社会調査II(多変量解析)
この授業は、専門社会調査士資格取得のための認定科目です。その特長を、簡単に説明します。
【授業の目的】
この授業の目的は、以下の3点です。社会調査に必要な多変量解析法について、
- 基礎となる計量モデルを学ぶこと
- 基本的な方法を順次理解すること
- そのうちいくつかの方法についてコンピュータと実際のデータを用いて実習し、使えるようにすること。
【授業の内容】
- 初めに、量的社会調査における多変量解析法を概説します。
- 次に、多変量解析法の基礎である基本的な量的データ解析法について復習します。
- その上で、基本的な多変量解析法として、重回帰分析と因子分析について詳しく学びます。
- さらに、いくつかの発展的な多変量解析法を取り上げ、解説します。これまでに取り上げた方法には、クラスター分析、分散分析、ロジスティック回帰分析、共分散構造分析などがあります(今年度については検討中です)。
詳しくは、講義要綱等を参照して下さい。
【受講の前提となる知識】
学部基礎科目の「量的データ解析法I」、発展科目の「量的データ解析法II」を学んでいる、あるいは同等の統計の授業を履修済みであることが前提です。しかし、それらの授業も新設されたばかりですし、他大学からの入学者が多いことも考慮して、授業についてくる潜在能力のある院生に対しては、不足している知識を補う機会も提供できるよう工夫しています。
【SPSS統計解析ソフトウェアの利用】
この授業は、”SPSS for Windows” という社会科学データ解析のために開発された、統計解析のためのコンピュータプログラムを利用しながら進めます。利用したことがない人のためには、初心者講習会を開き、参加して習得してもらいます。したがって、SPSSを使用したことがない人でも受講可能です。
また、受講生はSPSSがインストールされたノートパソコンを授業時間外に利用することができますので、さまざまな分析を自分で試してみることができます。それを希望する受講者のために、担当のRAが、決められた時間にマーキュリータワー3509号室の「社会学研究科キャリアデザイン推進室」に待機し、SPSSプログラムの使用相談に当たります。センター・推進室待機日時については、授業開始後にお知らせします。
なお、共分散構造分析を実施したい受講生は、AMOSという専用ソフトウェアを利用することもできます。
【成績評価】
平常点とレポート点で採点します。レポート課題は、「広い意味での社会調査の数量データを多変量解析を用いて分析し、結果を示し、社会的事象について考察しなさい」といったものの予定です。自分でデータをもっている院生はそれを分析してレポートにできますが、もっていない院生でも、一般に公開されたデータを用いてレポートを作成できます。
【授業担当者】
平成21年度は繁桝江里先生(山梨学院大学法学部准教授)が担当予定です。非常勤講師の方ですので、日頃は村田光二教授がサポートにあたります。また、社会心理学専攻の院生がRA、TAとして参加し、受講生の支援にあたります。
【注意事項】
受講生は授業の第一回(10月5日を予定)に行われるオリエンテーションに必ず参加してください。