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社会学研究科講義科目

※ 当該講義情報の詳細は 本学学務情報システム・学生ポータル CELS を参照してください。

総合社会科学専攻 人間行動研究分野 4319 A 夏 月曜日3時限  木曜日3時限 2単位

国際開発論B

担当教員:児玉谷 史朗
【教授言語】

日本語

【学部・学年の指定】

学部全学部3年生、4年生、大学院

【授業科目の目的と概要】

国際開発についてサブサハラアフリカ(サハラ以南アフリカ)を事例としてミレニアム開発目標(MDGs)と関連させながら、講義する。本講義を通じて、国際開発の応用編としてサブサハラアフリカ(SSA)の開発と国際的な開発目標であるMDGsの理解を深めることが授業の目的である。すなわち、本講義では、サブサハラアフリカ(SSA)を事例として、MDGsの時期(2000年~2015年)を中心に、国際開発と開発援助を振り返る。それにより、MDGsの成果と限界を検討するとともに、最も貧困が深刻な地域であるとされるサブサハラアフリカにおける開発の問題を理解することができよう。MDGsは国連総会で採択されたミレニアム宣言に基づいて国連が設定した開発と貧困削減の国際目標である。講義ではSSAがMDGsの実績においてどのようであったのかを分野・目標ごとにまた国による違いを考慮しつつ検討する。MDGsは人間開発・社会開発中心の結果目標、数値目標で、それを達成するための手段方法は含まれていない。それも理由となってMDGsには入っていないが、MDGsの進展には影響を与えたと考えられる経済成長、経済開発、政治・ガバナンスについても取り上げる。これは、SSA各国のMDGs実績が、(1) 資源、輸出、援助と(2) 政治、ガバナンスにどのように関連していたのかを探るためである。

【授業の内容・計画】

・6/3(月) 第1回 2000〜2015年のアフリカの開発とMDGs (1)MDGsの特徴と限界 本講義では、MDGs期間中のアフリカの開発を振り返るが、MDGs自体を基準に評価する訳ではない。MDGs以外の計画や議論を参考に評価することでMDGsに欠けているものを考慮し、MDGsを相対化する。MDGsは国際目標として画期的で、数値目標、指標という特徴。数値化、指標化しにくいものは目標に含まれない。MDGsは結果目標なので、どうやってそれが達成されるかを書いていない。
・6/6(木) 第2回 MDGs以前の国際開発論とMDGsの展開に際する議論、SDGsとの比較からMDGsの限界を探る。1980年代の経済改革(構造調整)、1990年代の「良い統治」、人間開発論、万人の教育、社会開発サミット。AUのNEPAD、Blaire英国首相のアフリカ委員会、J. SachsとW. Easterleyの論争。2005年の債務帳消し。中国等のアフリカ経済進出と新興ドナー。資源価格上昇とアフリカの輸出拡大、経済成長。SDGsとの比較から見えるもの。
・6/10(月) 第3回食料・農業問題
食料問題は食料安全保障、飢え、飢饉に関連。飢えは、所得と並んで貧困の基本的指標。A. セン:エンタイトルメント、飢饉と政治。農業問題は、開発全体に関わる。
農業。(1)輸出作物優先、食料作物の軽視か (2)農業全般の軽視か。
アフリカと食料・農業問題。食糧自給が達成できない。人口増加率と食料生産増加率。アフリカで「緑の革命」が起きなかったのはなぜ。アフリカにおける緑の革命の有効性と限界。緑の革命論者が主張する生産性(収量)向上の意義
・6/13(木) 第4回経済開発(1) 新規輸出品開発 ケニアの園芸作物輸出。ガーナのパイナップル生産。
 一次産品輸出による開発・近代化 比較優位 比重を下げるアフリカ NTE(非伝統的輸出)園芸作物(野菜、花卉、果物) 空輸 EU向け輸出 ドバイ経由で日本にもバラ コーヒー紅茶と異なる流通 貧困削減効果 小農の比率 立地 灌漑 ジェンダー(世帯内の性別分業、労働者) 環境(空輸、water intensive、農薬) ヨーロッパのethical trade、GAP
・6/17(月)第5回経済開発(2) 新規輸出品。ヴィクトリア湖のナイルパーチ輸出:輸出拡大に貢献した漁業の成功と批判。ドキュメンタリー映画「ダーウィンの悪夢」。Keywords: 環境、資源、水産資源輸出による外貨獲得、メディアとアフリカの表象、環境問題と持続可能性、社会問題、貧困削減への効果
・6/20(木) 第6回 経済自由化と貿易、商人、産業 東アフリカ(ケニア、タンザニア)における古着の輸入・販売と輸出用衣料品生産 
・6/24(月) 第7回 教育
 MDGsの目標:初等教育における全員就学。ウガンダの事例。その他のアフリカ諸国の事例。全員就学の意味。卒業への到達の限界。就学率の上昇、就学者の増加→教育の質。教育の内容、役割の議論。アフリカ以外の地域では初等教育の修了は前提。中等教育。
・6/27(木) 第8回 保健医療1 子どもと女性
 子どもの死亡率、妊産婦死亡率。これらは全般的な保健医療、公衆衛生の水準の反映。同時に、女性の地位や教育水準の反映でもある。WHOなどは妊産婦死亡率引き下げには病院での分娩の比率向上を主張。農村の女性たちは必ずしも積極的ではない。それはなぜか。
・7/1(月)第9回 保健医療2HIV/AIDS
・7/4(木)第10回 携帯電話 MDGsの目標に入っていない。急速な普及。アフリカでも高所得、HDIの高い国で普及率高いが、そうでない国でも普及。利用者は都市に居住する、若い、高学歴の男性という初期の傾向弱まる。SSAにおける携帯電話の意義。初の大衆に普及した機能する通信手段。携帯電話による通話だけでなく携帯電話を利用したビジネスやサービスの発達。ビジネス、社会関係、公共サービスに利用。携帯による送金などの金融サービス。携帯電話(関連ビジネスやサービス)が貧困削減や経済発展に貢献するか。
・7/8(月) 第11回 国別の事例 エチオピアとタンザニア
・7/11(木) 第12回 国別の事例 ウガンダとルワンダ

【テキスト・文献】

テキストは使わない。参考文献は各回の授業で適宜紹介するが、全体に関わるものとして以下を挙げておく。勝俣誠 2013 『新・現代アフリカ入門』岩波新書 平野克己 2013 『経済大陸アフリカ』中公新書  ダヨ・オロパデ著、松本裕訳 (2016) 『アフリカ希望の大陸』英治出版

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