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教育技能強化部門概要・募集要項

最終変更日時 2009年07月14日 13時42分
これまで、博士後期課程の院生の最優先課題は博士論文の作成でした。院生は、レフェリー付きの雑誌に多数の論文を投稿するよう指導されてもいます。しかし、大学教育の理論・方法論を学び実習する機会は提供されてきませんでした。論文執筆が重要であることは言を待ちませんが、院生がTA(ティーチング・アシスタント)として教育経験を積むアメリカとは、教育力形成の点で大きく差がつきます。
しかし、「大学院教育の実質化」を文部科学省がかかげ、教育に熱意ある大学教員の養成が重視されるようになった今日、大学教育に関する知識や教育技能を強化しておくことは、就職活動においても重要度を増すことでしょう。その知識や経験があれば、就職後も落ち着いて教育に励むことができます。平成20年12月の中央教育審議会答申では「学士課程教育の実質化」が政策課題として掲げられており、大学教員の教育力が今後はますます求められるようになります。
そこで、講習会A・授業観察・授業実習・講習会Bの4段階からなる「TF(ティーチング・フェロー)トレーニング・コース」を設けました。コース修了者には「TFディプロマ」を授与し、各自の教育ポートフォリオ(自分の教育経験に関する資料や評価をまとめたファイルで、教育力の判定と改善のための基礎資料になる)の充実に役立ててもらいます。平成18年度は大学教育方法論を専門とする講師をアメリカから招聘し、平成19〜20年度は大学の教壇に立っている本学若手OB・OGを招聘し、理論的・実践的示唆をえました。

  • 4.5.1. ティーチングフェロー・トレーニング・コース募集要項

【目的】

 大学で講義を担当するための教育技能の習得

【参加資格】

  1. 社会学研究科博士後期課程在籍者でTA経験のある者
  2. 社会学研究科博士後期課程の休学者でTA経験のある者
  3. 社会学研究科修士課程在籍者 (講習のみ参加可)
上記にあてはまらなくても本プログラムへの参加が認められる場合もあります。希望する場合は、事前に研究科事務室に問い合わせてください。

【プログラムの構成】

(ア) 講習会A
 講習会Aでは、授業実習に向けて指導案やシラバスの作成といった技術的側面と、成績評価や大学教員としての留意点といった総括的側面とを学びます。講習会Aでは授業実習を実のあるものにするため、個々の授業をどう組み立てるかという授業設計を中心として学びます。
(イ) 授業観察
 授業実習にあたっては講義内容や情報の提示方法だけでなく、授業担当者としてどういう点に配慮すべきなのか、どういう工夫が可能なのか、あらかじめノウハウを知ることが大切です。そのために、実習予定科目以外の授業を見学し、レポートをまとめる中で授業実習のイメージをつくりあげていきます。
(ウ) 授業実習
 授業実習では実際に複数回教壇に立ち、学部生を対象に授業を行います。これができるのは博士課程在籍者のみです。実習にあたっては、授業担当教員に事前に承諾を得て、助言を受けながら指導案を作成します。実習後は実習日誌をまとめ、授業担当教員の所見と照らしてふりかえる作業を行います。
(エ) 講習会B
講習会Bでは、授業観察・授業実習で蓄積してきた実践をふりかえり、改善課題を析出します。それとともに、単発の授業を組み立てる以外に求められる、連続した授業体系の設計(シラバスの作成)や成績評価・授業評価のあり方について学びます。

  1. 講習会Aは、TFトレーニング・コースに参加登録してある場合、修士課程在籍者でも参加できます。
  2. 大学院の単位として履修登録する場合、(ア)〜(エ)のすべてを修了する予定の学期に履修登録してください。 
  3. 講習会Bのうち、専門家のレクチャーとOB/OGのアドバイスのユニットについては、TFトレーニング・コース参加登録者でなくても出席できます。ただし参加登録していないままでの出席は、後日TFトレーニング・コースに登録した場合のディプロマ取得要件としてカウントすることができません。

【修了要件】

  • ディプロマ取得要件 (講習会A+授業観察+授業実習+講習会B)
  講習会Aその他の要件をすべて博士課程在籍中にそろえなくてもディプロマを取得することは可能です。
  • 授業単位取得要件 (授業観察+授業実習+講習会B)
  「教育技法の実践」の授業単位として履修する場合は、上記3要件を博士課程在籍中に満たす必要があります。

【修了認定】

TFトレーニング・コース修了証(ディプロマ)を発行します。
大学院の単位として取得する場合は、「教育技法の実践Ⅰ」(夏学期)あるいは 「教育技法の実践Ⅱ」(冬学期)に履修登録しておいてください。
なお、履修登録上の注意点については、前記【プログラムの構成】(エ)の2.を参照してください。

