2008年度後期
政治過程論
(新潟大学法学部)


  シラバス   講義のレジュメ

シラバス

[概要]

現代政治を理解するための主要な理論枠組みを学ぶ。(1)20世紀の政治学がマクロな体制論→ミクロな過程論→マクロ・ミクロの相互モデルへ、と発展してきたプロセスを学習することで、現代政治を多面的に理解できるように配慮する。(2)こうした枠組みを踏まえ、戦後日本の政治過程について学習する。

[達成目標]

(1)現代政治の動態にかんする基礎理論・基礎教養を習得すること。
(2)日々のニュースを政治学的に分析し、自分の立場を説明できるようになること。

[履修上の注意]

毎回B6版の小ペーパーを配布するので、疑問点や意見を書いて提出すること。
日々の国内外のニュースによく目を配り、新聞を読むこと。
講義内容を復習し、わからない語句等は事典・参考書で調べること。

なお、前もって「政治学原論」を履修していることが望ましい。

[授業計画]

1 政治過程原論
  (1)政治学は何を説明するのか
  (2)マクロとミクロ

2 世界システムと近代国家
  (1)世界システムと近代国家
  (2)現代国家の諸類型(自由民主主義/全体主義/権威主義)

3 先進国の民主主義
  (1)自由民主主義の古典的モデル(国家の定義と正統性、議会・政党・選挙)
  (2)戦後の自由民主主義 = 多元主義(エリート論批判、利益政治)

4 戦後政治の転換 ― 1970年代から現代まで
  (1)資本主義と国家(マルクス主義国家論、コーポラティズム、フォーディズムの変容)
  (2)政治過程の変容(政党の寡頭化、政治過程の集権化、グローバル化とガヴァナンス論)
  (3)民主主義の将来(市民社会、討議民主主義)

5 戦後日本の政治過程
  (1)55年体制の形成
  (2)高度経済成長期の政治変容
  (3)55年体制の崩壊
  (4)1990年代から今日まで

[成績評価の方法と基準]

出席(30%)、期末試験(70%)による相対評価
出席確認は不定期、期末試験は基礎知識の確認と論述問題から成る。

[教科書]

毎回レジュメを配布する。
一冊で講義内容をカバーする教科書はない。
講義期間中に、参考文献の最初の二冊に目を通しておくことが望ましい。

[参考文献]

伊藤・田中・真淵『政治過程論』有斐閣アルマ、2000年
山口定『政治体制』東京大学出版会、1989年
新川敏光・井戸正伸・宮本太郎・眞柄秀子『比較政治経済学』有斐閣アルマ、2004年
石川真澄『改訂版 戦後政治』岩波新書、2004年

他の文献はこちらを参照。