若手研究者紹介

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若手研究者一覧

フリガナ コサカ ユウキ
名前 小阪 裕城
専攻分野 歴史学(国際史・アメリカ史)、国際関係論
研究概要  第二次世界大戦後の1940年代後半の国際政治を、「国際人権」に焦点を当てることで再考する。「人権」は大国が価値観外交を展開する際に語られる「武器」であると同時に、それぞれの主権国家内部の様々な「マイノリティ」が、自らの置かれた政治・社会状況について国際社会の中で訴え、現状改善を追求するための「抗議のコトバ」(language of dissent)でもある。国連憲章(1945)、世界人権宣言(1948)から国連先住民族の権利宣言(2007)に至るまで、戦後の「人権」をめぐる国際政治の歴史は、国家間の権力政治の一方で、様々な社会運動が「国際人権」に依拠し、既存の主権国家に挑戦し、自らの安全や社会的地位向上のために闘ってきたもう一つの歴史によって彩られてきた。これら二つのダイナミズムの相互作用を検討することは、世界秩序の過去と現在を論じる上で重要な課題である。このような国連や国際人権の有する二面性がもたらすダイナミズムを切り口に、本研究は、第二次大戦がもたらした国際/国内秩序の流動化とその再編の様相を検討する。換言すれば本研究は、従来国家間の「ヨコ」の対立として描かれてきた国際政治史を、国家と社会の関係という「タテ」の対立をも包含した形で再考し、世界大戦から冷戦へと向かう世界秩序の変容過程を分析するとともに、黎明期の国連や国際人権の歴史的意義とその限界について考察するものである。

 上述のような問題意識に基づいて博士論文を執筆した。現在は米国以外のマルチアーカイブを駆使したより立体的な歴史像を紡ぐために、英仏やインド、オーストラリア、ニュージーランドへと調査対象を拡げるべく、準備を進めている。
現在の研究テーマ 第二次世界大戦直後の「人権」をめぐる国際史
キーワード
研究業績 *
  修士論文 人権と市民権のはざまで―第二次世界大戦直後における「人権」を巡る国際政治とアメリカ黒人運動
Between Human Rights and Civil Rights: International Human Rights and the transformation of African American Civil Rights movements at the beginning of the Cold War
博士論文 戦後世界秩序のなかの「国際人権」、1945~1953年―「フォーラム」としての国連、「抗議のコトバ」としての人権
International Human Rights in the Making of Post-War World Order, 1945-1953
業績詳細 ◆著書
・(共著)臼杵陽・鈴木啓之(編著)『パレスチナを知るための60章』, 明石書店, 2016年4月, 第33章「アメリカのパレスチナ関与―歴代大統領はパレスチナをどう見てきたか」[217-221頁]
・(共著)足羽與志子・中野聡・吉田裕 (編) 『平和と和解―思想・経験・方法』, 旬報社, 2015年3月, 第7章「黒人運動の「外交」-全米黒人向上協会(NAACP)、国際連合と冷戦」[208-243頁]

◆論文
・「戦後世界秩序のなかの「国際人権」、1945~1953年―「フォーラム」としての国連、「抗議のコトバ」としての人権」,(博士論文, 一橋大学社会学研究科), 2017年, 1-129頁
・「「人権外交」のジレンマ-国際人権規約起草をめぐる国際/国内政治とアメリカ国務省 1949-1953年-」, 日本アメリカ史学会(編)『アメリカ史研究』第39号, 2016年8月, 59-78頁(査読有)
・「アメリカ・ユダヤ人委員会とイスラエル-建国の余波のトランスナショナル・ヒストリー」, 歴史科学協議会(編)『歴史評論』第792号, 2016年3月, 61-74頁
・「「ユダヤ人問題」の解を求めて―アメリカ・ユダヤ人委員会, 国際人権とイスラエルの建国 一九四二~一九四八年―」,日本国際政治学会(編)『国際政治』第176号, 2014年3月, 43-56頁(査読有)
・「人権と市民権のはざまで―第二次世界大戦直後における「人権」を巡る国際政治とアメリカ黒人運動」(修士論文, 一橋大学社会学研究科)2010年, 1-98頁

◆その他の著述
・(書評)「マーク・ガリキオ著/伊藤裕子訳 『アメリカ黒人から見た日本、中国 1895-1945――ブラック・インターナショナリズムの盛衰』」, 歴史科学協議会(編) 『歴史評論』第775号, 2014年11月, 85-90頁
・「移動をめぐる主体と「他者」-排除と連帯のはざまで-」(共著, 2013年度歴史学研究会大会近代史部会主旨文)歴史学研究会(編)『歴史学研究』2013年5月号, 54-55頁

