社会学研究科紹介

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歴史社会研究分野

社会史日本
社会史アジア
社会史ヨーロッパ
社会史アメリカ

 「歴史社会研究分野」の所属教員は、日本・東アジア(朝鮮・中国)・ヨーロッパ・北アメリカの歴史を専攻しています。まず、この研究分野を構成する教員名・専門分野・研究領域・現在の研究テーマを紹介し、以下、この社会史日本、社会史アジア、社会史ヨーロッパ、社会史アメリカの4つの研究分野での研究の特徴と履修モデルを示すことにします。

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【社会史日本】

 日本史研究とは、主として日本列島をフィールドとしてそこに生起してきた歴史的事象を対象とする歴史研究をいいます。対象とする時代は、日本列島が形成され人が住むようになった原始の時代から現代まで長期にわたりますが、「歴史社会研究分野」に属する日本史の教員は、16世紀以降、時代区分でいえば「近世」以降を専攻しています。よって各教員が行うゼミでは、教員の専門に応じて、「近世」あるいは「近現代」を扱います。大学院に入学(進学)した皆さんは、「歴史社会研究分野」の教員のゼミを一つ履修し(これを主ゼミといいます)、各教員から個別指導を受けることになります。また、主ゼミの他に、副ゼミを履修することも可能です。たとえば、近世史のゼミは二つ開設されておりますので、一方を主ゼミ、他方を副ゼミとして、両方を履修する院生が多くいます。この他、経済学研究科等、他研究科に属する教員のゼミを履修する院生もいます。研究の方法を学んだり、視野を広げたりするためにも、複数のゼミを履修することをお勧めします。
 日本史に関わる講義には、大学院講義Bとして日本社会史Ⅰ、同Ⅱ、同Ⅲ、日本思想史、学部との共修の大学院講義Aとして日本思想史特論、日本社会史特論があります。このうち、年度により3~5の講義が開設され、毎年、講義題目も異なります。よって皆さんは、WEB上のシラバスを読んで、興味を持った講義を受講することになります。
 日本史研究に限らず歴史研究の基本は、史料を批判し読解する能力を身につけることにあります。こうした点に不安がある人はもちろん、自信がある人も(単位を取得するかどうかに関わりなく)、学部生対象の歴史学の講義(たとえば社会史史料講読(日本))に出ることもお勧めします。基本を再確認することができるだけでなく、将来、自分が教える立場になったときにも役立つと思います。また、余裕があれば、日本史だけでなく、アジア・ヨーロッパ・アメリカ史の講義をも適宜受講して、視野を広げておくことも大切でしょう。
 学位論文(修士論文・博士論文)はゼミ中に輪番で行う研究報告(ゼミ報告)やオフィスアワー等を利用して、他のゼミ生と切磋琢磨したり教員の指導・助言を受けたりして、書き上げていくことになります。

