2017年度大学院ゼミナール


【研究分野・領域等】

政治学、政治理論、比較政治経済学

【ゼミの概要・運営等】

1. 概要

この授業の目的は、修士課程・博士課程の大学院生が、政治学、比較政治、政治理論の研究に必要となる理論と方法の基礎を身につけ、自律的に研究を進められるようになることです。

2. 進め方

 毎学期(半年)を四つのセクションに区分します。およそ1セッション=1か月(3〜4回分)とします。

(1)方法論セクション

 近年、社会科学の方法に関する議論が蓄積されています。キング、コヘイン、ヴァーバ『社会科学のリサーチ・デザイン』という古典、それをもとにした久米郁男『原因を推論する』をはじめ、方法論を扱ったテクストを輪読し、いくつかの専門論文を事例として検討することで、理論仮説の設定、仮説の検証、データの扱い方、リサーチ・デザインの設定について、基礎的な考え方を共有します。

(2)輪読セッション

 注目すべき学術書を数冊選び、全員で輪読・討議します。

(3)研究報告セッション

 個人指導(チュートリアル)を踏まえ、毎学期1回フルペーパーを用意し、各自の研究を報告していただいた後、全員で討議します。

(4)研究会セッション

 「比較福祉国家研究会」(仮称)を設置し、外部の研究者を招聘して研究会を開催します。それに合わせて2回程度の準備期間を置き、関連する文献を全員で輪読します。

【前年度の履修者構成】

修士課程3名、博士課程4名(サブゼミ、学外者含む)。フランス福祉国家論、フランス家族政策、日本の社会思想、ヨーロッパの移民統合政策、社会運動論など様々な関心を持つ学生が混在しています。

近の履修者の学位論文タイトル・研究テーマ等

・フランス福祉国家思想史
・フランス家族政策
・ドイツの社会カトリシズムと福祉国家の形成
・田辺元の国家論
・戦後日本の障害者福祉
・日本の協同組合運動
・イギリスの住宅政策
・フランス現代政治における右派の再編
など。