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総合政策研究分野

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 「総合政策研究分野」という研究分野は、「雇用・労働」、「生活問題」、「コミュニティ」を研究対象として設定し、これらの世界において、労働者・市民が幸福な生を送ることを可能にする政策を築き上げるための知識と方法論を学びます。
 従来、この分野の学問は近代日本が工業化を進め、農村から都市に労働力と人口の大規模で急激な移動が起こり、農村などの共同体の解体が進み、人々の暮らし方が大きく変わった20世紀の社会現実を背景に形成されてきました。
 わが国経済の急成長の一方で、都市に集積した労働者家族の生活保障を伝統的な共同体が担うことは困難となりました。そこで国家による失業保険、医療保険、老齢年金などの制度・政策や企業経営による共同生活体形成(正規従業員の長期安定雇用や企業内福祉施策などいわゆる日本的経営など)、あるいは労働者の雇用保障と労働条件の維持向上を目指す労働組合の運動などが労働者家族の生活保障を担おうとしました。
 こうした社会状況の中で提出されてきた政策課題に対応するために、社会政策、社会保障、労働問題、労使関係論、人口問題などの学問分野が発展しました。


自治体首長訪問(神奈川県開成町)


再生された古民家の視察

1.総合政策研究分野の課題

 現在、20世紀的な日本社会の問題状況は大きく変わりつつあります。例えば、以下のような問題状況を挙げることができるでしょう。
○少子高齢化など人口構造が変化し、わが国が人口減少社会に向かいつつあることも明らかになってきました。社会保険や年金をはじめとする社会保障制度はこのままで続けられるのでしょうか。
○経済のグローバル化の影響が社会のすみずみにまでおよび、企業経営は経営環境変化への対応に追われています。労働者の職場生活や労働条件、そして職業人生はどうなるのでしょうか。
○わが国に限らず、20世紀末に福祉国家の行き詰まりが指摘されています。「福祉国家から福祉社会へ」という方向で制度・政策の再構築することを主張する声もあります。21世紀に私たちは福祉社会への新たな展開を切り開けるでしょうか。
○政府・地方公共団体を中心とする「行政セクター」と企業を中心とする「民間営利セクター」と並んで「市民社会セクター」(民間非営利セクター)の役割の重要性が増してきていると言われています。この 3番目のセクターには地域のコミュニティ組織もあれば、労働組合や生活協同組合も含まれますが、近年、NPO・NGOなどの市民活動団体が発展してきました。ただし、市民社会セクターはまだ十分に力を発揮していない面もあります。これら市民社会組織はどのように活用すべきなのでしょうか。

2.総合政策研究分野の3つの領域と履修プランの定め方

 こうした重要な課題に向かって学生の皆さんが考察を深めるのを支援するために、この研究分野では<社会政策・社会福祉> <雇用・労働> <コミュニティ・都市地域政策> という3つの領域ごとに授業科目を用意しています。いずれかの領域を系統的に学習し、3年次からの専門ゼミナールの選択や卒業論文の研究テーマ設定につなげる、という姿勢で科目選択をしてください。また、3つの領域は深いところで密接に関係しているので、2つ以上の領域を横断しながら自分の履修プランを組み立てることも必要です。そうした学習は現実社会を多様な異なる立場から観察し、社会問題の本質に迫る力を身につけるのに役立つことと思われます。 

3.どのような科目があるか

総合政策研究分野の授業科目のラインナップを紹介します。詳しくは各科目のシラバスを参照してください。

〈社会政策・社会福祉〉領域

社会政策総論総合政策分野の基礎領域を広い視野から展望する概説的科目です。
生活保障論 個人や家庭生活の安定を共同的に配慮しようというのが、19世紀末からの政策の方向です。この科目では、現在その政策がどのような位置と方向を持っているかを明らかにします。
社会福祉 社会福祉は社会政策、福祉政策の中心的な位置を占めるようになっています。本科目は、このような動向を踏まえながら、社会福祉について概説することを目的としています。
社会政策特論 健康に関する政策学的な研究動向を踏まえて、健康に対する学術的なアプローチの可能性について多角的に論じます。

〈雇用・労働〉領域

雇用関係総論 総合政策分野の雇用・労働関連科目は、基礎科目である「雇用関係総論」と「産業・労働社会学総論」、発展科目である「雇用関係特論」と「産業・労働社会学特論」から編成されています。雇用関係総論では、現代社会の雇用関係の実態を日本国内のイッシューを中心に講義します。基礎科目ですので、初学者にとって興味が持てるカレントトピックスを多く取り上げる予定です。
産業・労働社会学総論 社会学を中心に、雇用関係を学術的に研究するための社会理論の講義を行います。
雇用関係特論 産業・労働関連の調査に必要なリサーチメソッドの習得をめざします。
産業・労働社会学特論 現代社会の雇用関係について、労働力の国際移動、多国籍企業の動向など、グローバルなイッシューを取り上げて講義を行います

〈コミュニティ・社会組織〉領域

人間環境論 生活空間の安全性、利便性、快適性を高め、人間的な生活環境を持続するための思想と政策と活動について考察します。地域社会と都市空間に関する社会学、経済学、都市工学、公衆衛生学などの基礎知識を学びます。また、心理学・工学の視点に基づき、「人間-環境」における認知の仕組み・計画手法を学びます。
コミュニティ政策論 現代社会が直面する社会問題解決に関するコミュニティ・レベルの政策と取り組みを研究します。地域住民の参加・協働、公益団体や市民社会組織の活動、コミュニティビジネスや社会起業などを学びます。
都市・地域政策特論 まちづくり・環境・福祉などの各分野における市民組織の事例をもとに、市場・政府の有効性および限界と比較しながら、市民組織が必要とされる背景、市民組織の成立条件を考えます。
都市・地域政策総論 ①環境が人間に及ぼす影響と、②人間が環境をデザインすることを同時に考えることが求められます。本講義では、心理学/工学の視点に基づき、「人間-環境」における認知の仕組み/計画手法を習得します。

4.履修のガイド

 これまでに紹介した総合政策研究分野所属の教員が担当する科目以外にも皆さんの関心により、履修が望ましい科目があります。そうした科目は、社会学部の他の研究分野が提供しているものもありますし、商学部、経済学部、法学部で政策、経済、経営、労働などに関する科目として開講されているものもあります。自分なりの履修プランを工夫してください。

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