在学生の皆さんへ

学位申請論文の修正および学位論文の公開に関する取扱いについて

2015/07/14

2015年7月 改訂
一橋大学大学院社会学研究科

  • 1 最終試験終了後、電子ファイルの提出日(可否投票が行われる教授会の1週間前)までに誤字・脱字のみならず、最終試験での議論を反映させた修正を行うことを認め、そのための時間的余裕を確保するために、最終試験を遅くとも可否投票が行われる研究科委員会の前月の15日までに実施するものとする。
     ただし、合否の判断はあくまで学位申請論文に基づいて行われるものとし、修正を施すことを条件とした合格判定はしない。修正箇所は指導教員に報告するが、指導教員を含む審査委員会は修正が不十分あるいは不適切であるという理由でいったん下した合格の判断を覆すことはできない。修正は最終試験での議論をもとに申請者が自主的に行うものであり、すでに下された合格の判断に事後的に影響を与えるものではない。

  • 2 学位授与ののち1年以内に公開するという規則に則り、原則として公開は学位を取得した月の11ヶ月後の月末とする。非公開を望む場合は電子ファイルの提出日を含め、それ以降、非公開を求める理由が生じた時点で申請することが出来るものとする。教授会において全文公開を妨げる事由が正当なものと承認された場合は、その事由が継続する限り、要約のみの公開もしくは公開が相応しくない箇所を削除したうえでの公開とする。非公開を申請した後、それが教授会で承認されるまでには数週間もしくはそれ以上の時間を要する(とくに夏期休暇を挟む場合など)。申請者はその点を考慮し、公開日までに教授会での審議が可能となるよう留意すること。
     たとえば、学位取得後1年以内に出版助成の申請を行った、出版社との話し合いが進んでいるといった事態が生じ、それを示す文書を提出すれば、その結果が判明するまで公開は差し止めることにする。ただし、出版刊行、多重公表を禁止する学術ジャーナルへの掲載の予定が事由の場合(※1)、公表の猶予期間は、学位授与から最長5年とする。公表可能日を経過した場合には、他の理由の届け出がない限り、自動的に全文が公表される。
     また、差し止め事由がいつまで継続するか判断が困難な場合(※1の事由は除く)は、当面の差し止め期間は1年間とし、1年後にも差し止め事由が継続している場合は、再度申請する。差し止め事由が長期的に継続することが予想される性質のものである場合は、2度目の申請時にその旨を申告し、別途協議する。
     個人情報の取り扱いについては、論文執筆段階から細心の注意を払うことが研究者としての義務であり、電子ファイルでの公開如何にかかわらず、今後も十分な注意を払っていくことが求められる。
     著作権に関して曖昧な点が残る場合も、上に述べたように、学位取得から公開までの約1年間を活用して必要な処理や対応をすることが可能となる。
     また、全面公開と要約のみの公開という二者択一ではなく、問題となりうる箇所のみを削除したかたちでの公開という手段を用いることにより、個人情報や著作権の問題についてはより柔軟に対応できる。博士論文の全文または一部の出版刊行を予定している場合、出版契約の際に、博士論文の全文または一部のインターネット公表に関する期限についても記載するよう努力することが求められる。

  • 3 博士論文の全文または一部がすでに出版されている、出版契約済みである、多重公表を禁止するジャーナルへの掲載済みであり、インターネット公表に対する許諾が得られていない場合の「博士論文の内容を要約したもの」は、以下のガイドラインに従って作成し、差支えない範囲において可能な限り多くの学術成果をインターネット公表すること。
    (1)すでに出版されているまたは出版契約済みである旨を記述し、刊行された著作の書誌事項を記載する。
    (2)博士論文の一部をこれから刊行する場合、該当部分にその旨を記述のうえ削除し、それ以外は可能な限り公開する。

  • 4 出版刊行、多重公表を禁止する学術ジャーナルへの掲載がまだ予定である場合、「博士論文の内容を要約したもの」を公表する際に、「○年以内に出版予定」(学位授与から最長5年の範囲内)と記し、刊行に支障が生じない範囲において公表する。また、その後、正式に出版契約に至った場合は、やむを得ない事由が変更されたとみなし、再度、事由の届け出を行うこと。その事由が承認された場合、上記3のガイドラインに従って、「博士論文の内容を要約したもの」を再提出すること