2024年大学院講義「政治学B」



【担当教員の専門分野】

政治学、比較政治経済学、政治理論

【授業科目の概要】


題目「現代政治と政治経済学」

政治学、政治経済学の代表的な著作を読解し、内容について討議することで、政治学の主要概念について体系的な理解を得ることを目指します。

【授業科目の到達目標】

(1)政治学、政治経済学の主要な理論と概念を習得する。
(2)国家、資本主義、社会運動という三者の関係性について理解を深める。
(3)上記を自らの研究にどのように応用できるかを考える。

【他の授業科目との関連】

大学院の講義科目としては、共修科目「比較政治」、大学院「政治学A」などと関連があります。

【授業の内容】

講義を「現代政治経済学の展開」「資本主義」「国家とガバナンス」「社会運動と規範」「まとめ」という5つのパートに分けます。それぞれについて、教員の著作の抜粋から概要をつかんだ後、古典的著作や現代を代表する著作の抜粋を輪読し、内容について討議します。(以下は2024年2月時点での予定)

@オリエンテーション

A現代政治経済学の展開(1)
『福祉国家の基礎理論』序章、第1章

B現代政治経済学の展開(2)
エスピン=アンデルセン『福祉資本主義の三つの世界』ミネルヴァ書房、2001年、1〜2章

C現代政治経済学の展開(3)
ピーター・ホール、デヴィッド・ソスキス編『資本主義の多様性』ナカニシヤ出版、2007年、1-51頁、64-75頁

D資本主義論(1)
『福祉国家の基礎理論』第2章

E資本主義論(2)
カール・マルクス『資本論(1)』岩波文庫、1969年、67-87頁、290-307頁
カール・ポラニー『大転換』東洋経済新報社、2009年、6-7章

F資本主義論(3)
Torben Iversen, Capitalism, Democracy, and Welfare, New York, Cambridge University Press, 2005, Ch. 1, pp. 4-25.

G国家論(1)
『福祉国家の基礎理論』第3章

H国家論(2)
マックス・ウェーバー『支配についてT』岩波文庫、2023年
マイケル・マン『社会的な力の世界歴史U』NTT出版、2005年、第3章

I国家論(3)
Stephan Leibfried et al. eds., The Oxford Handbook of Transformations of the State, Oxford University Press, 2017、Ch. 9.

J社会運動論(1)
『福祉国家の基礎理論』第4章

K社会運動論(2)
Swen Hutter et al., "Social Movements in Interaction with Political Parties," in David A. Snow et al. eds., The Wiley Blackwell Companion to Social Movements, Wiley-Blackwell, 2018, pp. pp.322-337.

L総括討議

【テクスト】

テクストは授業までに決定し、manabaでPDFを配布します。

【授業時間外の学習】

指定されたテクストを前もって読み、疑問点や論点をまとめたうえで参加すること。各自の研究報告をはさむ場合があります。

【成績評価の方法と基準】

(1)毎回の予習1/3、(2)文献報告1/3、(3)討議への積極的参加1/3、の合計による絶対評価。

【受講生に対するメッセージ】

今日までの学問的な論争点を踏まえた新しい理論の提起も行います。理論や概念を学ぶだけでなく、目の前の現実や矛盾を踏まえた「新たな理論の創造」にともにチャレンジしていただきたいと思います。