平成20年度の企画と平成21年度の予 定
5.1. キャリアデザイン支援者
この説明冊子の冒頭にも書いてあるように、キャリアデザイン支援(キャリア支援事業)は、「キャリアデザインの場としての大学院」プログラムの柱となるものです。本プログラムでは、2008年度より特任講師2名を採用し、キャリアデザイン支援を専門とする教員として常勤しています。
本キャリア支援には、2つの支援(〔1〕ノンアカデミックキャリア支援、〔2〕アカデミックキャリア支援)が用意されています。ノンアカデミックキャリア支援は、荒木氏が担当し、就職や研究活動に対する将来への不安など、院生生活全般の「よろず」相談を行います。アカデミックキャリア支援は、佐藤氏が担当し、調査や留学に向けた外部資金の申請、研究活動の構想、研究生活に対する不安などに関する相談を行います。両支援とも、相談業務以外に、各種講習会やイベントの企画運営も行います。
〔荒木淳子氏プロフィール〕
東京大学大学院人文社会系研究科(社会学)、株式会社日本総合研究所研究員、東京大学大学院情報学環助教を経て現職。修士(社会学、学際情報学)。キャリアデザインのための学習環境について調査、研究を行っている。共著に『ここからはじまる人材育成-ワークプレイス・ラーニングデザイン入門』(中央経済社)、『企業内人材育成入門』(ダイヤモンド社)がある。
〔佐藤裕氏プロフィール〕
明治学院大学大学院国際学研究科で修士号取得。東京都立大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士課程単位取得満期退学。インド、ジャワハルラル・ネルー大学にて博士号取得(社会学)。博士論文は、Urban Poverty, Women’s Empowerment and Grassroots Organisations: A Sociological Study of Selected Slums in Ahmedabad, India. その後、欧州キャノン財団研究フェローシップを受け、ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ校地理学科にポスドク研究員として所属、その間非常勤講師も務めた。本年度夏学期には「地球社会特論III(Development and Social Change in the Global South)」を担当予定。
5.2 平成21年度の企画
【M1対象】新入生ガイダンス「院での学びを将来に繋げるために」
〔対象〕:修士1年生(平成21年度入学者)
〔日時〕:4月7日(火)15:00〜18:15
〔場所〕:東キャンパス、マーキュリータワー7F・マーキュリーホール
〔内容〕:修士生活全般のプランニング(修士論文執筆・就職活動など)、および同級生同士の信頼関係構築。本研究科で学んだことを、将来どう活かしていくのかというプランニングを軸にした、院生生活を有意義に過ごすための大切なガイダンスです。ぜひご参加ください。
※ 【M1全員対象】キャリアインタビュー(4〜7月 随時)
一人一人の修士生活プランを傾聴し、アドバイスを行います。
【D1対象】コロキアム「博士課程での研究戦略を構想する」
〔対象〕:博士後期課程1年生(平成21年度進学者)
〔日時〕:4月6日(月)14:45〜17:45
〔場所〕:東キャンパス、東1号館1202教室
〔内容〕:助成金調査を実施した院生や学振研究員による報告を通じて、博士課程での研究戦略を構想する。 ↓
※ 【希望者対象】研究活動・計画に関するインタビュー(随時)
一人一人の研究計画や今後の戦略を傾聴し、アドバイスを行います。
【その他のキャリア支援企画(予定)】
〔1〕【ノンアカデミックキャリア支援】
◇【M1全員対象】院での学びを将来に繋げるセミナー「就職活動のプランニング」(夏休み前)
4月に立案したプランの進捗を確認しつつ、夏休み以降の修論執筆や就職活動のプランを再設定します。どのように就職活動と修士論文執筆を両立させたのか、また、社会学研究科だからこそ身に付けた、どんな力が就職活動に奏功したのかなどに修士課程を修了して社会で活躍している先輩のお話を参考に考えます。
◇【院生希望者対象】学内会社説明会(10〜1月)
