若手研究者紹介

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若手研究者一覧

フリガナ コモダ レエヤ
名前 菰田 レエ也
専攻分野 社会学 社会的企業論
研究概要 社会的排除に近い現場を見る時、経済的・関係的困窮に陥るリスクがあるのは当事者ばかりでなく、彼・彼女らと協働しようと社会的事業をおこなう団体にも存在する。「ホームレスを支援している人たちが特別だから、僕は一緒に働けない」。非営利・協同の仕事おこしの活動をしていた際、ある普通のフリーターに言われた言葉が今でも忘れられない。また、内部ではデモクラティブ(民主的)だが、閉鎖的で「内向き」になりがちな傾向のあるコミュニティ集団をいかに捉えるのかで苦慮もしてきた。「社会的」企業として団体が発展するとはどういうことなのだろうか。
日本では、1990年代以降、市民活動やボランティアによる参加型市民社会の躍動が期待される一方、他方でホームレス問題など貧困や排除の問題が顕在化する中で、社会への参加から排除される現象も大きな課題になってきた。社会的排除の問題は、個人の(支援)問題でありながら、同時に既存の社会システムの問題でもある。問題解決過程の中で「異質なもの」との衝突が避けられない領域でありつつ、新たな「共同性」創出の領域でもある。当事者の参加やエンパワーメントの起点になり、「異質なもの」同士の戸惑いや痛みに身を開きながら、「インクルーシブ」な地域コミュニティや社会システムの構想はいかにして可能なのかということは、このテーマを考える際、避けて通れない課題だろう。
筆者の問題関心は、協同組合・NPO等のサード・セクター領域における団体がこの社会的排除問題に取り組むためにいかなる組織行動や組織的基盤が必要なのか、ということです。言い換えると、協同組合・NPO等のサード・セクター領域における団体が、社会的排除問題の解決に資する形で、組織の持続可能性・発展をはかるとはどういうことなのかについて関心があります。より一般的に考えて、社会問題を解決する社会変革志向性を保持しながら、団体として発展するためにはいかなる組織的条件が必要なのかということに筆者の問題関心はあるということです。
欧州の社会的企業研究グループであるEMESによれば、(サード・セクターとしての)社会的企業は、 これまで行政に担われることの多かった介護などの対人社会サービス提供をおこなう組織、 労働市場から排除されてきた人々への雇用・訓練機会を提供する組織(Work Integration Social Enterprise: WISE)の二つのタイプがあると指摘されています。特に、WISEは、欧州において、ワークフェア・アクティベーション政策などの就労支援を中心とする政策課題の中から期待が高まってきた議論です。日本の場合、前者は、高齢化や家族機能の弱体化を背景に、介護保険の導入に伴って発展したNPOの議論がされてきました。他方、後者は、社会的排除問題と一口に言っても、例えばホームレス、若者、障がい者、労働者協同組合など、様々な系譜から社会問題そのものの議論があり、その中で「社会的企業」について言及する議論や研究が登場してきました。筆者が研究対象にしている協同組合・NPO等の団体は、後者のWISEという社会的企業研究のカテゴリーの中に入ります。
現在、筆者は上記のテーマについて、貧困(ホームレス)や社会的排除問題に取り組んできた日本の市民団体、及び協同組合などを対象に、(これらの組織現象を説明する)社会的企業論、社会学の観点から研究しています。社会的企業の持続・発展条件に対する研究の各論として、現在まで、集団内部の結束維持に関する研究、社会関係の拡がりを基盤とした資源混合の研究、現場の社会的企業を支える中間支援機能の研究などをおこなってきました。現在も継続して、関連する諸テーマについて、社会的企業の調査研究をおこなっています。
現在の研究テーマ 社会的企業(WISE)の持続可能性・発展条件についての研究
キーワード 社会的企業(WISE)、ハイブリッド、資源混合、中間支援機能、参加と包摂・排除
研究業績 *
  修士論文 「ワーカーズ・コレクティブにおけるメンバー同質性のマネジメント―参加型民主主義をいかに組織化するか」
The Homogeneity Management of Workers’ Collective:How to Organize Participatory Democracy
博士論文  
 
