティニーの伝統の議論、白人奴隷制をめぐる議論 、新保守主義の台頭などを直線的に結びつけ、わかりやすいように単純化してしまっているのではないかという危惧がある。佐々木氏の専門分野は、米国地域研究や米国史研究ではないが、より複雑な状況を把握し、その複雑さをそのまま示す方法もあったのではないかと惜しまれる。
第二に、米国の資料を丁寧にあたった分、それ以外の国、特に既に人身取引に積極的に取り組んできたヨーロッパの国々や国連レベルでの取り組みについての分析が少なく、国際的な潮流の中で米国の動きをどう理解すべきか解釈が困難である点、また他国との比較が困難である点があげられる。米国が「人権」をかざして「人身取引」の規制に関する国際的な標準を作り上げようとしている状況を考えた場合、ヨーロッパや国連、ならびに日本以外のアジア諸国での動き等については、全く触れることなく論が進められているところも、今後の課題であろう。
第三に、米国における労働運動の歴史、難民問題、世界的な移住労働と不法移民問題、移民の権利運動といった近接領域での議論が十分に参照されていないことがあげられる。佐々木氏は「人身取引」問題において、男性の被害や労働搾取の問題が視野外におかれやすいと指摘するが、それらは別の研究分野において取り上げられている。佐々木氏は、「人身取引」問題において、女性への強制的な性的な搾取に焦点が置かれすぎていると指摘しているが、それらは従来の労働運動や移民研究、難民研究という枠組みにおいて、ジェンダーへの関心の高まりとともに、スウェット・ショップなどでの移民労働者搾取の問題の延長上で、「強制労働」として注目を集めてきた分野でもある。「人身取引」を男性を含めた労働搾取にまで拡げた問題領域と考えるとするならば、こうした領域との接点を探る作業があっても良かったのではないかと惜しまれる。
こうした問題点については、佐々木氏自身もすでに自覚しているところであり、本論文の価値を大きく減じるものではない。
以上のことから、審査員一同は、本論文が地球社会研究に寄与しうる成果をじゅうぶん挙げたものと判断し、一橋大学博士(社会学)の学位を授与するに相応しい業績と判定した。

最終試験の結果の要旨

2010年2月10日

 2010年1月18日、学位論文提出者佐々木綾子氏の論文についての最終試験をおこなった。試験においては、提出論文「米国における「人身取引」問題-「実態」をめぐる語りの変遷-」についての審査員の質疑に対し、佐々木綾子氏はいずれも十分な説明をもって答えた。
 よって審査委員会は、佐々木綾子氏が一橋大学博士(社会学)の学位を授与されるものに必要な研究業績および学力を有することを認定した。

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