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社会学部講義科目

※ 当該講義情報の詳細は 本学学務情報システム・学生ポータル Mercas を参照してください。

社会学科導入科目 40103 秋 火曜日3時限  金曜日3時限 2単位

社会科学概論Ⅱ

担当教員:田中 拓道
【教授言語】

日本語

【学部・学年の指定】

社会学部1年生選択必修科目(同名の科目から1つを選択)

【授業科目の目的と概要】

1 目的

 大学とは、学生と教員がともに自ら学びあうことによって、新しい価値や思想を生み出す創造的な現場です。この講義では、大学ばかりでなく多様な社会の現場においても、「知」の創造者・生産者・編集者として生きていくための技法とマナーを学習します。
 社会科学概論の目的は、専門分化した社会諸科学の原点にある共通の基盤を身につけ、「社会」を総合的にとらえられるようになることです。夏学期での学習は、高校と大学での学びを結びつけることに主眼がありました。冬学期の講義では、さまざまな専門分野の入り口となる論点や理論を広く学びつつ、社会科学の方法を体系的に学習することをめざします。

2 到達目標

 本講義は、とくに次の2つのねらいをもって設計されます。
 (1)現代社会の諸問題を、できるかぎり総合的、かつ複眼的な視点からとらえ、自分の中にできるだけ多くの問題意識を涵養すること
 (2)「答えのない問題」と取りくみ、自らの立場を導けるような社会科学に共通する思考法・論理・調査法を身につけること

3 方法

 講義とディスカッションを組み合わせます。リーディング・アサインメントの予習を前提として、現代社会の代表的な問題を扱いながら、社会科学の基礎的な技法を一つずつ習得していきます。
 各講義では、前半で現代の社会問題にかんする複数の立場や議論を紹介したうえで、グループ・ディスカッションを行います。後半では、こうした問題を検討するための方法論を提示し、実習を行います。その他、図書館での調査演習、レポート執筆と相互添削、グループ発表などをとり入れ、双方向的な形式となるよう工夫します。

【授業の内容・計画(回数・日付・テーマ等)】

1 内容

 (1)社会科学の方法は以下の順序で学びます。
 「対立する見方を学ぶ」、「批判的な議論を構築する」、「問いを発見し、仮説を立てる」、「データを収集し、仮説を検証する」、「歴史と比較を活用する」、「文献を調査する」、「事実と規範の違いを学ぶ」、「理論や概念を用いる」、「アウトラインを作成する」、「論文を執筆する」。

 (2)今年度の講義では以下のような題材・論点を扱います。
 大学教育の意味、新卒一括採用・終身雇用を維持すべきか、格差の拡大は問題か、なぜ少子高齢化が進んでいるのか、国家と市場の関係、公正な社会とは何か、グローバル化は世界を不幸にするか、社会を総体としてとらえる諸理論。

 グローバル化の波にさらされ、私たちの生活のあり方、働き方、家族のあり方、教育のあり方、政治経済のしくみは大きな変化のただ中にあります。私たちは数多くの未解決の「問題」や「矛盾」に日々直面しています。こうした時代だからこそ、複眼的かつ総合的な視野をもって問題をとらえ、社会科学的な思考を武器にして、解決策を模索していく必要があります。本講義では、一方通行の「講義」をできるだけ減らし、受講者がともに考え、論じあう形式を重視していきます。

2 計画

(1)大学で何を学ぶか ― 大学改革をめぐる論争
 テーマ:ゆとり教育と入試改革、職業教育の是非、大学で学ぶことの意味
 方法:複眼的な思考とディスカッション、パラグラフのつくり方

(2)働くこと ― 日本型雇用をめぐる論争
 テーマ:新卒一括採用・終身雇用への賛否、労働市場の流動化は必要か
 方法:弁証法の構築、論文に必要な議論の展開とは何か

(3)学術論文とは何か
 問いの設定、因果的推論、仮説演繹法
 良い文章と悪い文章、引用の仕方

(4)格差は拡大しているか
 テーマ:格差をめぐる論争、統計データの使い方
 方法:仮説の構築、概念の操作化、検証・反証可能性とは何か

(5)家族と社会 ― 少子化を考える
 テーマ:少子化のナゾ、家族意識の強化、「近代家族」の形成と変容
 方法:歴史を学ぶ意味とは何か

(6)文献調査の実習
 学術論文、外国語文献、新聞記事などの高度な文献調査を実習する

(7)国家と市場 ― 各国の多様性
 テーマ:国家はどこまで市場に介入するべきか、公共財・情報の非対称性・公平性
 方法:各国比較によって見えること、共変法と差異法

(8)公正な社会
 テーマ:報酬の格差はどこまで許される? ~ 公正な社会とは?(ハイエク、ロールズ)
 方法:事実の検証と規範の関係、なぜ社会科学で規範理論を学ぶ必要があるか

(9)グローバル化の是非
 テーマ:グローバル化は世界の格差を広げているか? 近代化論、世界システム論、ガバナンス論
 方法:データによる理論の修正と発展

(10)現代社会をどうとらえるか
 テーマ:社会を総体としてとらえるための諸理論(マルクス、ヴェーバー、ハバーマス、ギデンズ)、ポスト近代/後期近代としての現代
 方法:理論をもとにして「問題」を発見する

(11)インターネットと社会変容
 テーマ:インターネットは人間関係や社会関係をどう変えているか
 方法:ブレインストーミング、KJ法によって、論文の「アウトライン」を作成する(manabaのアンケート機能を使った実習)

(12)学生のグループ発表

(13)授業のまとめ

【テキスト・文献】

以下の文献を指定します。
 苅谷剛彦『知的複眼思考法』講談社+α文庫、2007年(880円)

毎回の課題文献はmanabaをつうじて指定します。講義はそれを読んだことを前提に進められます。

【キーワード】

文化、ジェンダー・セクシュアリティ、国家・市民社会・公共性、グローバリゼーション

 

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