◆学会・研究会発表
・「合評会コメント:マーク・マゾワー『国際協調の先駆者たち 理想と現実の200年』(NTT出版、2015年)」,第三回国連史コロキアム,於明治学院大学白金キャンパス,2016年9月18日
・「イスラエル建国直後のアメリカ・ユダヤ人委員会(AJC)の対外活動 1948-1951」, 人間文化研究機構(NIHU)プログラム「イスラーム地域研究」東京大学拠点(TIAS)2015年度第6回パレスチナ研究班定例研究会,於東京大学本郷キャンパス東洋文化研究所, 2015年11月29日
・「国際関係史研究の方法としての「人権」」, 日韓次世代学術フォーラム第12回国際学術大会,於高麗大学校, 2015年8月23日(要旨査読有)
・「国際人権規約とアメリカ外交―「人権」をめぐる国際/国内政治に対する国務省の議論に着目して」, 世界政治研究会,於東京大学本郷キャンパス山上会館, 2015年5月9日
・「「世界へのアピール」とその後―全米黒人地位向上協会、国際連合と冷戦 1945-1953―」, 日本国際政治学会2014年度研究大会トランスナショナル分科会,於福岡国際会議場, 2014年11月16日(要旨査読有)
・「ユダヤ人問題の解を求めて~アメリカ・ユダヤ人委員会の戦後構想の形成と変容1942-1948~」, 東京歴史科学研究会近代史部会第一回例会,於一橋大学, 2013年6月23日
・「アメリカ・ユダヤ人委員会の戦後構想と「国際人権」1945-1948~シオニズムとの関係を中心に~」, 日本中東学会第29回年次大会,於大阪大学, 2013年5月12日(要旨査読有)
・「Comments on Prof. Danielle L. McGuire, “The Radical Rosa Parks”」, The Japanese Association for American Studies Proseminar,於上智大学, 2012年6月7日

◆その他の講演
・「国連と「人権」をめぐる歴史をどう描き直すか」, 一般財団法人財団せせらぎ平成29年度第一回理事会・評議員会, 於ホテル ルポール麹町, 2017年5月13日
所属学会 日本国際政治学会、日本アメリカ史学会、日本中東学会、日本国際文化学会
担当可能領域 歴史学、国際関係史、アメリカ史、国際関係論、英語
読解可能言語 英語
職歴 ◆常勤
2016年4月~現在:長野県短期大学多文化コミュニケーション学科国際地域文化専攻助教(有期:2019年3月まで)

◆非常勤
2017年11月~2018年1月:津田塾大学総合政策学部非常勤講師(歴史入門)
2016年4月~2016年9月:桜美林大学リベラルアーツ学群非常勤講師(日米関係論)
2015年9月~2016年3月:関東学院大学経済学部非常勤講師(国際関係論)
2015年6月~2015年9月:東京女子大学現代教養学部非常勤講師(日米比較文化)
2015年4月~2017年3月:聖心女子大学文学部非常勤講師(国際関係史)
2014年10月~2016年3月:埼玉大学研究機構研究企画推進室研究支援者
2014年4月~2017年3月:武蔵大学人文学部非常勤講師(英語)
2013年6月~2016年2月:一橋大学アカデミック・プランニング・センター(APLAC)学修支援チューター
2011年7月~2013年3月:一橋大学リサーチ・アシスタント(科学研究費基盤研究(B)「アジア・太平洋戦争および現代世界における大規模暴力をめぐる総合的比較研究」(研究代表者:中野聡)
2010年10月~2011年2月:一橋大学社会学部ティーチング・アシスタント(社会研究入門ゼミ)
2010年5月~2013年3月:東京経済大学ティーチング・アシスタント(人権の歴史と理論a、人権の歴史と理論b)
2010年5月~2011年3月:一橋大学リサーチ・アシスタント(科学研究費基盤研究(B)「『マニラ戦』の実像と記憶:平和のための地域研究」(研究代表者:中野聡))
2009年4月~2009年7月:一橋大学社会学部ティーチング・アシスタント(アメリカ社会史総論)
特記事項 ◆学会等活動
2012年9月~2015年9月:日本アメリカ史学会運営委員
2012年7月~2014年6月:歴史学研究会近代史部会運営委員

◆助成金獲得
2015年9月:一般財団法人財団せせらぎ平成27年度第二四半期助成金獲得(個人、採択テーマ:第二次世界大戦直後の国連と「人権」をめぐる国際史-外交史と社会運動史を架橋した多主体間政治史としての国連史を目指して-)
2014年4月:社団法人日米協会「米国研究助成プログラム2014」助成金獲得(個人、採択テーマ:冷戦初期米国の「人権外交」の再検討:ジョン・フォスター・ダレスを中心に)
2013年2月:一橋大学大学院社会学研究科「平成24年度若手研究者研究活動助成」助成金獲得(個人、採択テーマ:アメリカ・ユダヤ人委員会の戦後構想とその限界についての考察)
2011年3月:社団法人日米協会「米国研究助成プログラム2011」 助成金獲得(個人、採択テーマ:NAACPによる国連への請願活動の再検討~冷戦史の視点から~)
2009年5月:一橋大学大学院社会学研究科プログラム「キャリアデザインの場としての大学院」フィールドワーク助成金獲得(個人、採択テーマ:第二次世界大戦直後における「人権」をめぐる国際政治の様相と米国黒人運動の市民権戦略の変容についての一考察)

◆その他
準デジタル・アーキビスト資格取得(2017年、NPO法人日本デジタル・アーキビスト資格認定機構)
学芸員資格取得(2012年、一橋大学)

*「修士論文」、「博士論文」の上段・下段はそれぞれ日本語タイトル、英文タイトルを示す。

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