絶版について
本書は出版時から、出版社と著者の間で意見の隔たりがあったため、話し合いにより2016年8月末日をもって絶版といたしました。
なお出版社のサイトに「品切れ」とあるのは、「絶版」(出版権の消滅)の誤りです。
目次
序章 問題の所在――二一世紀の労働と福祉
第一章 よく生きることと承認しあうこと――伝統社会の労働と相互性
第一節 よく生きること――古代ギリシア哲学
一 アリストテレス以前
二 アリストテレス
第二節 隣人への愛――中世キリスト教神学
一 内なる神の発見――アウグスティヌス
二 友愛の普遍性――トマス・アクィナス
第二章 自由に働くことと相互扶助――近代社会の労働と福祉
第一節 労働する個人
一 徳から私益へ――マンデヴィル
二 新しい文明社会――ヒューム
三 闘技場としての市場――スミス
第二節 相互性と物象化
一 自己愛という欺瞞――ルソー
二 相互承認から絶対精神へ――ヘーゲル
三 労働の弁証法――マルクス
第三章 福祉国家の時代――二〇世紀の労働と福祉
第一節 意味喪失とアノミー
一 合理化と意味喪失――ヴェーバー
二 社会的連帯の探究――デュルケーム
三 社会の防衛――ポラニー
第二節 福祉国家とは何か
一 ケインズ主義的福祉国家
二 福祉国家とヘゲモニー
第三節 福祉国家の危機
一 フォーディズムの機能不全
二 ヘゲモニーの問い直し
第四章 新しい労働-福祉社会へ
第一節 労働と福祉の基礎を問いなおす
一 ポスト工業化と新しいリスク論――ギデンズ
二 道徳的人格の平等――ロールズとセン
三 コミュニケーションと労働――ハバーマス
第二節 新しい労働-福祉社会の構想
一 人間論の刷新――リクール
二 本書のまとめ
三 新しい労働-福祉社会へ
文献案内
あとがき