若手研究者紹介

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若手研究者一覧

フリガナ スズキ ナオキ
名前 鈴木 直樹
専攻分野 日本近世史
研究概要 近世の人口の約8割を占めたのは、農山漁村に生き、第一次産業に従事する百姓身分の人々でした。彼らにとっては、自然資源の希少化や使用などにともなう様々な権利の確保はまさに死活問題です。また、自然災害や飢饉対策にも限界があり、現代人に比べて、自然環境の変化が重要な意味をもっていました。それゆえ、資源の保全・権利維持や災害・飢饉対策などに、多大な努力を払い、知恵を絞ってきたのです。
私の研究は、近世の村落・地域社会で、人々がどのように生存し、生活していたのか、そして近世という時代に村落・地域社会がどのように変容していったのかを明らかにするものです。
そのために、現在は「土豪」と呼ばれる人々に注目しています。土豪とは、戦国期から近世前期(17世紀後半頃まで)に、小百姓を中心とする村からの規制下に組み込まれず、独自の特権や社会関係を持つ、村や地域の有力者です。従来、彼らは近世前期に小百姓が成長してくると、「解体」・「克服」されるべき存在であると評価されてきました。しかし関東では、近世後期になっても、彼らは地域の有力な存在であり続けました。私はこれを「土豪の家」として分析することで、村落・地域社会の動向を通時的かつ動態的に分析することを試みています。
なぜ関東では、土豪の家が近世中後期に至るまで村落における有力な地位を維持できたのか。そして、どのような社会構造がそれを可能にしたのか。こうした問いを解くカギとなるのが、土豪の家が村や地域の「生存」を主導する立場にあったことだと考えています。私はこれを開発(攻めの方針)と、自然災害・飢饉対応(守りの方針)として取り上げ、近世関東の村落・地域の社会構造を明らかにしていきたいと考えています
現在の研究テーマ 近世関東の土豪と村落・地域社会
キーワード
研究業績 *
  修士論文 近世前期土豪と村落社会
The Local Clan and Village Society during the First Half of the Early Modern Period
博士論文 近世関東の土豪と村落・地域社会
Characteristics and Changes of The Local Clan in Early Modern Kanto
業績詳細 ◆著書・共著等
①共著:『新八王子市史』通史編3 近世(上)、八王子市、2017年。
②共著:『新八王子市史』通史編4 近世(下)、八王子市、2017年。
③共著:『新八王子市史』資料編3 近世1、八王子市、2013年。
◆論文
①「近世前期地域支配体制の変容と土豪」、『人民の歴史学』、東京歴史科学研究会、第210号、pp.13-25、2016年(査読無し)。
②「年中行事に見る山間村落の社会構造」、渡辺尚志編『生産・流通・消費の近世史』所収、勉誠出版、pp.539-566、2016年(査読無し)。
③「近世関東の土豪と村落・地域社会」(博士論文)、一橋大学大学院社会学研究科、2016年3月。
④「近世前期における検地施行と土豪の変容」、『八王子市史研究』第5号、pp.32-50、八王子市市史編集委員会、2015年(査読有り)。
⑤「一七世紀の関東と開発」、『関東近世史研究』第74号、pp.3-17、関東近世史研究会、2013年(査読無し)。
⑥「近世前期~中期における土豪家と村落寺院」、『関東近世史研究』第73号、pp.65-88、関東近世史研究会、2012年(査読有り)。
⑦「近世前期土豪の変容と村内小集落」、関東近世史研究会編『関東近世史論集1 村落』、pp.19-49、岩田書院、2012年(査読無し)。
⑧「近世前期土豪と村落社会」(修士論文)、一橋大学大学院社会学研究科、2009年3月。

