教員紹介

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加藤 泰史 (かとう・やすし)

教授 、1956年生
総合社会科学専攻:社会文化研究分野(社会哲学)

研究室:第1研究館1階1104
オフィスアワー:特に指定しません。 (随時応じますが、事前にメールで予約してください。)


主要研究領域

カントおよびドイツ観念論の実践哲学/倫理学・現代ドイツ応用倫理学・価値理論・近代日本哲学

現在の研究テーマと今後の抱負

*これまでカントとドイツ観念論の研究を中心に、新カント学派・現象学・現代哲学などを取り上げてきた。カントに関しては理論哲学から実践哲学までほぼ全般的に研究対象としてきたが、特に「目的の国」のパラドクスや「理性の公共的使用」の問題に新しい観点から取り組んできた。ドイツ観念論の中ではとりわけフィヒテの実践哲学に関心を持ち、「相互人格性」の概念の検討や戦争権の問題などを批判的に論じてきた。現代哲学研究としては現代の超越論哲学の系譜学をアーペルの超越論的言語遂行論からシェーンリッヒの超越論的記号論まで辿りながら総括すること(したがって、ここには言語遂行論をめぐるアーペルとハーバーマスとの方法論的差異の問題や基礎づけをめぐる論争なども検討事項として含まれる)、さらにアーペルやハーバーマスの討議倫理学の批判的検討やホネットの承認論の批判的検討を行った。2009年に独日応用倫理学協会(Deutsch-Japanische Gesellschaft für Angewandte Ethik)を立ち上げて(ドイツ側の参加者は、シェーンリッヒ[ドレスデン工科大学]、ホルン、シュトゥルマ、フリーレ[ボン大学]、シマダ、ビルンバッハー、ヴァーグナー、シュポーデン[デュッセルドルフ大学]、クヴァンテ[ミュンスター大学]、ケトナー[ヴィッテン/ヘアデッケ大学]、シュタイネック[チューリッヒ大学]、レール[ツィタウ大学]などである)以来、ドイツ応用倫理学の研究にも取り組んでいる。
*現在はカントの実践哲学/倫理学研究を中心に、「自律」・「公共性」などの基本概念の再検討と、認識の規範性・認識と感情などの問題に取り組むとともに、『オプス・ポストゥムム』の総合的研究に着手している。現代哲学研究としては、討議倫理学や承認論の批判的研究を継続すると同時に、応用倫理学に関しては価値理論の観点から「人間の尊厳」(そしてさらに、「生命の尊厳」)概念の分析を中心に、日本を含めたアジアの「尊厳」概念史の構築に着手し、またこの価値理論という点では新カント学派価値哲学の再評価にも取り組みたい。さらにはそれとの関連で左右田喜一郎や杉村広藏などの経済哲学/経済倫理学を現代の応用倫理学的観点から再評価する予定である。日本旗代哲学としては和辻哲郎研究を引き続き行う。
*価値理論については大学院のゼミナールで取り上げ、シェーンリッヒやホルンなどの最新の価値理論を検討し、カント研究関係では院生諸氏と『実践理性批判』の読書会を行っている。いずれ『オプス・ポストゥムム』の研究会も開催する予定である。

担当科目

大学院:

専攻 分野/科目群 番号 科目名 学期 曜日 時限
総合社会科学専攻社会文化研究分野4201社会哲学秋・冬4
総合社会科学専攻社会文化研究分野4206社会哲学原典講読C春・夏4
総合社会科学専攻社会文化研究分野4207倫理学特論3
総合社会科学専攻社会文化研究分野4220リサーチワークショップ通年集中 
地球社会研究専攻地球社会研究4829地球社会の思想(4201:「社会哲学」をもって替える)秋・冬4
大学院ゼミナール

学部:

科目区分 番号 科目名 学期 曜日 時限
社会文化研究分野42203社会倫理学3
社会文化研究分野42301倫理学特論3
社会文化研究分野42306社会哲学原典講読C春・夏4
学部後期ゼミナール

学歴

静岡大学・人文学部人文学科哲学専攻・昭和51年4月ー昭和55年3月・卒業
名古屋大学大学院・文学研究科博士前期課程哲学専攻・昭和55年4月ー昭和57年3月・修了
名古屋大学大学院・文学研究科博士後期課程哲学専攻・昭和57年4月ー昭和60年3月・単位取得満期退学