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【社会史アジア】

◎社会史アジアとは
 社会史アジアは、中国近現代史、朝鮮近現代史を専攻とする教員で構成されており、これらの分野については高度の知識と研究方法を修得することができます。東アジアの近現代史を中心としているのが、本学のアジア史の特徴です。
 歴史学の研究は史料を広く調査・収集し、丹念に読解・分析することを基礎としていますが、アジア史については、大学院入学時に中級程度の中国語または朝鮮語の読解力、あるいは漢文の読解力がどうしても必要です。そのため、修士課程入学試験の二次試験、博士後期課程編入学・進学試験においては、中国語・朝鮮語・漢文史料のいずれかについて読解力を問う問題を課しています。
◎社会史アジアにおける履修
 修士課程に入学して、社会史アジア担当の教員を指導教員としましたら、指導教員と相談して、修士課程における研究課題を定め、研究計画を具体的に立て、それに沿って関連した先行研究を探索して読破・検討していく一方、研究課題に即した史料をできるだけ広く調査・収集し、読解し分析していく作業を重ね、その成果を修士論文にまとめていきます。それに役立つように設定されているのが、社会史アジア関係の演習と大学院講義Bです。以上の研究活動と社会史アジア関係の授業科目の履修によって、専攻分野に関する高度の知識と研究方法の修得をめざします。
 それと同時に、社会史アジアの関連分野について広く学修する必要があります。社会史アジアと関連が深い分野は、社会史日本、政治学などですが、設定した研究課題によってさらに多様になります。どういう関連分野を履修したらよいかは、指導教員と具体的に相談するようにして下さい。
 社会史アジアを専攻とした場合に、履修すべき科目は指導教員の演習、歴史社会研究分野のリサーチワークショップであり、履修した方がよい科目は社会史アジアや関連分野の大学院講義B、大学院講義Aです。また、単位にはなりませんが、社会学部において開設されている社会史史料講読や社会史アジア関係の発展科目を履修した方がよい場合があります(これに関しては、指導教員と相談して下さい)。
 博士後期課程については、指導教員の演習の他に、指導教員と相談して、自己の研究能力をどのように成長させるかをよく考えた履修計画を立て、それに沿った形で大学院講義Bの科目をできるだけ広く履修するようにして下さい。

◎学位論文の執筆について
 修士論文・博士論文とも、適切な研究課題を設定するために、関連した研究の現状、史料の存在状況について、できるだけ早く知る必要があります。幅の広い学修は、専攻すべき対象を適切に決定するのに役立つと言うことができます。指導教員とよく相談して、積極的に広く学修し、そのなかで自己の研究課題をいっそう明確にしていくことを心がけて下さい。
 また、文章表現力、史料の扱い方は修練が必要であり、謙虚な態度で先行研究や史料に接することが肝要です。

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【社会史ヨーロッパ】

 通常「ヨーロッパ史」という場合、古代から現代までを含むと考えられているのに対し、当研究分野に所属する教員は、中世から、おおむね20世紀初頭までのヨーロッパの歴史を研究対象としています。「社会史ヨーロッパ」と銘打っていますが、いわゆる社会史のみならず、経済史、国制史、思想史、文化史など、さまざまな力点の置き方をしつつ研究が進められており、他研究科・図書館なども含めてそれを支援し可能にする態勢・環境が整っていることがいちばんの特色と思われます。
 歴史学に共通する基本的なものの見方や考え方を身につけるために、まず、ヨーロッパ社会史特論、ヨーロッパ思想史特論をはじめとする、各史特論の授業を履修することが望ましいです。さらに、ヨーロッパ社会史Ⅰ・Ⅱをはじめとする各社会史や社会思想を履修することが考えられます。
 また、英語に加えて、史料および二次資料(研究文献)を読むために必要な外国語に習熟することが不可欠です。ドイツ語、フランス語、ロシア語、ラテン語など、研究対象とする地域・時代により必要な言語はそれぞれ異なり、社会学研究科で開講されている講義・ゼミナールのみならず、社会学部や他研究科のものにも広く目を向けて履修する必要が出てくる場合も多いです。
 修士2年次のリサーチワークショップに限らず、つね日頃から複数の教員にゼミナールでの指導を受けることが好ましいので、副ゼミナール(第二演習)を履修することを勧めます。選択の可能性については、研究対象をヨーロッパ史に限定するならば、指導教員以外の社会史ヨーロッパ担当教員のほか、他の研究分野、さらには他研究科のゼミナールも履修可能なので、経済学研究科の大月康弘(ビザンツ)、森宜人(近代ドイツ)、法学研究科の屋敷二郎(近代ドイツ)各氏のゼミナールなどが考えられます。研究対象・手法によっては、ヨーロッパ以外の地域の歴史や他の研究分野のゼミナールを選択することも考えられます。