キャリア支援室主催の学内における会社説明会。学部生合同ですが、院生も参加可能です。約300の民間企業および官公庁、国際機関の人事担当者が2011年度採用について説明します。その他、就職活動に関するガイダンスや講習会を随時開催。詳しくはキャリア支援室でご確認ください。
◇【院生希望者対象】大学院生のための就職ガイダンス(10月)
院生に対する企業の採用活動を理解し、これからの就職活動に向けてのガイダンスを行います。また、就職活動で求められる院生ならではのスキルについて知り、習得を目指します。
◇【院生希望者対象】進路個別相談(随時)
一人一人の今後のキャリアプランを傾聴し、アドバイスを行います。
◇【院生希望者対象】院での学びを将来に繋げるセミナー(随時)
民間企業や公務員はもとより、NPOや起業などで活躍する社会人を招聘したトークショー。
〔2〕【アカデミックキャリア支援】
◇【院生希望者対象】コロキアム 第一弾―― 一橋における社会科学研究(4月)
教授陣によるパネル討論を通じて、本学社会学部・社会学研究科における研究史を振り返ります。今回は本研究科の根幹をなす「市民社会研究」に焦点をあてます。
◇【院生希望者対象】コロキアム 第二弾―― 博士課程での研究とワークライフ・バランス(5月)
本研究科ジュニアフェローに在学時の研究とワークライフ・バランスについてお話しいただきます。
◇【院生希望者対象】コロキアム 第三弾―― 社会科学研究のための留学(7月)
海外でフィールド調査や学位留学を経験した院生やポスドク研究員を招聘した講演会。
◇【院生希望者対象】コロキアム 第四弾―― 研究職志望者のための履歴書・教育研究業績書作成講座(10月)
本学出身の若手研究者を招聘したコロキアム。研究職への応募書類の作成のコツについて学びます。
◇【院生希望者対象】コロキアム 第五弾―― 私の企画実践強化(11月)
「企画実践強化部門」による助成金を受け調査研究を行った院生による報告会。研究業績のみならず、いかにして調査を計画し遂行するスキルを身に付けたのかについてお話いただきます。
◇【院生希望者対象】コロキアム 第六弾―― 学振研究員志望者への研究計画書作成講座(1月)
日本学術振興会の特別研究員を招聘し学振の応募書類の作成方法に関するノウハウを学びます。
5.3 平成20年度に実施したキャリアデザイン支援
※ 参考まで、昨年度に実施したキャリアデザイン支援関係の講習会等を紹介します。
〔1〕【ノンアカデミックキャリア支援】
◇キャリアデザイン講習会「修士生活のプランニング」※ M1全員対象
2008年4月8日(火)10:00〜18:00
各種アセスメントを用いながら自分のやりがいなどを理解しつつ、これから社会学研究科で学ぶことで身につく力について考えながら、修士生活のプランニングを行いました。また、それをテーマにグループディスカッションを行うことで、同級生との情報共有及び信頼関係構築を行いました。
◇キャリアインタビュー ※ M1全員対象
2008年4〜7月に実施。一人一人のキャリアプランや、院生生活および将来の不安を傾聴し、アドバイスを行いました。
◇進路個別相談(随時) ※全学年希望者対象
◇キャリアデザイン講習会「修論執筆のプランニング」※ M1全員対象
2008年7月22日(火)12:55〜14:25
博士課程に進学した先輩3名とのパネルディスカッションを通して、修論執筆のスケジュールをリアルに感じてもらいました。
◇キャリアデザイン講習会「就職活動のプランニング」※ M1全員対象
2008年7月22日(火)14:40〜16:10
修士課程を修了して社会で活躍している先輩がどのように就職活動と修士論文執筆を両立させたのか。また、社会学研究科だからこそ身に付けた、どんな力が就職活動に奏功したのか。先輩たちを取材したレポートを題材に、内定を獲得したM3の院生をパネリストとして迎え、就職活動のスケジュールをリアルに感じてもらいました。
◇院での学びを将来に繋げるセミナー ※院生希望者対象
一橋大学大学院で学んだことを将来に活かす方法は、何も大学教員だけではありません。民間企業や公務員はもとより、NPOや起業など、様々な選択肢があります。そんな将来への選択肢を拡げるために、院生のロールモデルとなり得る、魅力的な社会人の方の「息遣い」に触れるセミナーを企画しました。
