2009年度前期
政治過程論

(新潟大学法学部)


  シラバス   講義のレジュメ   質疑応答

シラバス

[概要]

 グローバル化や社会環境の変化の下で、政治に期待される役割はますます大きくなっている。一方日本を含め、各国の政治はそれに十分応えているとは言いがたい。この講義では、各々の市民が統治機構をコントロールし、よりよい政治を実現するという目的に照らして、現代政治の動態(意思決定プロセス)を分析し、評価するための主な理論枠組みを紹介する。さらにこれらの理論を用いて、戦後日本の政治過程を分析する。
 学生の参加を促すため、今日の政治問題に関連したグループ発表を数回はさむことにしたい。

[達成目標]

(1)今日の政治がどのようなプロセスで決定され、どこに問題点があるのかを認識すること。
(2)政治学の概念を用いながら、日々のニュースを分析し、自分なりの立場を説明できるようになること。

[履修上の注意]

日々の国内外のニュースによく目を配り、新聞を読むこと。
なお、前もって「政治学原論」を履修していることが望ましい。

[授業計画]

1 導入 ― 政治をとりまく現状

2 政治と経済
  (1)市場の失敗
  (2)政府の失敗
  (3)ガヴァナンスの重要性

3 政治過程とガヴァナンス
  (1)選挙と政党
  (2)利益団体
  (3)グローバル化と政治過程の変容
  (4)社会運動

4 戦後日本の政治過程
  (1)55年体制の形成
  (2)高度経済成長期の政治変容
  (3)55年体制の崩壊
  (4)新しい政治的対立

グループ発表の論点(予定)
  論点1 生活保護はどこまで必要か?
  論点2 将来の日本にふさわしい政党制を構想する
  論点3 「構造改革」の功罪
  論点4 日本政治の対立軸
  論点5 ジェンダーフリー社会/多文化社会は望ましいか?

[成績評価の方法と基準]

グループ発表(40%)+学期末試験(60%)による相対評価。試験は論述問題から成る。

[教科書]

毎回レジュメを配布する。
講義期間中に、参考文献の上二冊に目を通しておくことが望ましい。

[参考文献]

伊藤・田中・真淵『政治過程論』有斐閣アルマ、2000年
新川敏光・井戸正伸・宮本太郎・眞柄秀子『比較政治経済学』有斐閣アルマ、2004年
石川真澄『改訂版 戦後政治』岩波新書、2004年

その他の参考文献は講義中に指示する。