社会学研究科授業情報

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社会学研究科講義科目

研究科共通科目 研究基礎科目 4706 B 冬学期・木曜日2時限 2単位

社会科学研究の基礎 V

担当教員:大杉 高司

1. 授業概要

【研究科(専攻)・学年の指定】

修士課程の学生

【授業科目の目的】

文脈を捉えるとはいかなる事態であるのか、哲学、人類学、社会学、宗教学、批評理論など、人文社会科学の複数の思考伝統を踏まえて理解し、履修者の今後の研究の土台を形成する。

【授業科目の到達目標】

文脈を捉えるとはいかなる事態であるのかを理解し、履修者各々の事例研究と理論構築に活用できるようになること。

【授業の方法】

履修者が選定テキストに関するコメントペーパー(A4で1枚程度)を毎回授業に先だって提出し、それに基づき教員による講義と全員参加のディスカッションを実施する。また、最終2回は、履修者のレポートを共有し、ディスカッションを実施する。

【他の授業科目との関連】

 

【教育課程の中での位置づけ】

 

2. 授業の内容・計画

【授業の内容】

「脱文脈化」の語が肯定的な意味合いでも用いられることは稀である。いかなる事象を研究対象にするにせよ、学的取り組みがまずもって着手すべきは、当該事象をそれが置かれた「文脈」のうちに位置づけることだとされてきた。「脱文脈化」は、この手続きを怠ったことへの非難の表現であり、研究成果の信頼性に対する深刻な挑戦の別名として用いられてきたのである。しかし、はたして「文脈」は、ソレとして容易に特定可能なものとして、私たちの面前に与えられていると言えるであろうか。当該事象と直接・間接に関わる人々の活動を仔細に追えば、「文脈」がむしろ、そうでなければ無秩序に散乱している諸要素(ヒト・モノ・情報)を相互に関連付けようとする不断の試みの結果として、不安定ながらもその輪郭を浮かびあがらせているに過ぎないことが、見えてくるはずである。すなわち「文脈」は、当該事象に外在するというよりも、当該事象のただ中で、絶えず生成されなおされ続けているのだといえるだろう。そして、「文脈」が人々の活動に支えられたものである以上、「文脈化」の過程で排除された要素の逆流や、異質な要素の突然の侵入、「文脈」を構成する要素の別の「文脈」への転移といった危機(あるいは機会)に、人々はたえず晒され続けるに違いないのである。この意味で「脱文脈化」は、研究手続き上の瑕疵の別名というよりも、それ自体に学的眼差しを向けられるべき対象と捉えなければならない。しかし、本講義では「脱文脈化」を、いかなる意味でも評定することを目的としていない。「脱文脈化」を忌避すべきものとして批判したり(たとえば商品化やグローバル化の名で)、新時代を予兆するものとして称揚したり(ハイブリッド化や越境の名で)することは、かえって「脱文脈化」の過程の遍在性や恒常性、そしてそのあらわれの多様性や個別性から、私たちの目を逸らさせることになろう。本講義では、「医療」や「儀礼」、「美的経験」や「宗教経験」、「政治」や「開発」など様々なラベルで切り取られてきた無数の現場で、「文脈化」と「脱文脈化」がどのような鬩ぎ合いを繰り広げているのかを追跡し、それらが人文社会科学の理論にどのような再構成を迫るのかを、できる限り正確に把握することを試みる。

【計画(回数、日付、テーマ等)】

 

【テキスト・参考文献】

『一橋社会科学別冊、特集:脱/文脈化を思考する』第7巻別冊 2015年。
すべて下記サイトで入手可能です。
https://hermes-ir.lib.hit-u.ac.jp/rs/handle/10086/27120

【授業時間外の学習(予習・復習等)】

毎回講義日の前々日の深夜までに、選定文献を読みA4で1枚程度のコメントペーパを提出することを課す(3時間程度を要す)。また、各回の復習を要する。

3. 評価

【成績評価の方法】

平常点50%、およびレポート50%

【成績評価基準の内容】

 

4. その他

【受講生に対するメッセージ】

本講義は人類学、哲学、社会学、宗教学、批評理論(文芸研究)を跨いだ、理論指向の強い授業です。また、毎回の授業に先だってコメントペーパ(A4で一枚程度)の提出を義務付けたうえで講義とディスカッションを実施するので、話し下手な学生が学問的議論を展開する力を身につけるのに適しているといえます。
積極的な参加を望みます。

【その他】

t.osugi@r.hit-u.ac.jp
随時メールで予約をとること。

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