学位

文学修士(名古屋大学)

職歴

1985年4月ー1987年3月:愛知工業大学・非常勤講師
1986年4月ー1988年3月:日本学術振興会・特別研究員(名古屋大学)
1988年4月ー1992年3月:南山大学(文学部哲学科)
1991年10月ー1993年3月:ドイツ連邦共和国・ミュンヘン大学・客員研究員
1992年4月ー1998年3月:南山大学(文学部哲学科)・助教授
1998年4月ー2000年3月:南山大学(文学部哲学科)・教授
2000年4月−2012年3月:南山大学(外国語学部ドイツ学科)・教授(学部改組による文学部廃止に伴い2000年4月より外国学部ドイツ学科に移籍。平成17年3月まで残存する哲学科の学科長を兼任すると同時に、文学研究科独文専攻演習担当。ただし、文学研究科は平成23年3月で廃止され、後継の人間文化研究科キリスト教思想専攻研究指導担当)
2012年4月ー現在に至る:一橋大学大学院社会学研究科(総合社会科学専攻・社会文化研究分野[社会哲学])・教授

主要業績
A.著書・共著等

・李光来編『西洋哲學の受容と変容ーー東アジアにおける西洋哲學受容の問題ーー』(共著), 景仁文化社(韓国), 2012.6.15
・有福孝岳・牧野英二編『カントを学ぶ人のために』(共著), 世界思想社, 2012.5.10
・加藤泰史編『大学と学問の再編成に向けて』(編著), 行路社, 2012.3.31
・寄川条路編『グローバル・エシックス--寛容・連帯・市民社会--』(共著), ミネルヴァ書房, 2009.10
・渡邊二郎監修『西洋哲学史再構築試論』(共著), 昭和堂, 2007.10
・坂部恵・牧野英二・有福孝岳編『カント全集 別巻 カント哲学入門』(共著), 岩波書店, 2006.3
・竹市明弘・小浜善信編『哲学は何を問うべきか』(共著), 晃洋書房, 2005.10
・渡邊二郎監修『西洋哲学史観と時代区分』(共著), 昭和堂, 2004.10
・坂部恵・牧野英二・有福孝岳編『カント全集 17 論理学・教育学』(共著), 岩波書店, 2001.6
・小島毅編『知識人の諸相』(共著), 勉誠出版, 2001.4
・坂部恵・牧野英二・有福孝岳編『カント全集 2 前批判期論集 Ⅱ』(共著), 岩波書店, 2000.9
・シェーンリッヒ・坂部恵・加藤泰史・大橋容一郎編『カント・現代の論争に生きる・下』(編著), 理想社, 2000.6
・『西洋哲学史の再構築に向けて』(編著), 昭和堂, 2000.4
・入江幸男・霜田求編『コミュニケーション理論の射程』(共著), ナカニシヤ出版, 2000.3
・長倉誠一・加藤泰史・大橋容一郎編『現代カント研究(第7巻)・超越論的批判の理論』(共編著), 晃洋書房, 1999.9
・シェーンリッヒ・坂部恵・加藤泰史・大橋容一郎編『カント・現代の論争に生きる・上』(編著), 理想社, 1998.6
・Gerhard Schönrich/Yasushi Kato (ed.) Kant in der Diskussion der Moderne (ed.), Suhrkamp Verlag, 1996.2

B.論文(94年以降)