業績詳細 ◆著書
(共著)町村敬志・佐藤圭一編『脱原発をめざす市民活動 3.11社会運動の社会学』新曜社、2016年2月、コラム「市民主体を育てる 孵卵器としての社会運動組織」【162-164頁】

◆論文
【英語】
SATOH, Keiichi; OKADA, Atsushi; KIM, Sunmee; KIM, Jiyoung; KOMODA, Reeya; TATSUMI, Tomoyuki; TAN, Uichi; MACHIMURA, Takashi, 2014,“Reshaping the Nuclear Energy Policy Domain: The Japanese Anti-nuclear Movement after the Fukushima Nuclear Power Plant Accident”, Grant-in-Aid for Scientific Research(A) Reconstruction from the disaster project (eds.), Sociology in the Post-Disaster Society: Reconstruction from the Great East Japan Earthquake: The Road to Overcome the Earthquake, Tsunami, and Nuclear Disaster, pp.178-199.(peer reviewed)

KOMODA, Reeya, 2013, “Revival of the deep-rooted Anti-Nuclear Power Social Movement in Kansai Region: Green Action”, Disaster, Infrastructure and Society: Learning from the 2011 Earthquake in Japan, study Group on Infrastructure and Society, No.4, pp.42-44.

【日本語】
菰田レエ也, 2016,「ホームレス問題からの労働統合型社会的企業の展開と中間支援の役割」,『中間支援組織調査を通して見た日本の労働統合型社会的企業(WISE)の展開と課題(公募研究シリーズ60)』(研究代表者 藤井敦史)全労済協会, 19-59頁.

菰田レエ也, 2016,「社会運動によるアプローチからホームレス問題に取り組む社会的企業―アドボカシー活動が果たす役割とは何か―」,『協同組合経営研究誌にじ』No.655, 128-143頁. (査読付き)

町村敬志・佐藤圭一・辰巳智行・菰田レエ也・金知榮・金善美・陳威志, 2015,「3,11以後における「脱原発運動」の多様性と重層性――福島第一原発事故後の全国市民団体調査の結果から」,『一橋社会科学』7, 1-32頁.

菰田レエ也, 2015,「ワーカーズ・コレクティブにおけるメンバー同質性のマネジメント―参加型民主主義をいかに組織化するか」(修士論文一橋大学社会学研究科), 1-187頁.

菰田レエ也, 2011,「商店街の継承問題」, 町村敬志編『街念―12通りの空間浴』(一橋大学社会学部町村ゼミナール2011年度砂町銀座商店街・武蔵小山商店街調査報告書),一橋大学社会学部町村ゼミナール発行, 75-87頁.

◆その他の著述
<調査報告書>
菰田レエ也・上田秀麿・渡邊綾, 2016,『若者はなぜ献血に参加するのか―東京都赤十字血液センター立川出張所を事例に―』(一橋大学大学院社会学研究科「社会組織分析」調査実習授業報告書), 1-23頁.

菰田レエ也, 2013,「節電実施状況の継続性に関して」, 町村敬志編『一橋大学教育プロジェクト(平成24年度)社会科学における「資料の収集・保存・活用」教育の展開 活動成果報告書』一橋大学大学院社会学研究科社会学共同研究室(リサーチアウトプット・シリーズ), 94-95頁.

<書評>
菰田レエ也, 「西川潤・マルク・アンベール編著『共生主義宣言 経済成長なき時代をどう生きるか』(書評)」, 2017 (予定).

<ニュースレター等>
菰田レエ也, 2017, 『第92回社会的企業研究会News Letter Vol.6』, (http://sse.jp.net/s/) .

