総合政策研究分野 〒186-8601 東京都国立市中2-1 tel/fax: 042-580-8640
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2) 科学的アプローチの重要性
3) 修士課程の目的
7) 開講科目一覧
8) 教員の紹介
9) 大学院生の紹介
1) 総合政策研究分野へようこそ
そして、今日我々の社会が直面する問題は、ある特定の専門分野を超えた総合的な性格を帯びていることから、研究者には一つの分野に精通することと同時に、諸政策分野を横断する見識の両方が必要となる。そこで、当研究分野では、指導教員制度や、分野教員全員による修士論文指導制度(リサーチワークショップ)、政策の社会科学研究のための土台作りに資するような講義・演習の設定を通じて、学生のニーズに対応すべく教育体制の整備に努めているところである。 |
2) 科学的アプローチの重要性
当研究分野では、政策に求められる展望的知識を生み出す政策の社会科学を標榜しているが、そこから派生する特徴として、科学的アプローチに対する姿勢がある。以下、この点について、二点述べておきたい。
第一には、当研究分野が、政策提案型のテクニカルなアプローチよりも、政策課題の根源にある事象や社会構造の存在を突き止めるという、科学的=記述的アプローチを重視しているということである。もちろん、政策の社会科学を志すにあたって、何らかの社会問題や社会的課題を解決したいという実践的動機が存在していることは自然なことである。だが、その動機を、問題の現象についての深い洞察のないまま解決法や政策提案へと結びつけようとしても、表層的な提案しかできないのが普通である。その程度の提案なら行政職の方がはるかに上手にできる。これは、対象たる現象をとことん深く洞察し記述することで、究極的に最も有効な政策提案に到達できる、という政策学における戦略的立場に当研究分野が立っていることを意味している。 第二には、科学的アプローチが、政策研究が陥りがちな、特定のイデオロギーや思想への傾倒を排除するという側面を持っていることを、当研究分野が重視しているということである。科学的アプローチは、自分の世界観からすれば、認めたくない現象であっても、それが事実であるなら、事実として自分の世界観に取り込むことを要求する。このような研究姿勢には、絶えず自らの思い込みや独善を事実に基づき正すことによって、自分の世界観を磨き上げることができると同時に、誤った事実認識に基づく政策提案の危険を排除することができるという二つの大きな効果がある。ときに、自らの信念を実現する方法を研究しようとして大学院に進学してくる人があるが、本研究分野の教員は、その方法の研究の前に、その人の「信念」なるものがどのような事実に立脚しているのかを検証することを求めている。それは、上に述べた本研究分野の科学的アプローチに関する基本的姿勢に由来している。 |
3) 修士課程の目的
当研究分野の修士課程の主要な目的は、修士論文作成のプロセスを通じて知識を生み出すことおよびその意義を理解することである。 修士論文は、既存の知識を吸収したり、評価したりするだけでは書き上げることはできない。そこでは、水準はともかくとして、何らかの知識を生み出すということが求められる。おそらく、知識を生み出すということがいかなることなのかを知るということが、学生が受ける最大の利益である。総合政策研究分野における修士課程プログラムには、講義・セミナー・研究会などがあるが、それらはいずれも、学生が知識を生み出す存在となるための活動を、さまざまな角度から支援することを目的として提供されている。 |
4) 修士課程における2年間のイメージ
【修士課程1年】 総合政策研究分野の院生の多くは、修士課程の最初の1年を、修士論文にふさわしい問いを見出すことに費やしている。本研究科に進学するにあたって、研究計画の提出が義務づけられているが、この研究計画がそのまま修士論文へと結びつく学生は少ないのが実態である。実際、「良い問い」を見つけることが、修士論文作成において一番の難所であり、教員の側としても、それを修士課程に進学した時点でクリアできることを求めてはいない。教員たちは、最初の1年間でじっくり専門分野についての見識を高めてもらうことで、修士論文で、政策の社会科学にとってより意味のある「良い問い」を発見し、それに本格的に取り組むことができるようになってもらいたいと望んでいる。 指導教員の主催する講義やゼミを中心として、幅広く勉強するとよいだろう。本研究科には副ゼミ制度もあるので、必要に応じて活用すればよいし、当研究分野の研究に必要とされる社会調査法については、社会学研究科が全体向けに提供しているプログラムがあるので、そちらを履修するとよい。いずれにしても、政策の社会科学においては、指導教員や分野教員だけが教えを請うべき「先生」ではない。自分の専門分野において、なにがしかの大切なことを知っている人はすべて「先生」と心得て、教えを受けるべきである。その際、指導教員や分野教員への気兼ねは一切無用である。 なお、当研究分野では、修士課程1年生にも、2年生向けのリサーチワークショップ計4回への参加を強く奨励しているが、それによって、修士課程1年が終了した段階で、求められる修士論文の水準や、大まかなスケジュールについて理解することができるだろう。 【修士課程2年】 2年生向けのリサーチワークショップは、修士2年生全員に義務づけられているもので、これに参加しなければ、修士論文を提出することはできない。当研究分野では、1)分野教員全員による指導の実現、2)積極的な修士論文作成への動機付け、3)「壁」に当たっている修士2 年生に対する支援の観点から、独自の方式を採用している。当研究分野の院生にとって特に目標となるのが例年7月上旬に実施される第2回リサーチワークショップであり、このときまでに、修士論文にふさわしいリサーチクエスチョンの提示が求められる。4月から6月は、博士課程進学を目指さない院生にとっては、論文準備と就職活動が重なるために、精神的に大変な時期となっているようだが、勝負所と思って乗り切って欲しい。 順調にゆけば、10月中旬の第3回リサーチワークショップを経て、1月に修士論文提出の運びとなる。2月に開催される第4回リサーチワークショップは、提出された修士論文の発表の場であると同時に、合否審査の場でもある。 当研究分野への進学を志す方々には、くれぐれも踏まえておいていただきたいことがある。それは、多くの場合、修士論文がただちに革新的な研究成果となることはないということである。院生たちには、優れた研究成果を生み出してやろうという野心をもって挑んでいただきたいが、本分野教員がより現実的に期待しているのは、知識を生み出すことを経験するとともにその意義を理解してもらうことである。知識を生み出すことの意義を良く理解することができた学生には、博士課程に進んだ場合、修士論文における視野をより拡げて、真に革新的な研究へと進むことが期待できるし、修士課程で卒業した場合でも、それぞれのキャリアの中で、知識を生み出しながら仕事のできる創造的な人材となることが期待できる。その意味からいえば、一番もったいないのは、修士号を取得することそれ自体を目標として、修士論文の審査を最低限の努力でクリアしようとすることであろう。 |
5) 当研究分野において基礎となる学問分野
労働社会学
社会政策学
社会福祉論
医療政策学
地域社会学
組織社会学
都市計画学
6) 過去の学位論文(修士・博士)
総合社会科学専攻 博士論文
総合社会科学専攻 修士論文 (社会学研究科HPへ移動)
7) 開講科目一覧
総合社会科学専攻 講義科目一覧 総合政策研究分野 (社会学研究科HPへ移動)
8) 教員の紹介
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9) 大学院生の紹介
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