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社会学研究科講義科目

※ 当該講義情報の詳細は 本学学務情報システム・学生ポータル CELS を参照してください。

地球社会研究専攻 平和 4810 春・夏 火曜日2時限  2単位

平和の思想

担当教員:根本 雅也
【教授言語】

日本語

【学部・学年の指定】

大学院生

【授業科目の目的と概要】

本授業では、戦後日本の核(兵器)意識に焦点を当てて、平和の思想について考える。
広島と長崎に投下された原子爆弾の災禍の経験は、戦後日本の平和主義の一端を支えてきた。それは人びとの核兵器反対の声を生み、平和にまつわる様々な実践を展開させる一方で、しばしば言説やイデオロギーに絡みとられ、固有のポリティクスを生み出してもきた。
本授業では、まず文献の講読を通じて、広島と長崎に投下された原爆の災禍が戦後どのように位置付けられてきたのかを探る。反核や平和の理念は日本社会に何をもたらしたのか。そして、何から目をそらせようとしてきたのか。これらの問いを念頭に置きながら、戦後日本の反核や平和をめぐるポリティクスの存在を可視化する。
だが、核兵器や戦争に反対し、平和を求める声は必ずしも言説やイデオロギーによって形づくられてきたわけではない。戦争や原爆を体験した人びとが自らの体験にもとづき、思想を練り上げてきたからである。そこで、授業の後半では、戦争を体験した民衆の声に向き合う。特に原爆を経験した原爆被爆者たちの実際の「声」に対峙し、原爆や戦争がもたらした痛みや苦しみとともに、彼らの平和への思いに迫る。被爆者の手記や彼らに対する調査を題材として、彼らにとっての戦争・原爆とは何か、そして彼らが伝えようとしていることを明らかにし、「平和の思想」を具体的に検討することにしたい。

前半は文献講読ですが、後半はフィールドワークやこれまでの被爆者調査の調査票に触れる社会調査の要素を含む予定です。毎回出席を原則とし、履修者には積極的な参加が求められます。

【授業の内容・計画】

おおよそ次の流れで授業を展開する予定です。ただし、受講生の人数や関心等により、変更する可能性があります。
1 イントロダクション
2 戦後日本の核意識(1)
3 戦後日本の核意識(2)
4 戦後日本の核意識(3)
5 被害者のポリティクス、ポリティクスの被害者(1)
6 被害者のポリティクス、ポリティクスの被害者(2)
7 被爆者の声に向き合う(1):調査の系譜
8 被爆者の声に向き合う(2):書き残されたものに耳をすませる
9 被爆者の声に向き合う(3):書き残されたものに耳をすませる
10 被爆者の声に向き合う(4):アフターコーディング
11 「平和の思想」を紡ぐ(1)
12 「平和の思想」を紡ぐ(2)
13 「平和の思想」を紡ぐ(3)

【テキスト・文献】

授業初回に説明する。現時点では以下のものを取り扱う予定。
山本昭宏『核と日本——ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』、米山リサ『広島—記憶のポリティクス』、奥田博子『原爆の記憶——ヒロシマ/ナガサキの思想』、根本雅也『ヒロシマ・パラドクス—戦後日本の反核と人道意識』、濱谷正晴『原爆体験—六七四四人・死と生の証言』、石田忠『原爆体験の思想化—反原爆論集I』『原爆被害者援護法—反原爆論集II』などの一部を講読する。

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