過去レクチャー

過去レクチャー

*レクチャーは英語で行われますが、日本語での概要は以下にご覧ください。

2017年 テーマ:「社会的分断」・"Social Division"

レクチャー:

Emma Cook (Hokkaido University),
“Broken Bodies: Precarious Labour, Gender and Well-being”


2016年 テーマ: 「視点」 ・ “Perspectives”

レクチャー:

Jennifer Coates (Kyoto University),
“Affective Iconography: Rethinking Post-war Japanese Cinema”

Momoko Nakamura (Kanto Gakuin University),
“Japanese Translation of non-Japanese Speech: Inter-lingual Construction of Gender”

Sven Saaler (Sophia University),
“Politics, Memory and Public Opinion: Coming to Terms with Japan’s Wartime Past”

Avril Haye-Matsui (Aichi Prefectural University),
“Black Women in Japan: Experiences and Perceptions”

Aaron Rio (Minneapolis Institute of Art),
“Building a World Class Collection of Japanese Art in the American Midwest: The Minneapolis Institute of Art at 100”



壊れた身体:非正規労働、ジェンダーとセルフケア

2017年6月1日 | PDF
講師:エマ・クック(北海道大学)

Emma Cook, Hokkaido University

「この仕事で私は体を壊しました」と吉野さんは語る。「体を壊す」というのは、長期にわたるストレスや厄介な職場の人間関係、長時間労働、睡眠不足の結果として起こる肉体的な衰弱や、病気・疲労の徴候を典型的に示すことばである。そのような経験は一般的にオーバーワークの結果としてだけでなく、性格や、「頑張る」「我慢する」文化の結果としても語られた。人によっては、パートタイム労働がフルタイム労働の重圧を取り除いてくれたが、パートタイム労働も体を壊さない安全な場所というわけではなかった。実際には、非正規労働者の危険性や低賃金、搾取的な会社の慣例、「我慢」と「頑張る」の文化は労働者の健康を害する可能性がある。本講義では「体を壊す」経験が何を意味するのか、不安定な労働者はいかにして体を壊してしまうのか、心身の健康への影響、労働のジェンダー的な理解が「体を壊す」経験や語りの中で果たす役割を明らかにする。

講師紹介
エマ・クック(Emma Cook)。北海道大学准教授(人類学)。 ジェンダー、雇用、家族から、食、健康、リスク、感情と幸福にわたって関心を持っており、Japanese Studies, Asian Anthropology, Social Science Japan Journal, Asian Journal of Social Scienceなどの学術誌に論文を出版し、2016年には「成人男性の男らしさの再構築―現代日本とロンドンにおけるパートタイム労働」(Reconstructing Adult Masculinities: Part-time Work in Contemporary Japan)という題名の本を出版した。 JSPS Grant-in-Aid for Scientific Researchによる資金提供を受け、現在は日本とイギリスにおける社会的、身体的および感情的な食物アレルギーにまつわる経験を相互文化的に調査している。


「感動的なアイコン:
日本映画の再考察」

2017年1月19日 | PDF
講師:ジェニファー・コーツ(京都大学)

Jinnifer Coates, Kyoto University

1945年からの20年間は、日本映画の「黄金時代」と呼ばれている時代である。この黄金時代に、500本以上の映画が製作され、その内容は反復的でありながら、内容、製作者や演技が傑出しているとして、高評価を受けている。本発表は、違う視点から日本映画の黄金時代を考察する。当時の映画によく現れた反復的な内容を中心に、その反復的な内容がなぜ観客に響いたのかを考える。

講師紹介
京都大学白眉センター特定助教。『Making Icons: Repetition and the Female Image in Japanese Cinema, 1945-1964』(2016)を執筆。


「翻訳がつくるジェンダー」

2016年11月15日 | PDF
講師:中村桃子(関東学院大学)

Momoko Nakamura

翻訳では、「あら、何かしら。あたし怖いわ。」や、「やあ、ジョン。ぼくは、マイケルさ。元気かい。」のように、日本人が使わないような話し方が現れる。 これらの翻訳に特有な言葉づかいは、女らしさや男らしさのイメージにどのような影響を与えているのだろうか。

講師紹介
関東学院大学教授(言語学)。『「女ことば」はつくられる』(2007)、『〈性〉と日本語』(2007)、 『女ことばと日本語』(2012)等を執筆。


「戦後日本の「過去の克服」の近況:「歴史問題」から「歴史戦争」へ」

2016年10月14日 | PDF
講師:スヴェン・サーラ(上智大学)

Sven Saaler

戦後日本の「過去の克服」と隣国との和解過程は1990年代に「黄金の時代」を迎えていた。しかし、近年「歴史問題」が新たに激しさを増し、「歴史戦争」と名付けられる状況にエスカレートした。本講演では、この激化の要因を検討し、特に一般国民の歴史観と政界における歴史観を対比する。

講師紹介
上智大学国際教養学部准教授(日本近現代史)。


「日本にいる黒人女性―経験と認知」

2016年7月1日 | PDF
講師:アブリル・ヘイ松井(愛知県立大学

Avril Haye-Matsui

日本にいる黒人女性の経験と視点から、日本社会を紹介する。アイデンティティ、母性、美の基準や多様性などの話題を中心に、外国人女性のコミュニティ作り、家族関係や事業での成功を語り合う。

講師紹介
愛知県立大学の准教授。20年以上日本に住み、日本にいる黒人女性のための団体を創設した。現在の会員は1000名を超えている。


「米中西部に世界有数の日本美術コレクションを創る:100年を迎えるミネアポリス美術館」

2016年4月18日
PDF

講師:アーロン・リオ(ミネアポリス美術館)

Aaron Rio

講師紹介
アーロン・リオ。ミネアポリス美術館のAndrew W. Mellon日本美術と韓国美術のアシスタント・キュレーター。2015年にコロンビア大学美術史考古学部博士取得。研究分野は中世日本の地方画派。