・「脳神経科学の哲学的挑戦」世界思想社編集部編『世界思想』 通巻40号, p.46-50, 世界思想社, 2013.4
・「高山守『因果論の超克 自由の成立にむけて』・評論三」日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究』 通巻18号, p.173-177, こぶし書房, 2012.12
・「承認論の未来?ーー監訳者あとがきに代えてーー」『『再配分か承認か?』(加藤泰史監訳)』, p.303-327, 法政大学出版局, 2012.10
・「承認論の未来?ーー監訳者あとがきに代えてーー」『『再配分か承認か?』(加藤泰史監訳)』, p.303-327, 法政大学出版局, 2012.10
・「クレプスの自然倫理学構想と価値の問題ーーあとがきに代えてーー」(共著) 『『自然倫理学』(加藤泰史・高畑祐人)』, p.266-276, みすず書房, 2011.5
・「越境する哲学教育に向けて--非哲学科における哲学教育の可能性--」『名古屋高等教育研究』 通巻11号, 名古屋大学高等教育研究センター, 2011.3
・「改正臓器移植法と尊厳の問題--「人間の尊厳」概念に関する予備的スケッチ--」『アカデミア文学・語学編』 通巻89号, 南山大学, 2011.1
・「監訳者あとがきーー「超越論的記号論」の途上にてーー」『『カントと討議倫理学の問題』(加藤泰史監訳)』, p.227-240, 晃洋書房, 2010.9
・「『現代社会における「尊厳の毀損」としての貧困』への補足--CC概念の予備的考察--」『アカデミア人文・社会科学編』 通巻91号, 南山大学, 2010.6
・「「『ドイツ国民に告ぐ』の歴史性を問う」をめぐって」『フィヒテ 研究』 通巻17号, 日本フィヒテ協会, 2009.11
・「現代社会における「尊厳の毀損」としての貧困--格差・平等・国家へのカント的アプローチ」『哲学』 通巻60号, 日本哲学会, 2009.4
・「EU統合とグローバリゼーションの問題--カント的観点からのアプローチ--」『南山大学地域研究センター共同研究 EU統合の理念と現実 成果報告書 2006-2008』, 南山大学地域研究センター委員会, 2009.3
・「カントとヴィンデルバント--「哲学史」構想をめぐるひとつの補遺的スケッチ」」『アカデミア文学・語学編』 通巻85号, 南山大学, 2009.1
・「「二重の周縁から見通す」ことの哲学--『坂部恵集』5における日本哲学の可能性をめぐって」『日本の哲学』 通巻8号, 日本哲学フォーラム, 2007.12
・「カントと愛国心--パトリオティズムとコスモポリタニズムの間--」『日本カント研究』 通巻8号, 日本カント協会, 2007.9
・「カントと超越論哲学の問題--ひとつの予備的スケッチ--」『アカデミア人文・社会科学編』 通巻83号, 南山大学, 2006.6
・「前批判期カントにおける「法的なるもの」と「政治的なるもの」」『南山ゲルマニスティック--光環--』 通巻17号, 南山大学大学院文学研究科, 2006.3
・「カントとフィヒテ--「ナショナリズム」と「コスモポリタニズム」をめぐるカントとフィヒテ-   -」『フィヒテ研究』 通巻13号, 日本フィヒテ協会, 2005.12
・「法的なるものと政治的なるもの--カントの「理性の公共的使用」をめぐって--」『中部哲学会年報』 通巻37号, 中部哲学会, 2005.10
・「啓蒙・他者・公共性--「グローバルな公共性の構築に向けて--」『情況』 2004年12月号, 情況出版, 2004.12
・「ディルタイとカントの実践哲学--「他者理解」あるいは“Ubertragung”をめぐるカントとディルタイ--」『ディルタイ研究』 通巻15号, 日本ディルタイ協会, 2004.11
・「自律とケアの間--倫理学的転回の中のカント哲学--」『アルケー』 通巻12号, 関西哲学会, 2004.6
・「相互承認・他者・良心--良心論の予備的スケッチ--」『文化と哲学』 通巻20号, 静岡大学哲学会, 2003.11
・「理性の制度化と制度の理性化--『学部の争い』の現代的意義--」『ヘーゲル學報--西洋近現代哲学研究--』 通巻5号, 京都ヘーゲル読書会, 2003.5
・“‘Öffentlichkeit’ in der japanischen Kultur und Gesellschaft ?”A.Brandt, A.Falkenhagen, H.Gutschmidt, M.Haenel und L.-T.Ulrichs編『Vernunft und Leidenschaft Nicht-reine synthetische Urteile a priori     über Konrad Cramer』, Landensfug & Hausrecht Verlag, 2002.4
・「環境倫理学における「承認」の問題」『中部哲学年報』 通巻33号, 中部哲学会, 2001.3
・「『相互人格性理論』の陥穽」『現象学年報』 通巻16号, 日本現象学会, 2000.11
・「公共性のユートピア――「理性の公共化」と「都市的」空間の問題――」『哲学雑誌』 第115巻第787号, 哲学会, 2000.10
・「カントの≪Übertragungstheorie≫と他者の問題」『理想』 通巻 663号, 理想社, 1999.7
・「大学空間と批判的公共性の問題」『ドイツ文化・社会史研究』 通巻6号, ドイツ文化・社会史学会, 1999.3
・「人格と承認――相互承認論の構造と限界・序説――」『アカデミア人文・社会科学編』 通巻69号, 南山大学, 1999.3
・「「超越論的人間学」の構想と「理性の公共化」の問題」『人間存在論』 通巻3号, 京都大学大学院, 1997.3

