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Hitotsubashi University Japanese Studies in English Lecture Series 2017
Theme: Social Division 'Broken Bodies: Precarious Labour, Gender and Well-being' Speaker: Emma Cook, Hokkaido University

2017/05/23

講演:壊れた身体:非正規労働、ジェンダーとセルフケア
講師:エマ・クック(北海道大学)
日時:6月1日(木)、13:15~14:45
場所:一橋大学 東キャンパス マーキュリーホール
言語:英語(通訳なし)
*参加費は無料です。誰でも大歓迎です。

概要

「この仕事で私は体を壊しました」と吉野さんは語る。「体を壊す」というのは、長期にわたるストレスや厄介な職場の人間関係、長時間労働、睡眠不足の結果として起こる肉体的な衰弱や、病気・疲労の徴候を典型的に示すことばである。そのような経験は一般的にオーバーワークの結果としてだけでなく、性格や、「頑張る」「我慢する」文化の結果としても語られた。人によっては、パートタイム労働がフルタイム労働の重圧を取り除いてくれたが、パートタイム労働も体を壊さない安全な場所というわけではなかった。実際には、非正規労働者の危険性や低賃金、搾取的な会社の慣例、「我慢」と「頑張る」の文化は労働者の健康を害する可能性がある。本講義では「体を壊す」経験が何を意味するのか、不安定な労働者はいかにして体を壊してしまうのか、心身の健康への影響、労働のジェンダー的な理解が「体を壊す」経験や語りの中で果たす役割を明らかにする。


講師紹介
エマ・クック(Emma Cook)。北海道大学准教授(人類学)。
ジェンダー、雇用、家族から、食、健康、リスク、感情と幸福にわたって関心を持っており、Japanese Studies, Asian Anthropology, Social Science Japan Journal, Asian Journal of Social Scienceなどの学術誌に論文を出版し、2016年には「成人男性の男らしさの再構築―現代日本とロンドンにおけるパートタイム労働」(Reconstructing Adult Masculinities: Part-time Work in Contemporary Japan)という題名の本を出版した。
JSPS Grant-in-Aid for Scientific Researchによる資金提供を受け、現在は日本とイギリスにおける社会的、身体的および感情的な食物アレルギーにまつわる経験を相互文化的に調査している。

リーフレット (PDF 920 KB)