すべての学生・教職員の人権が尊重されるキャンパス実現のために

2017年7月12日
一橋大学大学院社会学研究科・社会学部

第21回KODAIRA祭(2017年6月10日、11日)における講演会企画をめぐる一連の騒動のなかで、本学の学生がSNS等を通じた誹謗中傷により、人格の尊厳を傷つけられていることを、私たちは大変憂慮しています。また、中止決定された本講演会企画それ自体が、学内の留学生や在日外国人学生にとって精神的苦痛を伴うものとなっていたことを忘れてはなりません。

一橋大学の『ハラスメント防止ガイドライン』(2016年12月26日発行)前文には、「一橋大学はすべての学生と教職員の人権が尊重され、ハラスメントを受けることなく、本学において修学・教育・研究し、就労することができる環境を享受できるよう努めます」と謳われています。社会学研究科は、この前文に照らして、すべての学生・教職員の人権が尊重され、誰もが安心して学業・研究生活をおくることのできる大学づくりに尽力していくつもりです。

社会学研究科は、今回の件で不安をおぼえている学生・院生のみなさんを全力でサポートし、いかなる人権侵害も許さない方針であることをここに改めて表明します。この騒動にかぎらず以前より、キャンパス内での民族差別・人種差別の訴えがあったことに鑑み、本研究科としてこれを機に差別に関する実態調査を実施し、調査をもとに『ハラスメント防止ガイドライン』と学内規則の改定を提案したいと考えています。『ハラスメント防止ガイドライン』は、これまでも段階的に改訂されてきておりますが、2016年版には民族差別や人種差別についての記述がないため、その具体例を示すかたちでハラスメント防止を訴えたいと思います。

本声明に先立ち、言語社会研究科からは「人権尊重についての声明」(2017年6月22日)が出されていますが、社会学研究科はこの声明に連帯の意を表しつつ、あらゆる人々の人権が尊重されるキャンパス実現のために今後とも努力を続けていく所存です。

*本声明文は、2017年7月12日の社会学研究科・学部教授会にて了承されました。