社会学研究科紹介

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社会調査

社会科学研究と社会調査

 社会科学研究において社会調査は、社会認識にとって不可欠の方法であり、社会理論と社会調査は車の両輪の関係にあります。したがって社会調査は、単なる技法ではなく、社会と人間を経験的・実証的に解明しようとするときに踏まえるべき方法として、それ自体、研究史が蓄積されています。実証的研究に欠かすことができない社会調査に関する知見を幅広く獲得し、これを駆使する力を身につけることは重要な課題です。また社会調査の実践方法、とりわけ調査対象との距離感、信頼関係の構築など、社会調査をとりおこなう際に求められるリテラシーを幅広く身につけておくことも重視されなければなりません。リサーチ・デザイン、質問紙の作成、フィールドワーク、インタビュー、得られたデータの整理・集計とその分析にいたるまでの一連のプロセス、およびこれにもとづいて理論化へと進んでいく道筋に関する知識を修得することは、各々の研究テーマに実証的に接近するために不可欠な能力を養成することになるでしょう。

履修モデルケース

 社会現象が多様である以上、調査という方法を通じての社会現象への接近もまたマルチメソッドなものである必要があることは言うまでもありません。既存の統計的データの吟味と活用についてと同様に、自らの手と足で企画した調査活動を遂行し、歴史的・社会的に意義ある資料をつけ加えていくことに習熟することは、実証研究を志す場合には欠かすことができません。とりわけ大きな変動期にある現代社会に解析のメスを入れようとすれば、量的調査と質的調査を組み合わせ、両者の方法を統合する、バランスのとれた方法が求められているのです。
 こうした観点から履修モデルを考える際に、「専門社会調査士」の資格取得を念頭におくとよいでしょう。社会調査に関わる専門教育を受けた人が申請できる「社会調査士」「専門社会調査士」の資格制度があります。社会学部、社会学研究科では、社会調査に必要な科目を多面的に学び、かつ専門社会調査士資格を取得できるカリキュラムを用意しています。これらの科目を系統的に学んで各々の研究に生かすとともに、それが結果として資格取得につながればと考えています。なおこの資格取得について詳しくは、本学社会調査士/専門社会調査士資格制度ホームページ(http://www.soc.hit-u.ac.jp/~hccsr/)、および一般社団法人社会調査協会ホームページ(http://jasr.or.jp/)を参照してください。

 一般社団法人社会調査協会が定めている専門社会調査士の「標準カリキュラム」(H・I・J)と、2018年度、社会学研究科で開講する科目との対応関係はつぎのようになります。(科目認定申請の結果は追って開示)。

 なお大学院で取得できる「専門社会調査士」の資格は、学部生が取得できる「社会調査士」の取得が要件になっていますので、対応する学部科目を下記に記載しておきます。

*量的データ解析法Ⅱと質的調査研究は大学院との共修科目。
*専門社会調査士資格と社会調査士資格を同時申請する場合は、社会調査を用いた修士論文を執筆し、上記H、I、J科目の単位を修得していれば、院生はG科目が免除される。

 基礎科目と発展科目の配置、ならびに各科目の開講予定(毎年開講されるものと1年おきに開講されるもの、特定の年度のみ開講されるものがある)を考慮しながら、履修計画を立ててみるとよいでしょう。

修士論文

 これまでの修士論文のなかには、家族社会学、労働社会学、文化社会学、ジェンダー研究などの各々の研究ジャンルにおいて社会調査を駆使したすぐれたものが多数書かれてきました。

*最近の修士論文テーマの例
―現代若者がつくる「家族」のゆくえ:非正規雇用で働く未婚者に注目して
―虐待は家族関係に何をもたらすのか:虐待被害経験をもつ女性たちの語りから
―里親として生きる:里親家庭の実態に関する一考察
―小学校女性教員の就労継続に関する研究:1950~60年代の日教組婦人部「産休代替法」制定運動を中心に
―ジェンダー化された環境としての“エリート”男子校:OBの語りからみるジェンダー形成と境界への意味づけ
―フランスにおける言語運用能力の教育目標とリセの大衆化:リセ第2級フランス語の学習指導要領と教科書を手がかりに
―若年ゲイ男性のライフストーリー:HIV/AIDSの時代における性
―男性化された「遊び」に見える男女間のジェンダー戦略:「サバイバルゲーム」を通した「快楽的な男性性」の再検討
―異性愛主義社会とコミュニティのあいだで:ゲイ男性・バイセクシャル男性のライフ・ポリティクス
―韓国女性軍人に関する研究:軍隊にとどまる・離れる要因を中心に
―沖縄の基地従業員女性からみた在日米軍
―〈家庭〉を描く日常世界:子供たちの経験と語り
―パワースポット・ブームにみられる宗教の持続と変容の考察
―「社会起業家」という生き方はいかに実現されるのか:〈新しい世代の社会起業家〉のライフストーリーに見る個人と社会
―フラッシュモブの生成と多様化:「劇場型」の興隆と脱公共空間

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