2018年度 学部「社会研究入門ゼミ」
【対象】
社会学部2年生以上。
【目的と概要】
「リベラリズムは生き残れるか」を共通テーマとして、現代政治理論を代表するジョン・ロールズのテクストを輪読し、議論します。
リベラリズムとはさしあたり、価値の多元性を尊重し、個人の自律を保障するために国家による一定の再分配を認める立場を指します。リベラリズムは今日、グローバル化のもとですべてを市場に委ねようとする新自由主義と、排外主義的なポピュリズムという二つの立場に挟撃され、苦境に陥っています。
この講義では、現代リベラリズムを代表するロールズの『政治哲学史講義』を輪読し、リベラリズムの概要をつかみます。そのうえで、現代の政治状況に対する教員のレクチャーを踏まえ、「リベラリズムは生き残れるか」という問いについてともに考え、議論したいと思います。
【目的と概要】
専門科目に進むための準備という位置づけ。本の輪読、報告、討議の基礎的な方法を実習します。なお、本年度は基礎科目「政治思想」を開講しませんので、その穴埋めという役割もあります。
【授業計画】
テクストの輪読と討議が中心です。ロールズ『政治哲学史講義TU』(岩波書店、2011年)のうち毎回60〜70ページ程度を輪読します。抽象度が高いので最初は苦労するかもしれませんが、授業のなかでできるだけ補足説明を加え、理解できるよう配慮します。
1 授業の導入
2 『政治哲学史講義T』序章、ホッブズ講義1
3 『政治哲学史講義T』ホッブズ講義3、4
4 『政治哲学史講義T』ロック講義1、2
5 『政治哲学史講義T』ロック講義3、ルソー講義1
6 『政治哲学史講義T』ルソー講義2、3
7 『政治哲学史講義U』ミル講義1、2
8 『政治哲学史講義U』ミル講義3、4
9 『政治哲学史講義U』マルクス講義1
10 『政治哲学史講義U』マルクス講義2
11〜12 教員レクチャー
13 総括討議
【授業外の学習】
@毎回60〜70ページ程度のテクストを読んでくる。
A発表者は簡単なレジュメを用意し、20分程度で内容を発表する。
B参加者の人数次第では、共通テーマに沿った学生の報告をお願いすることもある。文献報告と合わせて、最低限1回は何らかの報告を行うこと。
【成績評価の方法と基準】
毎回の予習、授業での討論への参加、最低1回の報告により総合的に評価(絶対評価)。