菰田レエ也, 2016, 『第89回社会的企業研究会News Letter Vol.2』, (http://sse.jp.net/s/) .

菰田レエ也, 2016, 「ボランティアに参加して」 『REPORT 2016 7/29~8/1 福島のこども保養inあきる野』.

<その他>
菰田レエ也, 2017,「新会員のページ」『ロバアト・オウエン協会年報』41号 ,207~208頁.

◆学会報告等
【国外】
〇KOMODA, Reeya & Yurie Kumakura & Atsushi Fujii & Kohki Harada, 2017, “Dynamics of a social enterprise combining complex problem-solving abilities: a case study of Japanese WISE”, 6th International Research Conference on Social Enterprise (主催団体:EMES(L'Émergence Des Entreprises Sociales)), Université Catholique de Louvain, Belgium, on July, 2017.(peer reviewed)(予定)

〇金知榮 & 〇菰田レエ也, 2015,「岐路にたった脱原発運動:福島原発事故以降の日本の市民運動の変化を中心に」, 韓国社会学会, 慶尚大學校, 韓国, 2015年6月19日.(口頭・査読なし)

〇KOMODA, Reeya, 2014, “Emergent Platform Stage of Japanese Civil Society after the Fukushima Accident: The End of “Winter of Social Movements” in Japan? , International Sociological Association(ISA),at Pacifico Yokohama, Kanagawa, Japan, on July 18, 2014.(peer reviewed)

〇SATOH, Keiichi & 〇KOMODA, Reeya, 2013, “Organizational Background of the Explosion of the Social Movement after the Fukushima Accident: a New Phase of Japanese Civil Society?”, Asian Studies Conference Japan(ASCJ), at J.F. Oberlin University, Tokyo, Japan, on June 30, 2013.(peer reviewed)

【国内】
菰田レエ也, 2017,「社会関係の拡がりを基盤とした資源混合―ホームレス問題からのWISEの展開を事例に―」, 日本NPO学会第19回年次大会 パネル報告『中間支援組織調査を通して見た日本の労働統合型社会的企業の展開と課題(パネル登壇者;藤井敦史・菰田レエ也・久保(熊倉)ゆりえ・原田晃樹), 東京学芸大学小金井キャンパス, 2017年5月14日.(口頭・査読あり)

菰田レエ也, 2016,「複合的な課題解決能力を組み合わせる社会的企業の動態――ホームレス問題のテーマを中心に――」,第89回日本社会学会, 九州大学伊都キャンパス, 2016年10月9日.(口頭・査読あり)

菰田レエ也, 2016,「社会運動・集合行動研究ネットワーク報告―社会的企業の労働統合化とハイブリッド戦略」,社会運動・集合行動研究ネットワーク研究会, 福岡市立博多市民センター, 2016年10月7日.(口頭・査読なし)

菰田レエ也, 2016,「孵卵器としての社会運動組織――原発都民投票運動を事例に」,社会運動・集合行動研究ネットワーク研究会, 福岡市立博多市民センター, 2016年10月7日.(口頭・査読なし)

菰田レエ也, 2016,「SMCBNET 対話型ゼミナール報告」,社会運動・集合行動研究ネットワーク研究会, 上智大学四谷キャンパス, 2016年9月2日.(口頭・査読なし)

菰田レエ也, 2016,「「生活困窮者」の就労支援と労働統合型社会的企業―ホームレス支援のイシューを中心に―」,第64回関東社会学会, 上智大学四谷キャンパス, 2016年6月5日.(口頭・査読なし)

菰田レエ也, 2016,「ホームレスイシューWISEの展開過程」, 第87回社会的企業研究会, 明治大学御茶ノ水キャンパス, 2016年5月7日.(口頭・査読なし)

佐藤圭一・金知榮・菰田レエ也・村瀬博志・高橋喜宣・辰巳智行・金善美, 2016,「『脱原発をめざす市民活動―3.11社会運動の社会学』出版報告会」,「社会と基盤」研究会(町村敬志(研究代表者))主催, 一橋講堂会議室, 2016年3月14日. (口頭・査読なし)