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【社会史アメリカ】

 日本国内においてアメリカを対象とする学問は、地域研究(アメリカ研究 American Studies)の枠組みで研究・教育が行われているところが多いのですが、社会学研究科の〈社会史アメリカ〉は、歴史学のディシプリンでアメリカ史を専門的に学べる、日本でも数少ない研究・教育の場です。かつて本学で教鞭をとられた黒人史の本田創造氏や辻内鏡人氏らが目指した、歴史を社会の底辺から問い直す“From the Bottom Up”の社会史のまなざしを継承し、アメリカ史学の新たな展開をめざしています。
 本学には日本アメリカ史学会(旧アメリカ史研究会)の事務局が置かれており、国内外のアメリカ史研究者のネットワーク拠点としても機能しています。アメリカ史関連の基本図書や国内外の専門雑誌が充実しており、とくに南北戦争・再建期や公民権運動関連の貴重なマイクロフィルムを所蔵していて、研究環境としても恵まれているといえます。(本学所蔵のアメリカ関連資料については、http://www.soc.hit-u.ac.jp/~amstud/で全リストをみることができます。)
 現在、教員は中野聡と貴堂嘉之の2名で、国内史(建国期から現代まで)から外交史・国際関係史まで幅広い研究領域の院生が学んでいます。院生の多くは、両教員の大学院ゼミを中心に履修プランをたて、アメリカ研究やアメリカ社会史特論の講義を受講します。また、院生の研究領域にしたがって、個別に隣接領域のヨーロッパ史や日本近代史、国際社会学、ジェンダー論などのゼミや講義を履修しています。修士課程では、さまざまなディシプリンに触れ、研究の広がりの可能性をみつけることが大切ですので、いろいろな授業に積極的に参加することが期待されます。〈社会史アメリカ〉の院生は、修士課程終了後、多くが博士課程に進学し、博士論文の執筆に取り組みます。
(最近の研究テーマ)
(1)「共和国の母」論、(2)奴隷制廃止運動と再建期解放民教育、(3)サンフランシスコの中国人移民排斥、都市秩序論、(4)南部白人リベラルに関する考察、(5)シカゴ・フリーダム・ムーブメント、(6)日本人移民の排斥問題、(7)人種論、黒人思想史、(8)インディアン研究、教育史、(9)チカーノと国際労働力移動、(10)P.T.バーナム研究、(11)ヴェトナム戦争とアメリカ・ナショナリズム、(12)アイルランド系女性移民とホワイトネス研究、(13)NY失業者対策の福祉史、(14)ハワイ日本人移民と日米両国の徴兵問題、(15)退役軍人政策の歴史など。

◎アーカイブズ学とアーキビスト養成
 歴史研究をおこなううえで、史料そのものを扱うスキルはいうまでもなく重要です。また、在学中や修了後に、史料を扱う専門的な職業に就くこともあるでしょう。そのようなとき、アーカイブズに関する総合的・体系的な知識や、アーキビスト(公文書等を扱う専門職)としての素養などが、しばしば求められることとなります。
 2011年度から施行された「公文書等の管理に関する法律」と、2012年度からはじまった「日本アーカイブズ学会登録アーキビスト」資格認定制度とによって、アーカイブズをめぐる議論は、近年ますます活発になってきました。アーキビストへの社会的な要請が高まるなか、社会学研究科では、国文学研究資料館の協力のもと、アーカイブズ関連科目を開講しているほか、連携プログラム(アーカイブズ・カレッジ)も実施しています。これらの履修をとおして、アーカイブズに関する理論・実践両面での理解を深めるとともに、希望者はアーキビスト資格の認定に必要な単位の修得ができるようになっています(最終的な資格の認定には、一定の実務経験が必要となります)。また、教員と大学院生との共同研究プロジェクト(先端課題研究)や、各ゼミ・有志での活動のなかで、随時アーカイブズの見学や活用のあり方の検討などをおこなっていますので、そうした活動にも積極的に参加してみるとよいでしょう。

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