◆その他の著述
①新刊紹介:「『新八王子市史』資料編3 近世1」、『八王子市史研究』第4号、pp.172-173、八王子市市史編集委員会、2014年。
②新刊紹介:「八王子市史叢書3 検地帳集成」、『八王子市史研究』第4号、p178、八王子市市史編集委員会編、2014年。
③新刊紹介:「小平市史編さん委員会『小平市史 近現代編』、小平市企画政策部編『小平市史別冊写真集 こだいらの「郷土写真」』、同編『小平市史別冊図録 近世の開発と村のくらし』」、『地方史研究』第370号、pp.140-141、地方史研究協議会、2014年。
④書評:「藤田和敏著『近世郷村の研究』」、『民衆史研究』第86号、pp.59-67、民衆史研究会、2013年。
⑤「寛永の飢饉」や「郷村法度」など10項目を執筆、大石学編『徳川歴代将軍事典』、吉川弘文館、2013年。
⑥「家の成立」、木村茂光監修・歴史科学協議会編『戦後歴史学用語辞典』、東京堂出版、p252、2012年。
⑦書評と紹介:「澤登寛聡著『江戸時代自治文化史論』」、『関東近世史研究』第70号、pp.78-83、関東近世史研究会、2011年。
⑧「2009年の歴史学界-回顧と展望-」日本(近世)「在地社会」のうち、「村落」・「土地制度・税」の項目を執筆、『史学雑誌』119編5号、pp.105-107、史学会、2010年。

◆学会報告等
①「近世山村における村政運営の変容と土豪」、『歴史学研究会 日本近世史部会12月例会』、東京大学、2016年12月。
②「近世前期の土豪と譜代下人に関する基礎的考察」、『多摩地域史研究会8月例会』、立川市女性総合センター・アイム、2016年8月。
③「17世紀の開拓者たち」、『すみだ郷土文化資料館 「すみだの開発」連続講座』、すみだ郷土文化資料館、2016年7月
④「近世前期地域支配体制の変容と土豪」、『東京歴史科学研究会第50回大会《個別報告》』、早稲田大学、2016年4月。
⑤「近世前期関東における土豪の特質-風土記稿を素材に-」、『第103回「書物・出版と社会変容」研究会』、一橋大学佐野書院、2016年1月。
⑥「多摩地域の自治体史編纂と近世史研究」、『関東近世史研究会 企画例会』、立正大学、2015年8月。
⑦「備荒貯蓄からみる「危機」と藩・村落-土浦藩領常陸国信太郡烏山村を事例に-」、『第53回近世史サマーセミナー全体会』、茨城県ひたちなか市・潮騒の宿丸徳、2014年7月。
⑧「基調報告 一七世紀の開発と関東」、『第45回関東近世史研究会大会』、國學院大学、2012年12月。
⑨「近世前期~中期における土豪と村落寺院-常陸国信太郡烏山村を事例に-」、『関東近世史研究会7月例会』、法政大学、2010年7月。
⑩「近世前期土豪と村落社会-武蔵国久良岐郡永田村服部家を事例に-」、『関東近世史研究会3月例会』、法政大学、2009年3月。
⑪「関東の土豪の村落における展開過程-主にその課題の検討-」、『第47回近世史サマーセミナー分科会』、千葉県成田市・旅館扇屋、2008年7月。
⑫「近世前期土豪型村落における村方騒動の特質と変容」、『登り窯と永田の自然を守る会報告会』、南永田町内会館、2007年7月。


所属学会 関東近世史研究会(2008年10月~2016年12月:常任委員/2010年11月~2011年11月:事務局長/2011年11月~2012年12月:大会運営委員長/2014年11月~2015年10月:学術局長)
中央史学会、日本歴史学会、地方史研究協議会、東京歴史科学研究会(2017年4月~現在:委員)、歴史学研究会(2017年5月~現在:委員)
担当可能領域 日本近世史、中近世移行期
読解可能言語 英語
職歴 2016年4月-現在 一橋大学大学院社会学研究科特任講師(ジュニアフェロー)
2013年4月-2016年3月 八王子市市史編さん室市史編さん専門員(近世部会担当)
2011年7月-2012年3月 一橋大学大学院社会学研究科リサーチ・アシスタント(研究代表者:渡辺尚志)
2010年10月-2015年7月 相馬市史編さん調査協力員
2010年10月-2011年3月 一橋大学大学院社会学研究科ティーチング・アシスタント(若尾政希)
2010年7月-2011年3月 一橋大学大学院社会学研究科リサーチ・アシスタント(研究代表者:若尾政希)
2010年5月-2010年8月 一橋大学大学院社会学研究科ティーチング・アシスタント(若尾政希)
2009年10月-現在 八王子市市史編集専門部会近世部会専門調査員
特記事項 2015年12月:徳川奨励賞(徳川記念財団)受賞
2014年3月:一橋大学大学院社会学研究科ティーチングフェロー(TF)トレーニングコース修了
2012年3月:学芸員資格取得

*「修士論文」、「博士論文」の上段・下段はそれぞれ日本語タイトル、英文タイトルを示す。

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