2023年大学院講義「政治学B」



【担当教員の専門分野】

政治学、比較政治経済学、政治理論

【授業科目の概要】


題目「現代政治と政治経済学」

政治経済学の代表的な著作を読解し、内容について討議するとともに、教員のレクチャーと討議をつうじて、政治学の主要概念について体系的な理解を得ることを目指します。

【授業科目の到達目標】

(1)政治学、政治経済学の主要な理論と概念を習得する。
(2)国家、資本主義、社会運動という三者の関係性について理解を深める。
(3)上記を自らの研究にどのように応用できるかを考える。

【他の授業科目との関連】

大学院の講義科目としては、次年度に開講予定の共修科目「比較政治」、大学院「政治学A」などと関連があります。

【授業の内容】

講義を「政治学と政治経済学」「資本主義」「国家とガバナンス」「社会運動と規範」「まとめ」という5つのパートに分けます。それぞれについて、教員の用意したペーパーを読んだ後、古典的著作や現代を代表する著作の抜粋を輪読します。

1 オリエンテーション
2 現代政治経済学の展開(1)ペーパー序章、第1章「現代政治経済学の展開」
3 現代政治経済学の展開(2)エスピン-アンデルセン『福祉資本主義の三つの世界』
4 現代政治経済学の展開(3)キャスリーン・セーレン『制度はいかに進化するか』、宮本太郎「福祉国家再編と言説政治」 
5 資本主義(1)ペーパー第2章「資本主義の臨界」
6 資本主義(2)カール・マルクス『資本論』、 カール・ポラニー『大転換』
7 資本主義(3)ピーター・ホール、デヴィッド・ソスキス編『資本主義の多様性』
8 国家とガバナンス(1)ペーパー第3章「国家とガバナンスの二重性」
9 国家とガバナンス(2)マイケル・マン『社会的な力の世界歴史』
10 国家とガバナンス(3)ジョゼフ・ナイ、ジョン・ドナヒュー『グローバル化で世界はどう変わるか』、ダニ・ロドリック『グローバリゼーション・パラドクス』
11 社会運動(1)ペーパー第4章「社会運動と規範」
12 社会運動(2)Herbert Kitschelt, Transformation of European Social Democracy
13 まとめ+総括討論:ペーパー終章「理論的総括と展望」

【テクスト】

テクストは授業までに決定し、manabaでPDFを配布します。

【授業時間外の学習】

指定されたテクストを前もって読み、疑問点や論点をまとめたうえで参加すること。各自の研究報告をはさむ場合があります。

【成績評価の方法と基準】

(1)毎回の予習1/3、(2)文献報告1/3、(3)討議への積極的参加1/3、の合計による絶対評価。

【受講生に対するメッセージ】

今日までの学問的な論争点を踏まえた新しい理論の提起も行います。理論や概念を学ぶだけでなく、目の前の現実や矛盾を踏まえた「新たな理論の創造」にともにチャレンジしていただきたいと思います。