2023年度大学院ゼミナール


【研究分野・領域等】

政治学、政治理論、比較政治経済学

【ゼミの概要】

1. 概要


 この授業の目的は、修士課程・博士課程の大学院生が、政治学、比較政治学、政治理論の研究に必要となる理論と方法の基礎を身につけ、自律的に研究を進められるようになることです。

2. 進め方

 毎学期を四つのセクションに区分します。およそ1セッション=1か月(3〜4回分)とします。

(1)方法論セクション
 近年、社会科学の方法に関する議論が蓄積されています。キング、コヘイン、ヴァーバ『社会科学のリサーチ・デザイン』という古典をはじめ、重要なテクストも翻訳されています。近年までの方法論を扱った日本語、英語のテクストを輪読し、いくつかの専門論文を事例として検討することで、理論仮説の設定、仮説の検証、データの扱い方、リサーチ・デザインの設定について、基礎的な考え方を共有します。

(2)輪読セッション
 注目すべき学術書を数冊選び、全員で輪読・討議します。

※2023年度の輪読文献
A. ジョージ、A. ベネット『社会科学のケース・スタディ』勁草書房、2013年
伊藤武、網谷龍介編『ヨーロッパ・デモクラシーの論点』ナカニシヤ出版、2021年
渡辺博明編『ポピュリズム、ナショナリズムと現代政治』ナカニシヤ出版、2023年
東島雅昌『民主主義を装う権威主義』千倉書房、2023年
田中拓道『福祉国家の基礎理論』岩波書店、2023年
高端正幸ほか編『揺らぐ中間層と福祉国家』ナカニシヤ出版、2023年
川瀬貴之『リベラル・ナショナリズムの理論』法律文化社、2021年

(3)研究報告セッション
 個人指導(チュートリアル)を踏まえ、毎学期1回フルペーパーを用意し、各自の研究を報告していただいた後、全員で討議します。

(4)研究会セッション
 学外の研究者・大学院生に開かれた「比較福祉国家研究会」を開催し、活躍中の研究者を招聘して研究会を開催します。それに合わせて1〜2回の準備回を置き、関連する文献を全員で輪読します。

【授業外の学習】

指定された文献を読み、コメントペーパーを用意してくること。毎学期1回自分の研究テーマに関して、教員の個人指導を踏まえ、フルペーパーを作成すること。

【成績評価】

毎回の輪読と討議への参加、毎学期最低1回のフルペーパーの提出。

【メッセージ】

ゼミナールへの参加によって、自分の研究を進めるだけでなく、広く政治学に関する知見や分析手法を身に着けていただきたいと思います。