ゼミ活動記録

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2012年度

2012年度は、前年度に続いて、<グローバリゼーションとエスニシティの変容>をテーマとし、2011年度沖縄フィールドワークでの経験を踏まえつつ、①国際移民(ディアスポラ現象を含む)をめぐる社会学的アプローチの学習、②韓国フィールドワークの実施、③ゼミ論(3年生)、ならびに卒論(4年生)作成、以上の3つを柱として、活動を進めました。

ゼミ生紹介

★4年生(以下は、高野宏(4年)による寸評。)
*石原 佳奈
このゼミのはじまりはいつも石原さんかもしれない。議論のきっかけになる問いを投げかけたり、はたまた食事の際は彼女がオーダーを取り仕切ります(最近は若干自嘲気味!?)。また、もったいないと食事は絶対に残さない。責任感が強く、気遣いも忘れない人です。卒業論文は「慰安婦」問題とその背景にあるネットワーク組織について。石原さんらしい、好奇心あふれる内容に期待。
 ソウル・地球村学校。アフリカ系アメリカ人初の
 大統領・オバマ氏の来校を呼びかける段幕のまえで。


*大脇祐介
地に足をつけていないと落ち着かないらしい。大脇君はかたくなにそれを主張する。その深い意味、または事件ついては直接ゼミ生に聞いて欲しい。彼は今年のゼミ幹事を務めます。先の韓国フィールドワークでは、なかなかの流暢な韓国語でゼミを牽引しました。普段の議論でも、専門分野の朝鮮の事情を交えたりし、メンバーには目からうろこの知識や意見を投げかけます。卒業論文も朝鮮に関係したものになるようです。2年間の研究がどう花開くでしょうか。

*久米野萌子
優しい雰囲気でしっかりものと言えば、久米野さん。いつもは混沌とした議論をまとめてくれますが、外に出ると時々行き先を間違えます。注意っ。昨年の沖縄フィールドワークがきっかけで、卒論は「ウチナーンチュ」のアイデンティティについて書きます。今夏は単独で沖縄を訪れ、あざやかにインタビュー調査をおさめました。また、自分で創作品を作ることが趣味だそう。彼女に頼めばなんでも作ってくれます。その行動力とデザイン力による、卒業論文が楽しみです。

*高野宏
ゼミは好きだけど、座学は大の苦手、黙ってはいられないけど、声を出すと結構緊張する、そんなジレンマを抱えた人間です。一方で、このゼミを通じて、書くこと、読むこと、聞くこと、座学に必要なメソッドを徐々に会得しつつあるように感じています。趣味はいろいろありますが、ファッションショーやコンサートを運営することが今一番の関心事です。卒論は若者のナショナリズムについて。
このゼミの集大成として頑張ります!

★3年生
*片桐 未帆
片桐さんは最近、最新の一眼カメラを購入。そのカメラを操り、韓国FWでは精確で、多彩な写真を収めてくれました。夏学期のゼミでは、じっと議論をうかがっている場面が多いようでしたが、ゼミの準備や片付けの際は、誰よりも率先し、すみやかにこなす。韓国FWが終わったこれから、考察と経験を蓄えて、どういった攻勢にでてくるのか。研究テーマは、特にヨーロッパ圏について興味があるようです。ゼミ論は、韓国の在外同胞の国際的ネットワークについて。自慢の英語力をもってどのような研究となっていくのか、とても可能性を感じます。

*鈴木広野
某合唱サークルの正指揮者を務めている。鈴木くんが突然手を振り出すのはそのため。議論はとても丁寧。きちんと皆の共通認識を確認しながら、自らの意見や批判を反映していきます。謙虚であり、批判精神に満ちた青年。研究テーマは、まだ特定の分野に定まっていないようですが、ゼミ論は韓国フィールドワークでの経験をふまえ、韓国の労働体系について書くようです。指揮と同じく調律のとれた論文になるかどうか、期待。
 水曜集会でずぶぬれになり、参鶏湯で暖を取る一同。


