2013年度
大学院講義「政治学U」
【講義題目】
政治学の主要概念
【授業概要】
代表的な政治学の著作を読解し、内容について討議することをつうじて、政治学の基礎概念について深く、体系的な理解を得ることを目指します。
【授業の目的・到達目標と方法】
政治学の古典を輪読し、その内容について討議することをつうじて、国家、資本主義、社会規範、社会運動など、政治学の軸となる概念について、深く体系的な理解を得ることを目指します。
講義を「政治学と政治経済学」「資本主義」「国家」「社会規範と運動」「まとめ」という5つのパートに分けます。それぞれについて、2冊の古典から60-100ページ程度を抜粋し、輪読します。さらに教員によるレクチャーを組み合わせます。輪読によって基礎的な知識を得たうえで、教員のレクチャーによって最先端の議論状況を知り、それぞれのパートごとに総括討議を行います。
【授業の内容・計画】
@オリエンテーション
1 現代政治学と政治経済学
AS. ルークス『現代権力論批判』未來社、9-109頁
Bエスピン=アンデルセン『福祉資本主義の三つの世界』ミネルヴァ書房、1-85頁
Cレクチャー(政治経済学の展開;その隘路;現代の課題)
2 資本主義
DK. マルクス『ドイツ・イデオロギー』合同出版、54-84頁、125-175頁
EK. ポラニー『大転換』東洋経済新報社、57-102頁、151-183頁
Fレクチャー(経済学における市場;資本主義の危機論:商品化と脱商品化;現代の課題)
3 国家
GC. シュミット『政治的なものの概念』未來社、3-103頁
HE. ウォーラーステイン『入門・世界システム分析』藤原書店、9-148頁
Iレクチャー(近現代の主権論;資本主義と国家;国家と社会;国家論の再構成)
4 社会規範と運動
JJ. ハバーマス『コミュニケイション的行為の理論』未來社、284-358頁、411-429頁
KA. ギデンズ『近代とはいかなる時代か?』而立書房、141-214頁
Lレクチャー(正統化の危機論;社会規範と政治;個人の自律性と社会運動)
5 まとめ
Mレクチャー(資本主義・国家・社会規範の相互関係)
N総括討議
【テキスト・参考文献】
マスターコピーを用意するので、各自でコピーしてください。
【他の授業科目との関連】
現代政治学の理論と方法については「政治学T」で、歴史的なアプローチに関しては「政治史TU」で扱います。現代日本の政治に関しては「政治過程論」を、現代ヨーロッパの政治に関しては「比較政治」を履修することで、政治学の主要なアプローチである実証、歴史、思想をひととおり学習することができます。
【授業時間外の学習(予習・復習等)】
課題文献の読解に数時間〜1日は必要です。
【成績評価の方法】
(1)毎回の予習1/3、(2)文献報告1/3、(3)討議への積極的参加1/3、の合計によって評価します。
【成績評価基準の内容】
文献の内容を咀嚼し、討議に貢献できたか否かによって評価します。