【参加申込】

 参加申込書は本プログラムウェブサイト(http://www.miryoku.soc.hit-u.ac.jp/CareerDesign)からダウンロードし、あるいは社会学研究科事務室にてハードコピーを入手し必要事項を記入のうえ、社会学研究科事務室に受講申込書(wordもしくはPDFファイル)を添付メール送信するか、申込書のハードコピー現物を事務室へ提出してください。本冊子の用紙をコピーして使っても結構です。メール送信の場合は、件名を「TFトレーニング・コース参加申請」とすること。

【申込期間】

 平成21年4月7日(火)〜平成21年5月7日(木)午後2時 (厳守)

【注意事項】

  1. 本コースは通常の授業とは異なり、外部資金によって組織されています。そのため、申し込みをせずに本コースの全体もしくは一部に出席することや、中途での離脱等は一切認めません。
  2. TFトレーニング講習会については、原則として全日程参加することを修了要件とします。
  3. 授業実習に関して、学期の講義の中でどの部分をどのように担当するかについては、参加申込書に記載する担当教員と事前に個別に打ち合わせを行い、決定してください。研究科は授業実習希望者の相談にのりますが、斡旋はいたしません。
  4. ディプロマは、研究科長名で発行されます。教育研究機関の教員公募等に応募する際には、希望に応じ、ディプロマの内容証明を研究科が発行します。
  5. 学期終了後、受講者には本講義に関するアンケートを行います。

1.プログラムの概要

教育研究職志望の社会学研究科博士後期課程院生

目  的

学部学生に対する教育技能の習得

参加資格

原則としてTA経験者

プログラムの構成

  1. TFトレーニング講習会A(集中講義)
  2. 授業実習のイメージづくりとしての授業観察(授業予定科目以外の授業で、3時間程度を推奨)
  3. 学部学生を対象とした授業実習(3時間前後を試行)
  4. TFトレーニング講習会B(集中講義)

なお、授業実習には、トレーニング講習会に参加し大学教育の実際に関する知識が一定の水準に達したと認定されTF資格を得た者が参加できる。なお、20年度冬学期までに講習会を終えてTF資格を取得し、21年度夏学期に授業実習を行うのも可。

ディプロマ

取得要件

上記4要件を全日程終えること。ディプロマ(修了証)は研究科長名で発行される。教歴として経歴に記載できる。教育研究機関の教員公募等に応募する際には、希望に応じ、ディプロマの内容証明を研究科が発行する。大学院の単位とする場合は、「教育技能の強化」(夏学期)、「教育技能の強化」(冬学期)のいずれかを履修登録すること。

受講登録

次ページの参加申込書に必要事項を記入して社会学研究科事務室に事前登録すること。不明点は「キャリアデザインの場としての大学院」ウェブ上(http://www.miryoku.soc.hit-u.ac.jp/CareerDesign)のQ&A(※後日更新予定)を参照するか、事務室に問い合わせること。

2. TFトレーニング講習会AB (平成20年度夏・冬学期の事例)

講  師

福留東土(広島大学)、佐藤裕(社会学研究科)、石井香江(四天王寺大学)、堀江孝司(首都大学東京)、五十嵐素子(光陵女子短期大学)、宮下さおり(九州産業大学)

内  容

  1. 大学の授業における授業設計(授業内容、教材・教具論)
  2. シラバスとは何か、シラバスの書き方(カリキュラム編成論)
  3. 授業実習のふりかえり、授業分析(授業方法論)
  4. 成績評価のしかた 
  5. 授業評価(アンケート)を含む授業改善の方法
  6. GPAFD・学士課程教育などを含む、高等教育改革の動向

 これらの項目について、具体的に指導案やシラバスの作成と点検、授業の実地見学もしくはビデオ分析とディスカッション、専門家のレクチャー、本学OB/OGによるアドバイス、などの形式で行う。

期  間

A:夏学期  平成20年5月21日    10:00〜17:00 

B:夏学期  平成20年7月28〜29日 10:00〜17:00

B:冬学期  平成21年1月29日〜30日 10:00〜16:00 (1日目)、10:00〜18:00 (2日目)

評価方法

最終試験は実施しないが、出席状況や受講姿勢に問題が見られる場合はディプロマ取得の要件をクリアしたと認めないことがある。

3. TF授業実習

事前手続

自分の専門分野に合わせ、授業実習が可能な分野・講義名・担当教員名を提出する。受入可能講義のリストと照合し、受入教員と個別に打ち合わせる。

時  間

担当時間は2〜3時間相当をめやすとする。複数の学期にまたがったり、異なる科目を担当したりしてもかまわない。学期の講義の中でどの部分をどう担当するかについては当該講義の担当教員と相談。

内  容

補助業務を担当するTAとは異なり、学部学生の授業を実際に担当する。事前に担当教員と打ち合わせ、授業シラバスを作成する。

事後手続

終了後に担当教員に報告書を提出し、その所見とあわせ、夏学期実習にあっては8月末までに、冬学期実習にあっては2月末までに研究科事務室に提出する。

評価方法

授業担当教員の所見による。

総合評価

しかるべき知識を獲得し、経験を積んだと委員会で判定された場合はディプロマを発行する。