*吉河恵
吉河さんは、かなりの映画好き。特にフランス映画の、「髪結いの亭主」が一番のオススメだそう。ゼミの議論では、誰よりも鋭い指摘を飛ばす。穏やかな物腰から、他のメンバーがはっとするような議論を展開します。関心のある研究テーマは移民と宗教について。以前は、ハワイの日系人の宗教組織を研究していましたが、今は特定の地域には絞ってないそうです。論文については、普段は小説も書くというその文章にも注目です。



★留学生
*アメリ・コーベル
パリ政治学院からの留学生。2011年9月から2012年の7月まで行動を共にしました。気さくな彼女はとても流暢な日本語を操ります。彼女の時に痛快な発言は、数々の笑いの渦を巻きおこしてきました。ゼミの議論の中では、フランスの事情を交えた意見が新鮮で面白く、中でも、ユニークな図表を必ず使った発表レジメはいつも好評でした。フランスに帰国後の完成となる修士論文は、日本の家族政策がテーマになる模様です。完成、楽しみに日本で待っています!

活動記録

①文献講読(★は読了、☆は12月から講読開始)
★カースルズ、S. & ミラー、M. J.、2011(=2009)、『国際移民の時代 [第4版]』関根政美、関根薫監訳、名古屋大学出版会。(3,800円+税)
△赤尾光春、早尾貴紀著、臼杵陽監修、2009、『ディアスポラから世界を読む』明石書店。(3,990円+税)
△近藤敦、塩原良和、鈴木江理子編、2010、『非正規滞在者と在留特別許可――移住者たちの過去・現在・未来』日本評論社。
△五十嵐泰正編、2010、『越境する労働と<移民> 労働再審2』大月書店
★Min, Pyong Gap, 1992, “A Comparison of the Korean Minorities in China and Japan,” International Migration Review, 26 (1): 4-21.

②韓国フィールドワークの準備・事後学習
A.文献(全員で読んだもののみ)
★文京洙、2005、『韓国現代史』岩波新書。
★呉泰成、2007、「変貌する韓国の移民政策」渡戸一郎、鈴木江理子、APFS編『在留特別許可と日本の移民政策』明石書店、102-119頁。
★呉泰成、2009、「韓国における地域の外国人支援の現状と課題――京幾道安山市の事例を中心に」西川長夫編『帝国の法的形成に関する比較歴史社会学的研究――「日本帝国」の「内国植民地」を中心に』科研費補助金基盤研究(B)研究成果報告書、160-168頁。
△村山一兵、石川康宏ゼミナール、2012、『「ナヌムの家」にくらし、学んで』日本機関紙出版センター(特に第2章「座談会 共に考え、話し合い、悩む仲間がいる」)。

B. 映像資料
* 日本と朝鮮半島(NHKスペシャル、2010年)
 ●「日本と朝鮮半島 第1回韓国併合への道――伊藤博文とアン・ジュングン」
 ●「日本と朝鮮半島 第2回 三・一独立運動と“親日派”」
 ●「日本と朝鮮半島 第3回 戦争に動員された人々――皇民化政策の時代」
 ●「日本と朝鮮半島 第4回 解放と分断 在日コリアンの戦後」
 ●「日本と朝鮮半島 第5回 日韓関係はこうして築かれた」