佐藤圭一・菰田レエ也・陳威志, 2015,「3.11以後の「脱原発運動」はどのように展開したのか――常態化するシステム危機の時代の市民社会の厚み」, 社会運動論研究会, 上智大学四谷キャンパス, 2015年11月8日. (口頭・査読なし)

熊倉ゆりえ・菰田レエ也, 2015,「日本の労働者協同組合運動とWISE」, 第35回日本協同組合学会, 岐阜大学柳戸キャンパス, 2015年10月3日.(口頭・査読なし)

菰田レエ也, 2015,「「生活困窮者」の就労支援と労働統合型社会的企業」, 第35回日本協同組合学会, 岐阜大学柳戸キャンパス, 2015年10月3日.(口頭・査読なし)

菰田レエ也, 2015,「参加型民主主義をいかに組織化するか――ワーカーズ・コレクティブにおけるメンバー同質性のマネジメント――」, 第88回日本社会学会, 早稲田大学戸山キャンパス, 2015年9月20日.(口頭・査読あり)

町村敬志・菰田レエ也, 2015,「「災害の経験」と「運動の経験」――重層する「時間」軸から「社会運動の地勢」の変化を再考する――」, 第88回日本社会学会, 早稲田大学戸山キャンパス, 2015年9月19日.(口頭・査読あり)

菰田レエ也・金知榮・佐藤圭一, 2013,「3.11以降の運動は市民社会を変えたのか ?:団体全国調査をもとに(2)―原発・エネルギーを巡るイシューの全体像と活動団体の組織構造」, 第86回日本社会学会, 慶応義塾大学三田キャンパス, 2013年10月13日.(口頭・査読あり)

佐藤圭一・金知榮・菰田レエ也・岡田篤志・辰巳智行・金善美・陳威志,2013,「『福島原発事故後の市民社会の活動に関する団体調査』調査結果についての研究報告会」,「社会と基盤」研究会(町村敬志(研究代表者))主催, 一橋講堂会議室, 2013年5月20日.(口頭・査読なし)

◆共同調査・研究協力経験等

「社会と基盤」研究会 (研究代表者:町村敬志) 「福島原発事故後の市民社会の活動に関する団体調査」 (郵送調査)における共同調査の企画・実施・集計 (実施期間:2013年2月~2013年3月). (共同調査)

所属学会 日本社会学会、関東社会学会、日本協同組合学会、日本NPO学会
担当可能領域 社会学、社会的企業論、協同組合論、社会調査法
読解可能言語 英語
職歴
特記事項 ◆職歴
日本学術振興会特別研究員 (DC1) (2015年4月~2018年3月).
◆助成金取得経験
平成29年度 Hitotsubashi International Fellow Program―Outbound―経費(大学院生) (2017年7月2日~2017年7月7日).
◆資格
「社会調査士」(一般社団法人 社会調査協会)資格取得 (2014年6月).
◆留学・海外交流経験
英国イーストロンドンインターンシップ Account3プログラム参加(2015年9月1日~15日).
◆学会・研究会事務経験
社会的企業研究会 サイト管理・運営参与.
日本協同組合学会 事務局員・会場設営等 (2016年度春大会).
◆その他 非営利・協同セクターにおける社会貢献活動
「非営利・協同組織のしごと説明会」(主催:明治大学日欧社会的企業比較研究センター、社会的企業研究会、生活サポート生協・東京 協力:立教大学コミュニティ福祉学部インターンシップ・キャリア支援オフィス)におけるサポート業務経験 (第1回2016年2月5日、第2回2016年12月17日).
生活クラブ協同村ひだまりファーム福島子ども保養活動・炊き出しボランティア等への参加.

*「修士論文」、「博士論文」の上段・下段はそれぞれ日本語タイトル、英文タイトルを示す。

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