『福祉国家の基礎理論―グローバル化時代の国家のゆくえ』(岩波書店、2023年)目次

はじめに

序章 問題の所在

第1節 福祉国家の隘路
第2節 目的と方法
第3節 本書の流れ

第1章 福祉国家の政治経済学 ― 展開と課題

第1節 本章の目的

第2節 近代化論と福祉国家
2-1. 近代化論とは何か
2-2. 近代化と福祉国家

第3節 批判理論と「構造」への視座
3-1. 構造と権力
3-2. 福祉国家の構造的矛盾
3-3. 構造的危機論のまとめ

第4節 現代政治経済学の展開@ ― 構造から制度へ
4-1. ネオ・コーポラティズム
4-2. 国家の復権
4-3. 権力資源論
4-4. まとめ:構造論から制度論への移行

第5節 現代政治経済学の展開A ― 制度によるアクターの規定
5-1. 新制度論
5-2. 新制度論のまとめ

第6節 現代政治経済学の展開B ― アクターの主題化
6-1. 資本主義の多様性
6-2. 制度変容モデルの探究
6-3. 現代政治経済学のまとめ

第7節 現代政治経済学の課題
7-1. 本章のまとめ
7-2. 現代政治経済学の課題

第2章 資本主義の臨界 ― 商品化と脱商品化

第1節 本章の課題

第2節 資本主義市場の優越性 ― 商品化の意味
2-1. モラル・サイエンスからエコノミクスへ
2-2. 効率性と公平性
2-3. 経済学の市場論まとめ

第3節 資本主義批判の系譜 ― 脱商品化の根拠
3-1. 労働力の商品化と再生産
3-2. 商品化の限界
3-5. 資本主義の批判理論のまとめ

第4節 現代政治経済学の資本主義論 ― 脱商品化から再商品化へ
4-1. レギュラシオン理論
4-2. エスピン=アンデルセンの脱商品化論
4-3. 資本主義の多様性
4-4. まとめ:現代政治経済学における市場観

第5節 資本主義の射程と限界
     
第3章 国家とガバナンスの二重性 ― 対抗性と相補性

第1節 本章の課題

第2節 伝統的国家論の限界
2-1. 近代国家とは何か
2-2. 20世紀社会科学における国家論
2-3. 伝統的国家論の課題

第3節 財政=軍事国家論 ― 抑圧から浸透へ
3-1. 戦争国家論
3-2. 財政=軍事国家論
3-3. 結晶体としての国家 ― M. マンの国家論
3-4. 戦争国家論のまとめ

第4節 資本主義と国家 ― 国家の二重性
4-1. マルクスの国家論
4-2. ネオ・マルクス主義の国家論
4-3. 世界システム論
4-4. 資本主義国家論のまとめ

第5節 ガバナンス論の展開 ― 規律と自律
5-1. ヘゲモニーとイデオロギー
5-2. フーコー主義
5-3. グローバル化とガバナンス
5-4. まとめ

第6節 国家とガバナンスの二重性

第4章 社会運動と規範 ― 自由をめぐる対抗

第1節 本章の課題

第2節 社会運動とは何か
2-1. 伝統理論の刷新
2-2. 社会運動論の展開
2-3. 社会的亀裂論
2-4. 本章の分析視角

第3節 福祉国家と社会運動
3-1. 近代国家と正統性
3-2. 19世紀の社会運動
3-3. 福祉国家の成立

第4節 1970年代の転換
4-1. 資本主義と国家の変容
4-2. 亀裂の浮上@経済的自由と新自由主義
4-3. 亀裂の浮上A文化的自由と新しい社会運動
4-4. 1970-80年代の亀裂構造の検討

第5節 グローバル化と現代の亀裂
5-1. グローバル資本主義と社会変容
5-2. 現代の亀裂@新自由主義の修正
5-3. 現代の亀裂A排外主義とポピュリズム
5-4. 現代の亀裂B自由をめぐる対抗
5-5. 1990年代以降の亀裂構造の検討

終章 理論的総括と展望

第1節 資本主義―国家―社会運動の相互関係

第2節 現代の政治的対抗

文献

おわりに

索引