C. 見学
* ふれあい館、川崎在日コリアン生活文化資料館 http://www.halmoni-haraboji.net/
* 女たちの戦争と平和資料館(WAM)http://www.wam-peace.org/ 

③韓国フィールドワークの趣旨と活動内容

【日時】2012年10月8日~12日、4泊5日
【場所】韓国、ソウル市など
【参加者】ゼミ生6名、大学院生2名、教員1名、コーディネータの大学院生1名、合計10名。 【趣旨】①日本の植民地支配と戦争責任、朝鮮半島の分断と冷戦、民主化、グローバリゼーションといった歴史的文脈を踏まえ、韓国を舞台とする人の移動の展開と諸形態について理解を深めること、また、②移住者受け入れが韓国社会にもたらす変化や市民団体等による支援の諸形態を把握すること、大きく2つの柱を立てて、FWを組み立てました。
  ナヌムの家。お掃除ボランティアを終えたあと、夕日に照らされて。
 このFWでは、鄭ユジンさん(ドゥレバン)、金ヘスン牧師(地球村サランナヌム)、金ジュスンさん(同上)、和田圭弘さん(戦争と女性の人権博物館)、緒方義広さん(弘益大学)、工藤千秋さん(ナヌムの家)、長浜和子さん(同上)はじめ、訪問した先々で多くの方々の惜しみないご協力を得ました。また、コーディネータ兼通訳として、呉泰成さん(本学博士後期課程)が全面的な支援をしてくださいました。呉さんの存在なしには、このFWは実現できませんでした。これらのみなさん、また2日目に通訳として活躍してくださった崔ミンギョンさん(本学博士後期課程)にも、この場を借りて、ゼミ生一同とともに、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
※訪問先に関する学生のエッセイはこちら。(→Fieldwork)

日付 曜日 主な活動
10月8日 ●仁川着
●夕刻、鐘路、淸溪川、光化門周辺散策。
10月9日 ●議政府、「ドゥレバン(Durebang, My Sister’s Place)」で、チョン・ユジンさんによる活動の説明と質疑応答。
●キャンプ・スタンレー(Camp Stanley)周辺、散策。
●加山デジタル団地近くの、「地球村サランナヌム(Global SARRANG)」で、金海性(キム・ヘスン)牧師による講話と質疑応答。その後、サランナヌム運営の「外国人力支援センター(労働部からの委託事業)」と「移住民医療センター(Migrant Medical Center)」を訪問。スクールバスで梧柳洞(オリュウドン)へ移動、「地球村学校(保育園、小学校、図書室)訪問。
10月10日 ●西大門刑務所歴史博物館、見学。
●日本大使館まえ、水曜集会に出る。
●仁寺洞で自由時間。永豊文庫(Youngpoong Bookstore)をみる。
●戦争と女性の人権博物館、見学。ボランティアの和田圭弘さん(一橋大学、延世大学留学中)、緒方義広さん(弘益大学教員)の説明、質疑応答。
10月11日 ●現在ソウルで外国人の集住度がもっとも高い大林駅周辺(大林中央市場)の商店街を散策。さらにバスで南九老駅へ移動、「ソウルの延辺」と言われる加里峰(ガリボン)市場、見学。
  ナヌムの家。ハルモニに韓国語で話しかけるゼミ生。

●江辺(カンビョン)へ移動。バスとタクシーで「ナヌムの家」に到着。ビデオ資料の視聴、歴史資料館をボランティアの工藤千秋さんのガイドで見学。ボランティアの長浜和子さんの指示などに従いながら、床掃除、ゴミ出しなどのボランティア。ハルモニたちとも会話。
●江辺から梨泰院(イテウォン)へ移動。モスク(Seoul Central Masjid)とムスリム系住民が多い商店街などを見学。大通りをわたって、ハミルトン・ホテル(Hamilton Hotel)の裏道(ファッショナブルな国際的レストラン、カフェ地域)を散策。
●夕食後、ソウル・タワー(N Seoul Tower)にのぼる。
10月12日 ●2名が先に帰国。残り8名で安山多文化村特区、多文化飲食街、安山市外国人住民センター(Ansan Migrant Community Service Center)、安山モスクなどを見学。
●昼食後、多文化振興学習センター見学。
●午後、4名が帰国して解散。3名が滞在を若干延長し、梨花女子大学大学院生らと交流。

【地図1】

  若者が集まる弘益大学近くの店で。充実した一日を振り返る。














 

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