2007年度2学期
政治学基礎演習:
(新潟大学法学部)


[概要]

 佐々木毅『政治学は何を考えてきたか』(筑摩書房、2006年)をゆっくり講読しながら、現代政治の直面する課題について考えます。佐々木毅は元東京大学教授、元東京大学総長。本書は、20世紀の先進諸国の政治を幅広い理論的視野からふり返り、現代の課題を包括的に論じているものです。政治に興味がある人なら、自分の関心を政治学の体系の中に位置づけ、さらなる探究の手がかりを見出すことができるはずです。

[到達目標]

(1)レジュメの書き方、発表の仕方、学術的な討論の仕方を身に着けること。
(2)政治学の今日までの基本的な流れと現在の問題点を理解すること。

[学習方法]

四つのグループに分け、四つの作業を順次担当します。

(1)発表グループ: テクストの内容を精読し、内容をA4で2枚程度のレジュメにまとめる。
(2)司会グループ: 司会者の仕事は、@全体の時間配分:発表30分、討議30分(内容確認15分、論点15分)、A討議の進行(議論の流れの整理、論点の明確化)
(3)論点グループ: 課題文献についての疑問点、論点を提起。
(4)時事ニュースグループ: 課題文献の内容に関連する新聞記事を紹介。

 なお、本書には政治学の専門用語が多く用いられています。授業の中でも随時説明しますが、予習の際には『政治学事典(縮刷版)』(弘文堂、2004年)、阿部斉『概説現代政治の理論』(東京大学出版会、1991年)、『岩波哲学・思想辞典』(岩波書店、1998年)等を参照し、意味を調べてきてください。

[授業計画]

予定は以下のとおりですが、授業開始時に若干変更する可能性もあります。Aの回で次回に読む章の基礎知識を説明します。

1 ガイダンス
2 第2章「20世紀型体制についての一試論」@
3 同上A
4 第3章「苦悩する民主政」@
5 同上A
6 第4章「これからの政治の構図―「新しい政治」のパラダイムは存在するのか」@
7 同上A
8 第5章「日本における20世紀型体制の解体」@
9 同上A
10 第7章「20世紀の自由主義思想」@
11 同上A
12 第10章「自由主義と民主主義の心象風景」@
13 同上A
14 まとめ

[成績評価の方法と基準]

出席と発表(80%)、書評(20%)による絶対評価。討論への積極的な参加を重視します。

[使用テキスト]

佐々木毅『政治学は何を考えてきたか』(筑摩書房、2006年)

[参考文献]

『現代政治学小辞典』(有斐閣、1999年)
『政治学事典(縮刷版)』(弘文堂、2004年)
阿部斉『概説現代政治の理論』(東京大学出版会、1991年)
川崎修、杉田敦編『現代政治理論』(有斐閣、2006年)
『岩波哲学・思想辞典』(岩波書店、1998年)