小井土 彰宏 (こいど・あきひろ)

特任教授 、1958年生
総合社会科学専攻:社会動態研究分野(国際社会学)

http://www.soc.hit-u.ac.jp/~trans_soci/faculty.html
研究室:未定
オフィスアワー:未定 (事前にメールで予約してください。)


主要研究領域

国際社会学、社会変動論、国際移民論,
移民政策の国際比較, 産業再編論、生産のグローバル化と地域社会、

現在の研究テーマと今後の抱負

国境を超えた社会的なプロセスを、理論的のみならず具体的な対象を分析しながら考察することが研究の基本的テーマです。このために、国際移民に関する問題群と超国家的な企業や生産ネットワークの地域発展に与える影響という2つに焦点をあてて研究を続けてきました。現在の研究の柱は以下の通りです。
1) 新自由主義の下での移民政策の変化の国際比較: 市場志向の経済政策の潮流の中で、移民政策は一方で成長の牽引車となる「有用」な移民を積極的に受け入れながら、他方で経済的な負担となると考えられる移民や難民に対してこれを排除する傾向を強めています。この選別的な移民の受け入れ政策を、8ヶ国において比較する共同研究を、本学の教員・院生と他大学の研究者の協力のもとに進めています。
2)アメリカ合衆国トランプ政権下での移民規制の強化とこれに対抗する社会運動を9.11事件以降の長期の変動過程の中で分析する:主な焦点は、①Dreamer (教育を受けた非正規移民若者層)の生活・政治意識とDACAとよばれる暫定的滞在許可の政策転換に対する反応、②非正規移民undocumented immigrantsの地域レベルでの検挙戦略、③移民の運動の多様な形態とこれを支える社会的な基盤の分析。長期的に東海岸と西海岸の両方で、フィールドワークを通じて分析をしています。
3)移民受け入れ後発国としてのスペインの移民統合政策の分析と国際比較: 2000~2007年の時期アメリカに次ぐ世界第2の移民受け入れ数となり、総人口の13%を移民が占めるまでになった新興移民国家スペインの移民政策を、移民受入先発国との対比の視点から分析しています。自治制度が発達し地域的多様性が強いスペインにおいて、既に国内に居住就労している人々が、どのように各地域で教育、就労、福祉の面で支援されているのか、それが危機の中で変化しているのかを分析しています。
4)後発的移民国の国際比較: 日本とスペイン、台湾・韓国などの、従来比較されることの少なかった後発的移民国を相互に比較して、後発性の共通の影響と各国の独自性を分析します。
5)EU圏と周辺における難民危機に関する政策分析: 主にEU構成国間における受け入れ難民の配分をめぐる交渉と公平感の問題と難民自身のネットワーク関係に基づく移動戦略の間にある乖離について考察するために、若手のヨーロッパ研究者と共同調査を行う一方、バルカンルートに焦点が移る一方で、スペインの南部国境にも分析の視野を広げています。その南部国境は、ヨーロッパの共通国境であり、EU、スペイン国家、そして地域社会の3つの要素が交錯しながら境界がいかに維持されているかを分析します。他方、軽視されがちな特にスペインほかの地中海域で続く問題についても継続研究を計画しています。
6)グローバルな企業組織、製造業の生産連鎖構造と地域の開発発展:特に、アメリカ―メキシコ間の国境地帯における生産活動の特徴と、その時間的な変化についてフィールドワークに基づき、産業の集積、生産システム、雇用条件、そして訓練について分析を行っています。また、日本の製造業のグローバルな変動の中で、産業空洞化の中でも継続する生産拠点で就労するブラジル人をはじめとする移民労働者たちの役割と、地域的な構造について長期的な研究を継続しています。

担当科目

社会学研究科・社会学部の講義情報・ゼミ情報詳細は本学学務情報システム(CELS)を参照してください。

大学院:

大学院ゼミナール [ 2022年度版案内2021年度版案内 ]

学部:

学部後期ゼミナール [ 2022年度版案内(3年), 2022年度版案内(4年) ]

学歴

1982年 3月 東京大学文学部社会学科卒業
1982年 4月 東京大学大学院社会学研究科社会学専攻修士課程入学
1985年 3月 東京大学大学院社会学研究科社会学専攻修士課程修了(社会学修士取得)
1985年 4月 東京大学大学院社会学研究科社会学専攻博士課程進学
1986年 9月 The Johns Hopkins University, Department of Sociology, Ph.D Course 入学(Fulbright Programによる留学)
1992年 7月 The Johns Hopkins University, Department of Sociology, Ph.D Course 修了
1992年11月 東京大学大学院社会学研究科社会学専攻博士課程 満期退学

学位

修士号(1985年 社会学修士、東京大学)
博士号(1992年 Ph.D. in Sociology, The Johns Hopkins University)

職歴

1989年 9月 University of California, San Diego, Center for U.S.-Mexican Studies, Visiting Research Fellow (~1990年8月)(Fellowship from UCSD, Predoctral Research Grant from National Science Foundation)
1992年12月 北海道大学文学部助教授
1996年 4月 上智大学外国語学部助教授
2001年 4月 一橋大学大学院社会学研究科助教授
2004年 4月 一橋大学大学院社会学研究科教授(現在に至る)
2004年9月 Princeton University, Center for Migration and Development, Visiting Research Fellow (~2005年6月, as a Fulbright Scholar)
2005年7月 University of California, San Diego, Center for Comparative Immigration Studies,Visiting Scholar (~2005年9月)
2014年9月-2015年8月 Instituto Universitario de Investigacion, Ortega y Gasset, Madrid, Investigador Visitante(オルテガ・イ・ガゼット大学院大学研究所 客員研究員 )
2014年9月-2015年5月 Centro de Ciencias Humanos y Sociales, Consejo Superior de Investigaciones Cientificos, Profesor Visitante(スペイン国立科学研究評議会、 人文社会研究所、客員教授)
2015年6月ー9月 Visiting Professor CIDOB (Centre de Documentacio International de Barcelona) Barcelona Institute for International Affairs. (バルセロナ国際問題研究所 客員教授)自治州移民統合政策の研究
2017年8月 UCLA Downtown Labor Center、Visiting Scholar (カリフォルニア大学 ロサンゼルス校、労働研究センター 客員研究者)Dreamer 研究に従事 

(非常勤講師)
千葉大学法文学部(1994年度)、東京大学大学院社会学研究科(1996-8年度)、名古屋大学文学部(1998年度)、立教大学社会学部(2000年度)、東京女子大学(2003年度)、東京大学文学部(2006年度)


 

業績一覧(researchmap のページへ移動します)

https://researchmap.jp/read0165674

研究室所属の大学院生

博士後期課程:10 名
修士課程:5 名




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