2013年度
大学院ゼミナール


【研究分野】

政治学、政治理論、比較政治経済学


【ゼミの概要】

1 概要

 政治学、比較政治、政治理論に関する代表的な文献、最近の専門書を輪読し、討議を重ねることで、分析枠組みの設定、データの扱い方、論理の運び方などに関する研究の基礎を身につけることを目指します。

2 目標

(1)修士課程の学生は、2年間で修士論文を仕上げるための技法を順を追って習得できるようにします。基礎的な学術作法に関するオリエンテーションを行い、基本書・専門書の輪読(レジュメを用いた発表と討議)を行い、定期的な研究報告を行っていただきます。

(2)博士課程の学生は、専門書に関する批判的な討議、研究動向報告、博論の中間報告を通じて、段階的に博士論文の研究を進められるようにします。

3 各学期の予定

(1)夏学期

 最初にA. ジョージ、A. ベネット『社会科学のケース・スタディ』勁草書房、2013年を輪読したうえで、履修者の関心に合わせた日本語、英語の代表的な専門書を輪読します。

 ※具体的には、以下の本を輪読します。

   a. 現代の政治経済の基本書
     ギデンズ『左派右派を超えて―ラディカルな政治の未来像』而立書房、2002年
     エスピン=アンデルセン『ポスト工業経済の社会的基礎―市場・福祉国家・家族の
     政治経済学』桜井書店、2000年

  b. 正義論の今日的展開
     アマルティア・セン『正義のアイデア』明石書店、2011年

  c. グローバル化と新しい政治
     Ulrich Beck, World at Risk, Polity Press, 2008の一部


(2)冬学期
 専門書や論文に関する批判的討議を行います。輪読形式ではなく、論点ペーパーをもとに内容に関して討議する形式とします。

 ※参加者の関心にあわせて、以下の本を輪読します。

   ロバート・パットナム編『流動化する民主主義―先進8カ国におけるソーシャル・
   キャピタル』ミネルヴァ書房、2013年
   仁平典宏『「ボランティア」の誕生と終焉―〈贈与のパラドックス〉と知識社会学』
   名古屋大学出版会、2011年
   ジュヌヴィエーヴ・フジ・ジョンソン『核廃棄物と熟議民主主義』新泉社、2011年
   ロバート・ペッカネン『日本における市民社会の二重構造―政策提言なきメンバ
   ー達』木鐸社、2006年

(3)研究動向報告、中間報告
 履修者は、毎学期最低1回は研究テーマに関する動向報告(主要な先行研究の整理と批判)、中間報告(リサーチクエスチョン、仮説、資料紹介を含む)を行っていただきます。 


【前年度の履修者構成】

修士課程4名、博士課程1名(サブゼミ含む)。政治学、政治思想史、社会学、ヨーロッパ社会史など様々な関心を持つ学生が混在しています。


【最近の履修者の研究テーマ】

・日本の環境政治
・現代フランスにおける右派の再編
・ドイツ福祉国家
・戦後日本の市民社会
・熟議民主主義
・障害者政策
・アフリカにおける法の支配
など。


【その他】

政治学の理論と方法については、大学院講義の「政治学T」「政治学U」で扱います。合わせて受講することで、より体系的に政治学を学べると思います。