- 12/10(水)12:55〜14:25
「博士号取得後に起業。マザーズ上場企業経営者へ」
株式会社パイプドビッツ 代表取締役社長兼CEO 佐谷宣昭氏
- 12/10(水)14:40〜16:10
「アジアの技術者を日本へ。外国人労働市場の整備に奔走」
ジョブストリート株式会社 代表取締役社長 菱垣雄介氏
- 1月28日(水)12:55〜14:25
「社会学研究スキルを生かしたアルバイトが本職へ」
株式会社ベネッセコーポレーション ベネッセ教育研究開発センター 研究員・朝永昌孝氏
- 1月28日(水)14:40〜16:10
「八丈島の自然のメッセージを伝える仕事、インタープリター」
Project WAVE代表・インタープリター 岩崎由美氏
- 1月28日(水)16:20〜17:50
「本学OB3名がじっくり語る、現場の仕事と本学で学んだことの繋がり」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
経営戦略部(コンサルティング事業本部)アソシエイト/渡邉睦氏
経済・社会政策部(政策研究事業本部)研究員/小林庸平氏
調査部(調査本部)主任研究員/小林真一郎氏
〔2〕【アカデミックキャリア支援】
◇キャリアデザイン講習会「博士号取得に向けた研究計画」 ※D1全員、他学年希望者対象
2008年4月23日(水)13:30〜17:50
博士号に求められる条件や、博士論文執筆のスケジュールに関する講義を行いました。
◇キャリアデザイン講習会「博士課程での研究生活」 ※ 希望者対象
2008年4月30日(水)14:40〜16:10
本研究科のジュニアフェローとして活躍する若手研究者に講演を依頼し、博士課程在学時の研究と私生活とのバランスや、博士論文執筆に必要な留学や投稿論文の執筆について理解を深めました。
◇調査の実践と投稿論文執筆に関するワークショップ ※ 希望者対象
2008年5月14日(水)14:40〜16:10
本ワークショップでは、(1)修士論文をいつどのように投稿論文に加工し、(2)博士論文執筆のための史資料を含むデータ収集をいつどのような形で行うのかについてグループ討議を行いました。
◇教授陣によるパネル討論 第一弾――社会史、社会哲学、政治学 ※ 希望者対象
2008年7月23日(水)12:55〜16:10
変容する大学院の教育環境のなかで、社会史・政治史や哲学分野では修業年限内の博士号取得がどのように捉えられているのか、またこうした分野における投稿論文の執筆や就職のための具体的な戦略とは何か、について白熱した議論が繰り広げられました。
◇教授陣によるパネル討論 第二弾:フィールドワーク――社会学、人類学、開発研究の視点から
2008年10月29日(水)12:55〜16:10 ※ 希望者対象
長期にわたる調査が求められる分野での(1)調査の「入口」(調査の企画や助成金の獲得)、(2)調査の「中身」(留学を含む調査の実施)、(3)調査の「出口」(論文執筆と就職)とはどのようなものか。また、以上の過程が調査者のディシプリン、手法、テーマによってどのように異なるのか、について教員と院生との間で意見交換がなされました。
◇コロキアム「私の企画実践力強化――助成金調査を経験した院生が語る」 ※ 希望者対象
2008年12月17日(水)12:55〜16:10
「企画実践強化部門」による助成金を受け、国内外で調査(史資料収集を含む)やワークショップ開催を行った院生・博士号取得者による報告を通じて、(1)計画書作成や協力先の発掘といった企画実践の「入口」、(2)企画実践の「中身」としての調査の実施、(3)報告書作成や各種論文の執筆といった企画実践の「出口」について理解を深めました。また、本研究科の中野聡教授にも「教育」プログラムとしての「企画と実践」の活用と申請の際の注意事項についてご報告いただきました。
◇ポスドク研究員志望者のための研究計画書作成講座 ※ 希望者対象
2009年1月21日(水)12:55〜16:10
日本学術振興会(学振)の特別研究員(DC2およびPD)を招聘し、学振の研究計画書を作成するにあたってのコツや重要なポイントについてお話しいただきました。