C.翻訳

・『正義の他者(新装版)』(原著:Axel Honneth Das Andere der Gerechtigkeit, Suhrkamp Verlag (Germany), Frankfurt/Main (Germany), 2000年, German), 法政大学出版局, 2013.6.10
・『倫理学と対話』(原著:Albrecht Wellmer Ethik und Dialog, Suhrkamp Verlag (Germany), Frankfurt/Main (Germany), 1986年, German), 法政大学出版局, 2013.4.30
・『再配分か承認か?』(原著:Nancy Fraser/Axel Honneth Umverteilung oder Anerkennung?, Suhrkamp Verlag (Germany), Frankfurt/Main (Germany), 2003年, German), 法政大学出版局, 2012.10.30
・『自然倫理学』(原著:Angelika Krebs Ethics of Nature, Walther de Gruyter, Berlin, 1999年, English), みすず書房, 2011.5.20
・『カントと討議倫理学の問題』(原著:Gerard Schönrich Bei Gelegenheit Diskurs, Suhrkamp Verlag, Frankfurt/Main (Germany), 1994年, German), 晃洋書房, 2010.9.10
・『正義の他者』(原著:Axel Honneth Das Andere der Gerechtigkeit, Suhrkamp, Frankfurt am Main, Deutsch), 法政大学出版局, 2005.5

D.その他(94年以降)

〔口頭発表〕

・「公共性再考 ――理性批判と公共性の問題――」, 京都ヘーゲル読書会, 2013.7, 京都教育文化センター
・「オプティミズムとカタストローフの哲学ーー「自然倫理学」の構想に向けてーー(主題別討議・ライプニッツと現代への提題)」, 日本倫理学会, 2012.10, 日本女子大学
・「高山因果超克論の挑戦ーー「自由意志」論争の中の高山守『因果論の超克』ーー(合評会・高山守『因果論の超克』への特定質問)」, 日本ヘーゲル学会, 2011.12, 神奈川大学

〔研究・調査報告書〕

・加藤泰史編『ドイツ応用倫理学の総合的研究』(共編著), 文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書, 2011.3

〔書評・新刊紹介〕

・(書評) ヴォルフガング・ケアスティング著『自由の秩序ーーカントの法および国家の哲學』 (ミネルヴァ書房, 2013.1.25), 『図書新聞』 通巻3121号, 2013.8.3
・(書評) 千代章一郎著『ル・コルビュジエの宗教建築と「建築的景観」の生成』, 『感性哲学』 通巻4号, 2004.9
・(書評) 佐々木能章著『ライプニッツ術』 (工作舎), 『感性哲学』 通巻3号, 2003.10

〔辞書・辞典等の項目執筆〕

・大沢真幸・吉見俊哉・鷲田清一編『現代社会学事典』, 弘文堂, 2012.12.15 (執筆項目:「永遠平和」「カント」「自由意志と決定論」「道徳」, 7頁)
・『現代倫理学事典』, 弘文堂, 2006.11 (執筆項目:カント・カント主義)
・『カント事典』, 弘文堂, 1997.12 (執筆項目:関心)

研究プロジェクト等(94年以降)

〔外部資金〕

・文部科学省科学研究費・基盤研究(A), 「尊厳のアクチュアリティ」(研究代表者), 日本学術振興会, 2013.4.1-2018.3.31
・文部科学省科学研究費・基盤研究(B), 「近現代哲学の虚軸としてのスピノザ」(研究分担者), 日本学術振興会, 2010.4.10-2013.3.31
・文部科学省科学研究費・基盤研究(B), 「日本近代哲学の特質と意義、およびその発信の可能性をめぐって」(研究分担者), 日本学術振興会, 2010.4.1-2013.3.31

受賞等

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